バージョン
Audio ObjectがEffectをどのように扱うかは、そのEffectをインサートしたバスのタイプや、そのEffectがObject Processorであるかどうかによって、異なります。様々な可能性について、次のセクションから詳しく説明します:
Effectをミキシングバスにインサートすると、ミキシングステージを、必ずバスの処理の最初に適用します。このときに、バスの複数あるインプットがミキシングされ、1つのオーディオストリームとなります。また、ポジショニングの調整も、このミキシング段階で適用されます。バスにインサートしたEffectは次に、それぞれ1回だけインスタンス化され、事前にミックスされたオーディオストリームを、順番にEffectに送り込みます。一般的に、処理負荷はチャンネル数に比例します。
なお、バスが複数回インスタンス化され、各インスタンスが異なるGame Objectに関連付けられると、Effectは1回のバスインスタンスにつき、1回インスタンス化されます。
下図は、Effectのあるミキシングバスの内部で行われる処理の様子です:
ボイスがバスにルーティングされ、その信号がミキシング時にサンプリングされます。 | ||||
チャンネルベースのフォーマットが、以前のミキシングバスからきます。 | ||||
ストリーミングされたAudio Objectが、以前のバスのProcessing Audio Objectsからきます。 | ||||
ボイス、チャンネルベースの入力、そしてAudio Objectを含む全ての入力が、一緒にミキシングされます。 | ||||
チャンネルベースのフォーマットが内部ミックスから作成され、個別のAudio Objectは残りません。 | ||||
チャンネルベースのフォーマットが、Effectによって操作されます。 | ||||
チャンネルベースのフォーマットが、バスから出力されます。
|
注意 | |
---|---|
以下のEffectは、Processing Audio Objectであるバスでは、サポートされません:
これらのEffectを、このようなバスにインサートしてしまうと、ランタイムにそのEffectは処理されません。 |
ステータスがProcessing Audio Objectsであるバスで、Effectを使う場合は、いくつかの注意点があります。Effectは、 「Object Processor」 の1つでない限り、各Effectが、Audio Objectの数と同じだけインスタンス化されます。例えばParametric EQをAudio Objectバスにインサートし、そのバスに10個のAudio Objectが送られると、Parametric EQは、10回インスタンス化されます。一般的に、処理負荷はAudio Objectの数に比例します。
下図は、EffectのあるProcessing Audio Objectsバスの、内部で行われる処理の様子です:
ボイスがバスにルーティングされ、その信号がミキシング時にサンプリングされます。 | |
チャンネルベースのフォーマットが、以前のミキシングバスからきます。 | |
ストリーミングされたAudio Objectが、以前のバスのProcessing Audio Objectsからきます。 | |
入力のうち、すでにAudio Objectでない入力、例えばボイスや、チャンネルベースの入力は、個別のAudio Objectに変換します。これらを、バスに供給されるほかのAudio Objectに追加します。 | |
Audio Objectのリストを作成します。 | |
各Audio Objectを、Effectによって個別に操作します。 | |
Audio Objectのリストを、バスから出力します。 |
Audio Objectを本質的にサポートするWwise Effectもあります。このようなEffectをObject Processorと呼び、以下の通り、1回のバスインスタンスにつき、1回だけインスタンス化されます:
3D Audio Bed Mixer: 3D Audio Bed Mixerが1回インスタンス化され、送られてくるAudio Objectを次の3つの出力先のいずれかに送ります: メインミックス、またはパススルーミックス、またはミックスされていない3D Audio Objectコレクション。
Compressor/Expander: The Compressor and Expander are instantiated once and perform the analysis phase once on an internal downmix. ゲインリダクションは、全Audio Objectに共通です。
Meter: メーターは1回インスタンス化され、内部ダウンミックスに対して1回、分析フェーズを実行します。ダイナミック段階を処理するのは、全 Audio Objectに対して1回だけです。つまり、出力されるGame Parameter値は1つだけです。
Mastering Suite: Mastering SuiteはAudio Objectとも互換性があり、そのMultiband Compressor機能は、Compressorと似た方式でそれらを処理します。
Parametric EQ: Parametric EQ is instantiated once and runs the same EQ process across all Audio Objects, with internal tracking of each Audio Object's filter state.
ReflectもAudio Objectに対応していますが、方式が特殊です。Reflectは、よくモノラルのバスにインサートされますが、親バスのコンフィギュレーションがAudio Objectに設定されていれば、Audio Objectを出力することができます。そうすると、1つのアーリーリフレクションに対し、1つのAudio Objectを出力します。これは、大量のAudio Objectを意味することがあります。