バージョン
複数のプラットフォームに対応するには、プロジェクトを複数に分ける、というのがオーディオデザイナーの通常の考え方です。Wwiseでは、1つのプロジェクトで全てに対応できます。新しいプロジェクトを作成した時点で、自動的に、複数のプラットフォームに対応できる体制が整備され、同時開発も可能です。デフォルトとして、対応可能な全てのプラットフォームが、プロジェクト上で有効になっていますが、いくつかのプラットフォームをプロジェクトから削除すれば、ワークフローの効率性を上げることができます。プロジェクトからプラットフォームを削除する方法については「Removing platforms」を参照してください。
プロジェクトを作成して、アセットやミュージックをインポートした後に、プラットフォーム別にカスタマイズできる、コンバージョン設定ShareSet(ShareSet)を設定し、また、各プラットフォームの長所や制約に従って、アセットの使い方を、プラットフォームごとに定義します。
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Wwiseで様々なプラットフォーム向けにオーサリングするのは、それらのプラットフォーム向けの開発の権利があることが前提です。新たに別のプラットフォームの権利を取得した場合は、その追加プラットフォームを含めるために、インストール用パッケージをアップデートする必要があります。 |
Wwiseでは、対象プラットフォームごとにプロジェクトをカスタマイズするために、以下を行うことができます。
Wwiseで、あるプラットフォーム用にサウンドのプロパティを設定すると、これらのプロパティが、デフォルトで、他のアクティブプラットフォームで同じく設定されます。この時、プロパティが全てのプラットフォームで「リンクしている(Linked)」と言います。複数のプラットフォームを対象としたプロジェクトの作成の効率化につながります。しかし、特定のプラットフォームでカスタマイズしたいプロパティがある場合は、そのプロパティをアンリンクして(Unlinked)、新たに設定することができます。プロパティをアンリンクすると、そのリンクインジケータがオレンジ色に変わります。
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あるプラットフォームでプロパティを設定する時に、他のプラットフォームでプロパティがアンリンクされているかどうかを、簡単に確認できます。リンクインジケータが半分オレンジ色であれば、他でアンリンクされていることを示します。
1つのプラットフォームで、プロパティをアンリンクするには:
アンリンクするプロパティの横の、リンクインジケータを右クリックする。
ショートカットメニューが表示される。
Unlinkをクリックする。
インジケータがオレンジ色に変わり、設定した値は現在のプラットフォームにだけ適用される。
同じプロパティがリンクされているプラットフォームに切り替えると、別のプラットフォームでこのプロパティがアンリンクされていることが、インジケータで表示される。
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プロパティを再びリンクさせるには、プロパティのインジケータを右クリックして、ショートカットメニューで、Linkを選択します。 |
Wwiseのオブジェクトには、複数のソースが設定されていることがあります。デフォルトで、どのプラットフォームでも、オブジェクトを再生すると、同じソースが使われます。しかし、Contents Editorでソースをアンリンク(Unlink)すると、プラットフォームごとに、異なるソースを指定できます。設定したソースは、そのプラットフォームのSoundBankを生成する時に使用されます。
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ボイスサウンドオブジェクトの場合は、プロジェクトで使うランゲージことに、ソースのUse(使用する)プロパティを、アンリンクできます。 |
例えば、ファイティングゲームのキャラクター名を、プレイするプラットフォームによって変えるとします。ゲームの本来のヒーロー名は「Max」ですが、Windowsでは、「Arthur」というキャラクター名に変えます。つまり、一部のボイスサウンドオブジェクトにオーディオソースが2種類含まれ、両者はほとんど同じ台詞となりますが、台詞内の名前だけが、変わります。この場合、Windowsのバージョンだけで、サウンドオブジェクトのUseプロパティをアンリンクして、このバージョンでは、「Max」の台詞ではなく「Arthur」の台詞を使うように設定します。
プラットフォームごとに、どのソースを使うのかを設定する時に、ソースのステータスを、リンクインジケータで確認できます。現在のプラットフォームでアンリンクされているソースは、リンクインジケータが全体的にオレンジ色です。一方、他のプラットフォームでこのソースがアンリンクされている状態であれば、インジケータが半分オレンジ色です。
あるプラットフォームで使うソースを選択するには:
Contents Editorで、使用するソースを1つ選び、そのソースの、Useオプションをクリックする。
選択したソースが、全プラットフォームで使用される。
このソースを、現在のプラットフォームだけで使用する場合は、タイトルバーにある、Use linkインジケータを右クリックする。
ショートカットメニューが表示される。
Unlinkをクリックする。
インジケータがオレンジ色に変わり、設定したオーディオソースが、選定されたランゲージのプラットフォームの時だけに、使用される。
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このソースの、Useプロパティを再びリンクさせるには、プロパティのインジケータを右クリックして、ショートカットメニューで、Linkを選択します。 |
オーディオの開発中は、ゲームやゲームプラットフォームのメモリ容量を気にしなければなりません。また、どのプラットフォームであれば、どのアセットを適格に活用できるかを、検討する必要があります。全てのプラットフォームを最適化するには、特定のオブジェクトを、プラットフォームによって含める(Included)・除外する(Excluded)状況もでてきます。あるオブジェクトを除外すると、このオブジェクトは、除外したプラットフォーム用に生成するSoundBankに、含まれません。
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あるプラットフォームで、特定のオブジェクト、フォルダ、Event Action、ランゲージなどを含める(Include)・除外する(Exclude)設定は、以下の様な、Wwiseの様々なビューで表示されるプラットフォームチェックボックスで行います。
Project Explorer (Effects, Audio Devices, Virtual Folders, Work Unitsを含むオブジェクトの左にあるチェックボックス)
Property Editor (アイテムアイコンの左にあるチェックボックス)
Contents Editor (Inc. Language チェックボックス、ただしこの"Language"にプロジェクトのランゲージの1つが表示される)
Event Editor (Inclusion)
List View (Inclusion)
Multi Editor (Inclusion)
Query Editor (Inclusion)
どのオブジェクトを含める(Include)・除外する(Exclude)のかを決めたら、そのプラットフォーム用に設定したオーディオを、Transport Controlで試聴できます。また、Soundcasterや、Game Profilerを使えば、あるプラットフォームでどのオブジェクトを含める(Include)・除外する(Exclude)のかを決める参考になります。プロファイリングやシミュレーションの詳細は、以下のセクションを参照してください。
Wwiseのビューで、現在のプラットフォームから、あるプロジェクトエレメントを除外するには:
チェックボックスが表示されるWwiseのビューのいずれかで、プラットフォームチェックボックスのチェックを外す、または、ショートカットメニュー Inclusion > Exclude Selection オプションを使う。
このプロジェクトエレメントが、現在のプラットフォームから除外(Exclude)される。
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複数のエレメントを一度の操作でエレメントを含める(Include)か除外する(Exclude)かを同時に選ぶことができます。 |
全プラットフォームで、プロジェクトエレメントを除外するには:
リンクインジケータがグレーであることを確認することで、除外するオブジェクトエレメントがリンクされていることを確認してください。
もし、リンクインジケータがオレンジの場合、 Inclusion > Linkを選んでください。
もし、上部でリンクインジケータがオレンジの場合、 リンクをされていないプラットフォーム (全オレンジ) を探すために選択されたプラットフォームを変更し、すべてのリンクを変更してください。
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のリンクインジケータにいてをご覧ください。 「Linking or unlinking property values」. |
Wwiseのビューで、現在のプラットフォームから、あるプロジェクトエレメントを除外するには: listと同様のステップに従ってください。
Wwiseプロジェクトには、アクティブなプラットフォームバージョンが全て入っているので、開発サイクル中にいつでも、簡単に他のプラットフォームに切り替えることができます。例えば、同時に複数のプラットフォームで開発している場合に、あるオブジェクトのプロパティを、プラットフォーム別に順番に設定したい場合などに、切り替えて設定できます。プラットフォームを切り替えると、現在のプラットフォームのバージョンが表示されます。
他のアクティブプラットフォームに切り替えるには:
ツールバー左側の矢印をクリックし、Platform Selectorリストを表示させます。
Platform Selectorリストで、別のプラットフォームを選択する。
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アルファベット順のリストに掲載された各プラットフォームに、ショートカットが設定されています。例えば、A、B、Cという3つのプラットフォームがある場合は、Alt+1を押すと、あなたのWwiseプロジェクトのプラットフォームAバージョンが開き、Alt+3を押すと、プラットフォームCバージョンが開きます。該当するショートカットを押せばいつでも、あなたのWwiseプロジェクトの別のプラットフォームバージョンを選択できます。 |
選択したプラットフォームバージョンが、表示される。
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プロジェクトに追加したプラットフォームだけが、Platform Selectorリストに追加されます。For information on adding a platform, see Managing platforms. |
Wwiseのプロジェクトでは、プラットフォーム別の編集作業が可能なので、あるプラットフォーム向けの設定を、他のプラットフォームにコピーしたい状況があるかもしれません。例えば、2種類のプラットフォーム向けの作業をしばらく続けて、第3のプラットフォームを追加する準備ができた時点で、既にカスタマイズしたプラットフォームの1つをコピーして、そこからスタートできます。
The Copy Platform Settings dialog, accessed through the 「Platform Manager」, lets you do just that. ソースとターゲットのプラットフォームを指定すれば、プラットフォーム用の全ての設定がソースプラットフォームからターゲットプラットフォームにコピーされます。
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プラットフォーム設定はベースプラットフォームと異なります。一旦後者をプラットフォームに選択すると、それは変わりません。新しいベースプラットフォームが必要になった場合は、新しいプラットフォームを作成する必要があります。 |
ソースからターゲットにコピーされるプラットフォーム用の設定:
アンリンクされたオブジェクトパラメータ
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例外として、ダイアログProject Settingsの、SoundBanksタブと、External Sourcesタブにある、そのプラットフォーム専用の設定は、ターゲットプラットフォームにコピーされません。 |
Inclusion/exclusion
アンリンクされた、アクティブソース (サウンドの、Contents Editorで指定されたもの)
コンバージョン設定
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ソースプラットフォームで使用するコンバージョンフォーマットに、ターゲットプラットフォームが対応していない場合は、代わりにターゲットのデフォルトフォーマットが使われ、ログに警告が表示されます。また、ソースプラットフォームで指定したサンプルレートに、ターゲットプラットフォームのフォーマットが対応していない場合は、フィックスされ、ログに警告が表示されます。 |
Unlinked 3D Attenuation (specified in the Positioning category of the Property Editor)
アンリンクされた、3D減衰カーブ(Attenuation Editorで設定されたもの)
Unlinked Effects (specified in the Effects tab of the Primary Editor)
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ソースプラットフォームで使用するエフェクトに、ターゲットプラットフォームが対応していない場合は、ターゲットプラットフォームの、そのエフェクトIDに、エフェクトが設定されません。 |
アンリンクされた、ダイアログイベントの引数パスの、ターゲットオブジェクト
ソースプラットフォームでアンリンクされている設定は、ターゲットプラットフォームに、アンリンクされた状態でコピーされます。ソースプラットフォームでリンクされた設定が、ターゲットプラットフォーム側でアンリンクされている場合は、ターゲットプラットフォームで再度、リンクされます。