バージョン
AMBおよびWAVファイル以外に、MIDIファイルもInteractive Music Hierarchyで使えます。これらのファイルタイプも、インポートしてからクリップを作成して、Music Segmentトラック(単数または複数)に入れます。WAVクリップの場合は1つのクリップが、それだけで成立する1つのサウンドソースです。一方、MIDIクリップには再生される音符が入っているだけで、音符を解釈するにはMIDIインストゥルメントを使う必要があります。インストゥルメントをターゲットする1つのMIDIクリップ、または多数のMIDIクリップから生成される、全てのMIDIイベントを、インストゥルメントが解釈します。
MIDIファイルは、インタラクティブミュージック階層のミュージッククリップの中にインポートできます。MIDIファイルをActor-Mixer Hierarchyにインポートすることはできません。
WAVクリップを作成するのと同じ方法で、MIDIクリップも作成できます。ファイルからクリップを作成する方法については「トラックの中身を入れる」を参照してください。
MIDIファイルをドラッグ&ドロップでインポートするには:
MIDIファイルを、Windows ExplorerまたはMac FinderからInteractive Music Hierarchyの任意の場所にドラッグする。
Audio File Importerが開く。
Importをクリックして、インポート操作を完了させる。
注釈 | |
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Audio File Importerダイアログをスキップするには、CTRLキーを押しながらドラッグ&ドロップします。 |
Audio File Importerを使ってMIDIファイルをインポートするには:
Project Explorerで、.midをインポートする場所を選択する。
キーボードショートカット(Shift + I)を使ってAudio File Importerを開く。
Click the Add Files button
MIDIファイルまで移動して、OKをクリックする。
再びOKをクリックして、インポート操作を完了させる。
MIDIファイルのレファレンスは、トラックやセグメントの中にあるミュージッククリップ内に格納されます。MIDIクリップには、ノート、ピッチベンド、CCなどのMIDIソース情報が入っているだけです。再生させるインストゥルメントは定義されていません。再生に使うインストゥルメントは、Music Segmentや先祖のその他のミュージックにあるMIDIターゲットレファレンスで定義されます。
MIDI再生用インストゥルメントは、Actor-Mixer Hierarchyで作成して保存する必要があります。
MIDI再生用インストゥルメントは、一般的にサウンドに使われる標準オブジェクト構造を使います。
例
Actor-Mixer Hierarchy
Instrument Work Unit
Drum Kit
Piano
Interactive Music Hierarchy
Default Work Unit
ソングセグメント
Piano Track(MIDIクリップ使用)
Drum Track(MIDIクリップ使用)
Guitar(オーディオクリップ使用)
前述の例の内容を、以下に示します。
Piano Trackには、Actor-Mixer HierarchyにあるPianoオブジェクトへのMIDIターゲットレファレンスがあります。
Drum Trackには、Actor-Mixer HierarchyにあるDrum KitオブジェクトへのMIDIターゲットレファレンスがあります。
Guitar Trackには、MIDIターゲットがありません。
MIDIクリップの入ったMusic Segmentを再生すると、MIDIクリップが、指定されたMIDIターゲットにMIDIデータを送信します。実際のMIDIターゲット(インストゥルメント)はアクターミキサー階層にあり、MIDIデータを受信してからMIDI設定に従い再生します。
ミュージックオブジェクトでMIDIターゲットを指定するには:
ミュージックオブジェクト(Music Track、Music Segment、親オブジェクト)を選択する。
Property Editorで、MIDIタブを開く。
MIDI Targetグループで、Override Parentをクリックする(該当する場合)。
[...]ボタンをクリックして、MIDIターゲットインストゥルメントまで移動する。
詳しくはMIDIインストゥルメントの作成を参照。
MIDIコンテンツをミュージック階層で再生すると、ミュージックオブジェクトがActor-Mixer HierarchyにあるMIDIターゲット(つまりインストゥルメント)にMIDIデータを送信します。MIDIターゲットに対して再生される実際のオーディオコンテンツは、MIDIソースの保存場所で再生されるのではなく、アクターミキサー階層上で再生されます。つまり、ミュージックオブジェクトに設定されたボイスプロパティは、再生されるインストゥルメントに影響しません。
例えば、Music SegmentやMusic Trackに設定されているボイスボリュームは、Actor-Mixer Hierarchyにあるピアノインストゥルメントに影響しません。ピアノのボイスボリュームを変更するには、MIDIソースではなく、ピアノオブジェクトのボイスボリュームを直接、変更する必要があります。
ミキシングをしやすくするために、インストゥルメントコンテンツとミュージックオーディオコンテンツを合わせるためのバス階層を作成できます。インストゥルメントとミュージックトラックを1つのバスにルーティングすることで、統一されたオーディオミキシングポイントを確保できます。
MIDIクリップとWAVクリップには、ある大きな違いがあります。WAVクリップの長さは、ソースファイルのコンテンツによって個別に決まります。一方、MIDIファイルの長さは使用するテンポで決まります。使用するテンポは、クリップを作成するときにTempo Sourceプロパティで決定されます。
通常、MIDIファイルには正しい再生スピードのためのテンポ情報が入っています。このテンポ情報が、インタラクティブミュージックオブジェクト(セグメントや親)にあるテンポ情報と、コンフリクトを起こしてしまいます。ソースのMIDIファイルのテンポを使うのか、Interactive Music Hierarchyのテンポを使うのかを、選択します。
テンポのソース設定を、下表に示します。
Tempo Source |
Definition |
---|---|
File |
MIDIファイルに入っているテンポを使用する。 |
Hierarchy |
インタラクティブミュージックにおけるMIDIクリップの先祖に設定されたテンポを使用する。 |
MIDIのテンポのソースを設定するには:
ミュージックオブジェクトを選択する。
Property Editorで、MIDIタブを開く。
MIDI Clip Tempoグループで、使用するSourceを選択する。
MIDIクリップのテンポは作成後に変更できますが、長さは変わりません。長さを変えるには、クリップハンドルを使います。詳しくは「クリップの使い方」を参照してください。
Voice Pitchプロパティは、Interactive Music Hierarchyでは設定できません。ただし、ミュージック階層内での再生スピードは変更できます。
Changing the playback speed of a Music object will:
オーディオクリップのピッチに影響。
MIDIクリップの再生レートに影響。
再生スピードが1のときは、オリジナルのスピードで再生されます。再生スピードが2のときは、オリジナルの2倍速で再生されます。再生スピードが0.5のときは、オリジナルの半分の速さで再生されます。
注釈 | |
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Playback Speedプロパティを、 Property EditorのRTPCタブでGame Parameterに付随させることもできます。 |
To change the playback speed:
ミュージックオブジェクト(ミュージックトラック以外)を確認する。
Property Editorで、General Settingsタブを開く。
Playback Speedを設定する。