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2024.1.4.8780
2024.1.4.8780
2023.1.12.8706
2022.1.18.8567
2021.1.14.8108
2019.2.15.7667
2019.1.11.7296
2018.1.11.6987
2017.2.10.6745
2017.1.9.6501
2016.2.6.6153
2015.1.9.5624
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Wwise SDK 2024.1.4
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このページでは、Spatial Audioに関連する音響の基本概念を説明します:
回折は、音波が小さい障害物に当たったり、大きい障害物や開口部の端に当たったりし、それを回り込む場合に発生します。開口部(ポータル)を経由して横方向へと伝播する音を表すので、リスナーが開口部の真正面にいなくても聞こえます。回折はゲームで重要な役割を果たし、プレイヤーは自分とサウンドエミッタ間にある通り道を知ることができます。下図は平面波の音場の図で、右上から来て、図の中央で始まる有限の面(黒い線)に当たる様子です。この端によって発生した摂動を、回折と呼びます。左の領域はView Regionで、平面波は影響を受けずに通過します。右上はReflection Regionで、面との反射が起こり入射波とミックスされるため、ギザギザしたパターンになります。右下はShadow Regionで、回折の影響が大きい場所です。以下は大まかな図です。実際には、音場は領域の境界線でも連続しており、端の回折はView Regionでも発生します。ただし入射波そのものと比較すると、一般的に無視できる程度です。
端をポイントソース(点音源)と見なし、振幅が距離に応じて減少します。また、高周波の振幅の方が低周波よりも速く減少するので、ローパスフィルタで適切にモデル化できます。Wwise Spatial Audioでは回折を2つのAPIでモデル化します。RoomやPortalを使用してポータルの回折をモデル化する方法については Diffraction(回折) 、またジオメトリを使用してエミッタとその初期反射の回折をモデル化する方法については Geometry APIを使った回折(diffraction)と透過(transmission)のシミュレーション をご覧ください。
音の透過(transmission)も、重要な音の現象として、Wwise Spatial Audio内でモデル化されています。透過とは障害物を透過する音のエネルギーのことで、透過損失(transmission loss)は障害物によって失われたエネルギーの割合を示します。透過は、反射音波で損なわれたエネルギーの割合を示す吸音とは異なります。
2つの媒体の境界では複雑な相互作用が発生する場合があります。反射エネルギーと吸音エネルギーの比率は素材の表面の特性によって定義されますが、透過エネルギーと透過損失は障害物の大きさ、形状、密度に関連します。
音波がコンクリートなど高密度の素材からなる障害物に遭遇すると、透過によってリスナーに届くエネルギーの割合は回折と比べてかなり小さくなる可能性があり、近くに開口部がある場合は特にそうです。しかし近くに開口部がない場合や、障害物が木材やガラスなどより低密度の素材からなる場合は、透過が大きいためシミュレーションが重要になります。
オブストラクションやオクルージョンは、サウンドソースとリスナー間の空間を何かが遮る時に存在する条件です。オブストラクションは部分的に遮られること、オクルージョンは完全に遮られることを意味します。Spatial Audioを使用する場合、ジオメトリを回折や透過と合わせて活用し、望ましい効果を生み出すことをお勧めします。しかしオブストラクション値やオクルージョン値を設定し、Spatial Audioと組み合わせて、あるいは単独で使用することも可能です。オブストラクションとオクルージョンの詳細については オブストラクションやオクルージョンとゲーム定義AUXセンド をご覧ください。
一定の時間が経過すると、サウンドエミッタは周囲の環境の音響特性に依存した拡散音場を作ります。一般的にゲームでは、これをリバーブエフェクトで実装し、パラメータは関連する環境を表すように調整されます。拡散音場は、開口部や壁も通過してリスナーまで到達し、リスナーの環境を励起します。ルームカップリングとは、音響エネルギーが、1つの環境または部屋から、ほかの環境または部屋へと伝達される様子を指し、リバーブとも呼ばれます。ゲームは通常、ある部屋のリバーブの出力を別の部屋のリバーブに送り込むことで、これをモデル化します。
Spatial Audioの観点においてオブストラクション、オクルージョン、回折、透過は互いに密接に関係し、重要な役割を果たします。
まとめると: