バンクはゲームのオーディオデータを格納するファイルです。サウンドデザイナーはWwise AuthoringでSoundBank Managerを利用し、バンクを生成できます。また自動化されたプロセスで定義し、生成することも可能です。
バンクは2種類あります:
- 初期化バンク: このバンクにはコントロールバス階層、State、Switch、RTPCに関する情報など、プロジェクトに関する一般情報がすべて含まれます。Wwiseがサウンドバンク(SoundBanks)を生成すると、初期化バンクが自動的に作成されます。初期化バンクは各プロジェクトにつき1つしかなく、
Init.bnk
と呼ばれます。
- SoundBank: SoundBankにはゲームでサウンドを再生するために必要なEventデータが含まれます。自動定義とユーザ定義の2つのタイプのSoundBankがあり、単独または組み合わせて使用できます。SoundBankタイプに応じてメモリ使用量、ファイルパッケージング、ファイルサイズ、SoundBankロード方法に与える影響は異なります。
- 自動定義SoundBank: 自動定義SoundBankは自動的に作成されます。ユーザ定義SoundBankに含まれていないEventとAuxiliary Busごとに個別のSoundBankが作成されます。各SoundBankに含まれるのはEventと構造情報のみで、メディアはSoundBankの外に保存されます。そのため複数のEventが同じメディアアセットを使用する場合、そのメディアアセットがディスクで生成されロードされるのは1度だけです。自動定義SoundBankによりWwiseユーザは管理を軽減できるだけでなく、ファイルサイズを最小限に抑えられます。
- ユーザ定義SoundBank: ユーザ定義SoundBankには、複数のEventと、それらの再生に必要なすべてのオブジェクトとオーディオデータを入れることができます。サウンドデザイナーはWwise AuthoringでSoundBankを必要なだけ作成し、Event、構造、メディアを追加できます。ゲームレベルエディタなどの外部プログラムで自動作成できるSoundBank定義ファイルをインポートし、Wwiseでユーザ定義SoundBankを作成することも可能です。Wwiseはユーザ定義SoundBankの生成時に、各SoundBankに含まれるEventが使用するすべてのActor-Mixer、Container、Soundなどをパッケージ化します。SoundBankにボイスのサウンドがある場合、 Wwiseプロジェクトがサポートする言語ごとに異なるバージョンのSoundBankが生成されます。
まず初期化バンクをゲームにロードする必要があります。これによりSoundBankを必要に応じてロード、アンロードできるようになります。ゲーム中にトリガーされたEventにより、ロードされるSoundBankが決定します。自動定義SoundBankの場合、各EventはそれぞれのSoundBankをロードしますが、共有されているメディアアセットは1度しかロードされません。ユーザ定義SoundBankの場合、各EventはそのEventを含むSoundBankをロードしますが、このSoundBankにその時点で必要のない他のEvent(および関連するメディアファイル)が多数含まれていることもあります。