バージョン
多くのモーションエフェクト(Motion effects)が、オーディオイベントである銃の発砲、道路の振動、爆弾の爆発などにリンクされているので、プロジェクトで既に作成したサウンドやミュージックオブジェクトから、直接モーションデータを生成することができます。この場合の処理は単純で、Wwiseでオーディオ信号から低周波コンポーネントを抽出し、信号のこの部分をリサンプルして、納得のゆくモーションエフェクトにするだけです。この方式は、デザイナーや開発者の作業量が非常に少なく、オーディオと同期したモーションに格好の方式ですが、以下の欠点があります。
作成されるモーションの種類に関する設定範囲が限定される。
オーディオ信号でモーションデータを作成するには、ランタイムにフィルタをかけてリサンプルする必要があり、CPUへの負荷が高い。
モーションがオーディオに関係しない場合に、対応できない。
不利な点があるものの、この方式が向いている状況もあります。例えば、ゲームのモーションのプロトタイプを作成する時に、最適の方式です。プロトタイプが完成して承認されてから、より細かくコントロールできる専用のモーションオブジェクトを作成するのかどうか、決めても良いでしょう。
なお、既存サウンドからモーションを生成する前に、以下の点に注意してください。
オリジナルのオーディオソースからDCオフセットを取り除くと、モーションアウトプットが変更される。
モーションのアウトプットは、コントローラの物理的なモーターの動力、最高スピード、重さなどが違うので、プラットフォームによって感じ方が変わる。
既存オーディオソースやモーションソースを使ってモーションデータを生成する予定であれば、まず最初に、それをルーティングするモーションバスを指定する必要があります。モーションデータはオーディオデータと異なるので、モーションデータをルーティングする複数のバスからなる、別の階層が必要です。この別の階層をマスターミキサー階層に作成するには、新しいマスターバスを作成して、Wwise Motionデバイスをそれにアサインします。モーションバス階層の作成については「Building an output structure for motion」を参照してください。
モーション専用ソースのアウトプットルーティングを指定するには:
Property Editorに、最上位オブジェクトを1つロードする。
In the Output Bus group, click the Browse button.
Project Explorer - Browserが開く。
モーション対応マスターバスの下のバスを選択する。
OK をクリックします。
現在のオブジェクトと、その下にある全ての子オブジェクトから生成されたモーションデータが、選択したバスにルーティングされる。
モーションのアウトプットルーティングをオーディオソースで指定するには:
Property Editorに、最上位オブジェクトを1つロードする。
In the User-defined Auxiliary Sends group, click the Browse button.
Project Explorer - Browserが開く。
モーション対応マスターバスの下のAuxバスを選択する。
OK をクリックします。
現在のオブジェクトと、その下にある全ての子オブジェクトから生成されたモーションデータが、選択したバスにルーティングされる。
ルーティングを設定するときに、Master Busや、自分で作成したほかのBusの、バスコンフィギュレーションに注意してください。例えば、Wwise Motion Audio Deviceの多くはAnonymous 2-channel Master Busを使うので、オーディオの各チャンネルが、それぞれ物理的なモーターに関連づけられ、この点がStereo 2-channel Master Busと異なります。オーディオがどのチャンネルに行くのかを制御するには、たとえゼロ以外のデータは1つのチャンネルだけだったとしても、オーディオソースとして2チャンネルの波形ファイルを提供する必要があるかもしれません。また、これが非現実的な場合には、Stereo 2-channelアウトプットコンフィギュレーションを使うBusをルーティングパスに設定し、このBusのスピーカーパンニングを活用し、オーディオを希望するチャンネルにリダイレクトすることもできます。
注釈 | |
---|---|
Wwise Motion Audio Deviceの中には、Stereo 2-channelやAnonymous 4-channelなどほかのバスコンフィギュレーションを使うものもあり、その場合はチャンネルルーティングで異なるセットアップが必要となるかもしれません。対応するデバイスや、各デバイスのチャンネルコンフィギュレーションについて、詳細は Wwise Motionの統合 を参照してください。 |
モーションデバイスは低周波しか出せないので、オーディオソースの高周波を低くしたりフィルターにかけたりする必要があるかもしれません。また、出てくる信号を増幅しなければ、適切な強度を感じ取れないかもしれません。オーディオ信号をモーションバスに送信するのにSend to an Auxiliary Busを使うので、センド機能で通常提供されるツールを利用できます。
注意 | |
---|---|
モーションオブジェクトには、ハイパスフィルタを使用しないでください。モーションデバイスは低周波しか出せないので、ハイパスフィルタの内容にかかわらず、モーションを事実上ミュートします。 |
高周波をフィルターで除くには:
Property Editorに、モーション関係のAuxバスをロードする。
In the Output Bus group, modify the LPF value to set the cutoff frequency that will be used to generate the motion signal.
生成したモーション信号をブーストするには、また低減するには:
Property Editorに、オーディオストラクチャをロードする。
In the User-defined Auxiliary Sends group, modify the Volume value to either amplify or attenuate the motion signal.
さらに、EQなどのエフェクトをAuxバスに適用して、周波数帯を一部ブーストさせたり減少させたりできます。
注釈 | |
---|---|
Wwiseでモーションエフェクトの強度をテストするには、まずワークステーションにモーションデバイスを接続してからWwiseオブジェクトを再生する必要があります。 |