Wwise SDK 2024.1.0
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Wwiseインターフェースの見やすさや色分けに関する多くの要望に応え、Wwise 2018.1では、新たにDark UIを取り入れました。新スキンは、テキスト、色分けされたカーブ、その他のグラフィック要素が見やすくなり、今までにない魅惑的なWwiseインターフェスが実現しました。これまで通りのルックスの方がいい常連ユーザーは、Classic版を使い続けることができます。ClassicとDarkの中間を望むユーザーはUIをカスタマイズすることもでき、brightness(明度)、contrast(コントラスト)、hue(色相)、saturation(彩度)を変えられます。
UIの細かい改善が、スペースの有効利用、分かりやすさの向上、ユーザーの抵抗感の払しょくなどにつながります。ユーザーがすぐに気付くようなWwise 2018.1の改善点を、ここで紹介します:
タブがあるビューの多くで、タブを縦または横に分割できるようになり、オブジェクトの詳細を同時に2種類のタブで確認できるようになりました。例えば、General SettingsタブとRTPCタブの両方を同時に見ることができ、大変役に立ちます!
Wwiseのすべてのオブジェクト(Project Explorerで選択できる、文字通りすべてのオブジェクト)に、カラータグを設定できるようになりました。ユーザーは、オブジェクトのステータスやオーナーなど、カテゴリ関連の自分で設定した条件に従い、オブジェクトを識別しやすくできます。その上、Project SettingsでProjectカラーをプロジェクトごとに変えて、プロジェクト別のMenuバンドの色を設定できます。同時に複数のプロジェクトで作業するユーザーは、探しているプロジェクトを一目で判別できます。
Timeは、RTPCカーブと合わせて使い、プロパティの自動化(automation)を時間軸にそって設定できる新しいモジュレータです。Timeモジュレータを、RTPCが設定できるプロパティに設定することで、複雑なボリュームエンベロープ、ピッチランプ、フィルターモジュレーションなど、時間の経過とともに変位するクリエイティブな応用設定を、簡単に作成できます。
Contents Editorビューでもほかのリストビューと同じ機能セットを利用できるように、アップデートされました。具体的には、列のサイズを変更したり、プロパティの列をソート、追加、削除したり、SwitchをAssigned Objectsにアルファベット順に並べたり、オブジェクトにフィルターをかけて表示したりできます。
新しいProperty Helpビューに、選択中のプロパティの具体的な説明が表示されます。特定のプロパティについて簡単に知りたい場合や、特定のプロパティの単位や範囲などを知りたいユーザーにとって、非常に便利なビューです。Property Helpビューは、中国語、日本語、そして韓国語でも表示できるので、これらの言語のユーザーにも分かりやすい機能です。
Capture Logビューで、うれしい改善点がいくつかあります:
3D Meterは、再生される音場を球体として表現します。リスニングポイントは球体の中央にありますが、分配されるソニックエネルギーを球体の外から、標準的なFront、Back、Top、Perspectiveといったビューから見えます。
3D Meterは、リスナー周りのオーディオソースの分配や音の大きさの分析を補助し、開発に貴重な機能を提供します。ピークメーターと似て、3D Meterもグラデーションカラーでリスナー周りの信号の音の大きさを表し、このカラー区分のボリュームスレッショルドは、自由に変更できます。
新しいソースプラグインWwise Motion Sourceの導入で実現した、Motion機能の改善点:
さらに、Factory Presetをいくつか作成し、様々なハプティックフィードバックのイベントや、プラットフォーム別の適用例などを提供。Factory Presetを入手するには、ProjectメニューでImport Factory Assetsを選択し、Wwise Motionを確認します。
注釈: 旧Wwise Motion Generator プラグインは継続して利用できますが、非推奨です。 |
OPUSコーデックが、全プラットフォームでサポートされています。Opusは、CPUを少し余分に確保するだけでWwise Vorbisに匹敵する品質を保ちつつ、さらに圧縮できるので、ファイルサイズを特に縮小する必要があるときは、Wwise Vorbisの代替案として非常に有効です。これらのコーデックを組み合わせて使い、両者の長所を利用することで、ファイルサイズやCPUの競合するニーズに対応できます。
Opusでは、シークやループ用のシークテーブルは不要ですが、その分、CPU負荷が高くなり、ディスクアクセスが増えます(ストリーミングの場合)。これを念頭に、Opusの利用はシークやループのニーズが最小限または皆無のサウンドに制限すべきです。なお、ファイル冒頭のシークやループは軽度なので、このような余計なコストがありません。
試聴テストの結果をlistening-test.coresv.netで見る限り、Opusコーデックの方がVorbisよりも、同程度のビットレートでの音質評価がやや高いようです。同じファイルサイズで音質が高い方が、一見、有利なように思えますが、品質が多少なりにも高い裏には、Opusの方がWwise VorbisコーデックよりもCPU負荷が4倍から5倍も高いという現状があります。とはいえ、何千ものダイアログラインや、長いSFXや、ループなしの単一ストリームミュージックなどを圧縮するには最適の選択です。
VorbisとOpusのCPU使用の比較
Opusとほかのコーデックのオーディオ品質の比較についてさらに詳しく知るには、https://opus-codec.org/comparison/を参照してください。
RecorderプラグインでAmbiX フォーマットのレコーディングが可能になり、WwiseのAmbisonicsファイルフォーマットのサポートが強化されました。
新しいコマンドが、ak.wwise.ui.commands.executeやキーボードショートカットで提供され、SoundBankを生成したり、そのタスク終了後に自動的にSoundBank生成のダイアログを閉じたりすることができるようになりました。
その他の新しいコマンド
アーリーアダプターは、実験的機能がいくつか公開されたことを喜ぶでしょう。実験的機能とはまだ開発フェーズにある機能で、Wwiseの今後のリリースでさらに発展させていきます。機能セットが不完全であったり、パフォーマンスに改善の余地があったりしますが、関心のあるデベロッパー向けに、今後の機能として公開されています。
スペーシャルオーディオのジオメトリのAPI:
反射する2つの壁の間にある、エミッターとリスナー:
簡単に使えるようにすることを目的に、Positioningタブで、複数のプロパティをわずかに移動させたり、名前を変更したりしました。新しいオプションも、いくつか導入されました。主な変更の概要:
ゲームオーディオの分野で、2D/3Dの概念は1990年代からありました。しかしスペーシャルオーディオ分野が広がり複雑化するにつれ、これらの用語が足かせとなり、時には誤解を生むこともあります。意味の明確化と、今後の開発を視野に、以下のように名前を変えました:
真新しい機能として、Speaker Panningと3D Spatializationの両方を設定し、ランタイムにミックス値を使い、相互に補間できます。このSpeaker Panning / 3D Spatialization MixプロパティをRTPCに付け加えれば、例えば一方のモードから他方へのトランジションを、スムーズに行えます。
リスナー周りのポジショニングパスの作成を可能にした3D User-defined機能も、名前が変わりました。Automation”とし、その機能を明確にしました。もう1つの新しい機能として、リスナー周りのオートメーションに合わせて、エミッター周りにオートメーションパスを作成することができるようになりました。
最後に、2つのチェックボックスの名前を変え、動作はそのままで、目的を分かりやすくしました。