バージョン

menu_open

Managing low-volume objects

多数のオブジェクトが同時に再生される時に、パフォーマンスの最適レベルを維持する必要があります。これを達成する便利な方法として、一定のボリュームレベルより低いオブジェクトにフラグを立てて、貴重な処理能力やメモリの消費を防ぎます。聞こえなくなったこれらのオブジェクトは、再生し続けることもできますが、完全に停止させる、またはバーチャルボイスリスト(Virtual voice list)のキューに入れることも可能です。

バーチャルボイスリストとは、サウンドエンジンが、オブジェクトの特定パラメータをモニターするものの、全く処理をしない、バーチャル環境です。オブジェクトをバーチャルボイスリストに入れるメリットは、そのボリュームレベルによって、オブジェクトがフィジカルボイスとバーチャルボイスの間を行き来できることです。ボリューム閾値未満にボリュームが下がると、バーチャルボイスリストにそのオブジェクトが追加され、処理されなくなります。オブジェクトが減衰の最大距離の半径内に移動するなどしてボリュームレベルが上がると、そのオブジェクトがバーチャルボイスからフィジカルボイスへと移り、オーディオまたはモーションが再びサウンドエンジンによって処理されます。なお、低ボリュームのオブジェクトに、バーチャルボイスを利用する一定のメリットがある一方、フィジカルボイスに戻る時のわずかなディレイの発生や、サンプルアキュレート性の欠如など、一定の限界があり、全てのオブジェクトに適しているわけではありません。

さらに柔軟に細かく操作できるように、オブジェクトがバーチャルボイスからフィジカルボイスに戻る時の再生の動作も、設定できます。

[注釈]注釈

You can set the volume threshold for your project in the Project Settings dialog. ボリューム閾値の設定については「Specifying volume thresholds for a project」を参照してください。

Managing low-volume sounds - example

例えば、ファーストパーソンシューティングゲームで、メインキャラクターが複雑な廊下を移動中の場合を考えます。メインキャラクターは敵の無線機を拾ったので、敵の通信内容を盗み聞きできます。このような状況で同時に再生されるサウンドは多数あり、キャラクターの足音、暗い廊下を照らす数々のトーチの燃える音、無線機から聞こえてくるサウンドなどがあります。それぞれのサウンドの特徴や要件は異なります。このため、ボリュームが変更する時の処理も異なります。

サウンド

処理

Wwiseオプション名

足音

一般的に足音サウンドは短い単発のサウンドなので、ボリューム閾値より低いボリュームの時は、サウンドをキルして貴重なオーディオ処理能力を節約しても良いでしょう。

Kill voice

無線通信

無線機のボリュームは、ゲームのキャラクターがいつでも変えられるので、無線通信の継続性、サンプルアキュレート性、そして即時対応が求められます。サウンドのボリュームがボリューム閾値より低くなった時も、サウンドの再生を継続することができます。これにより、プレイヤーが敵のコミュニケーションを再び聞きたいと思ってボリュームを上げた時、すぐにサウンプルアキュレートなレスポンスを生成できます。

Continue to play

トーチ

トーチのサウンドは比較的短く、常にループされます。このサウンドは一定の継続性を要するものの、無線通信ほどの正確性は求められません。サウンドのボリュームがボリューム閾値より低くなった時は、サウンドをバーチャルボイスリストに送ります。サウンドエンジンは、ボリュームレベルをモニターするものの、ボリューム閾値を再び超えるまでオーディオ処理を一切行いません。

Send to virtual voice

低ボリュームのオブジェクトを管理するには:

  1. Property Editorに、オブジェクトを1つロードする。

    [注釈]注釈

    このオブジェクトが最上位のオブジェクトでない場合、Volume Thresholdオプションを設定する前にOverride parentオプションを選択する必要があります。

  2. Switch to the Advanced category.

  3. Volume Thresholdより低くなった時のオブジェクトの動作を指定するには、Virtual Voice グループのVirtual voice behaviorリストから以下のオプションを1つ選択する:

    • Continue to playは、そのオブジェクトが聞こえなくなる、または感じられなくなるにも関わらず、それを再生し続ける。サンプルアキュレートな状態を維持するには、唯一の選択肢である。

    • Kill voice : オブジェクトの再生を停止する。

    • Send to virtual voiceは、そのオブジェクトを、バーチャルボイスリストに送り、サウンドエンジンが特定パラメータをモニターするものの、全く処理をしない。

  4. Send to virtual voiceオプションを選択した場合は、オブジェクトがバーチャルボイスからフィジカルボイスに戻る時の動作を指定する必要がある。指定するには、On return to physical voice(フィジカルボイスに戻る時)リストから、以下のオプションを1つ選択する:

    • Play from beginningは、オブジェクトを最初から再生する。オブジェクトのループカウントもリセットされる。

    • Play from elapsed timeは、まるでオブジェクトが停止しなかったかのように、再生を続ける。

    • Resumeは、フィジカルボイスからバーチャルボイスリストにオブジェクトが移動する時に一時停止して、フィジカルボイスに戻る時に、再生を再開する。

    [注釈]注釈

    フィジカルボイスに戻るミュージックオブジェクトは、常にPlay from elapsed time(経過した時間から再生)オプションで再生されます。


このページはお役に立ちましたか?

サポートは必要ですか?

ご質問や問題、ご不明点はございますか?お気軽にお問い合わせください。

サポートページをご確認ください

あなたのプロジェクトについて教えてください。ご不明な点はありませんか。

プロジェクトを登録していただくことで、ご利用開始のサポートをいたします。

Wwiseからはじめよう