バージョン
以下のセクションでは、Audio Objectをオーサリングして、それらを確実にSystem Audio Deviceに送り、場合によってはSystem Audio Objectに変換するために必要な、4つの主な手順を説明します:
以下の手順で、Master Audio Busの処理ステータスを必ず Processing Audio Objects としてresolveし、System Audio Deviceの出力が確実に、Main Mix、Passthrough Mix、System Audio Objectsの3つのストリームに分配されます。
Project ExplorerのAudioタブでSystem Audio Deviceをダブルクリックし、Audio Device Editorを開きます。
Audio Device Editorで、 Allow 3D Audio と Allow System Audio Objects を選択します。
あなたのプロジェクトで適切なリスニングエクスペリエンスを達成するために必要と思われる、個別の3Dモノラルサウンドの最小限の個数を、Minimum System Audio Objects Required で設定します。ここで設定する値が、エンドポイントでサポートされるAudio Object数よりも大きい場合は、System Audio Deviceが受信する全てのAudio Objectが、Main Mixに送られるので、注意してください。なお、エンドポイントでサポートされるAudio Object数は、エンドポイントのドキュメントで確認する必要があります。
プロファイリング中に、3D Audioがエンドポイントでサポートされ有効になっているかどうかを確認できます。これはAudio Device EditorのIs 3D Audio Active(3D Audioはアクティブか)のステータスから分かります。
Windows向けにオーサリングする場合の詳細は、WwiseのSDKドキュメントの 3D Audioを有効にする を参照してください。
Main Mixは、バイノーラル処理で向上し、Audio Objectがもたらすポジショニングの精度を必要としないようなサウンドに、最も適しています。Main MixはSpatialized Bedとも呼ばれ、サウンドや、そのポジションを、チャンネルベースのフォーマット(5.1、7.1、7.1.4、アンビソニックスなど)でレンダリングした中間地点な表現です。ここから出されるミックスは、バーチャル化(つまり理想的なスピーカーポジションに合わせたバーチャルポジショニング)や、バイノーラル化に、適しています。
Project ExplorerのAudioタブで、 Master Audio Bus を右クリックし、 New Child > Audio Bus を選択します。目的の名前を入力します。
新しいAudio Busの、Property Editorを開きます。General Settingsタブで、 Bus Configuration を Same as main mix に設定します。
Main Mixの一部としてエンドポイントに送信したいアンビエントバックグラウンドサウンドごとに、オブジェクトのProperty Editorを開き、Output Bus に、新しく作成したAudio Busを選びます。ここで Override parent を選択する必要があるかもしれません。
Passthrough Mixは、通常であればエンドポイントで行われる3D処理を、迂回する、ステレオのコンフィギュレーションです。迂回することで、そのサウンドの完全な周波数帯域と、元のチャンネルコンフィギュレーションを、確実に維持できます。このためPassthrough Mixは、音楽や、その他のダイエジェティック(diegetic)でないサウンド、例えばユーザーインターフェースのフィードバックなどに、実によく適しています。
Project ExplorerのAudioタブで、 Master Audio Bus を右クリックし、 New Child > Audio Bus を選択します。目的の名前を入力します。
新しいAudio Busの、Property Editorを開きます。General Settingsタブで、 Bus Configuration を Same as passthrough mix に設定します。
Passthrough Mixの一部としてエンドポイントに送信したい全てのオブジェクトに関して、そのオブジェクトのProperty Editorを開き、 Output Bus に、新しく作成したAudio Busを選びます。ここで Override parent を選択する必要があるかもしれません。
精度の高いポジショニングで向上するようなサウンドでは、Audio Objectが理想的で、ゲームオブジェクトに関係するサウンドなどはその典型例です。Audio Objectにはメタデータ(例えばポジションとスプレッド)が含まれ、エンドポイントでこれを使って方向性をシミュレーションできます。その時にエンドユーザーの聞くコンフィギュレーションに合わせてシミュレーションするので、可能な限り精度の高い空間的な配置を表現できます。
Project ExplorerのAudioタブで、 Master Audio Bus を右クリックし、 New Child > Audio Bus を選択します。目的の名前を入力します。
新しいAudio Busの、Property Editorを開きます。General Settingsタブで、 Bus Configuration を Audio Objects に設定します。
System Audio Objectとしてエンドポイントに送信したいサウンドごとに、サウンドのProperty Editorを開きます。
General Settingsタブで、Output Busとして、新しく作成したAudio Busを選択します。必要に応じて、Override parentを選択します。
Positioningタブで、以下を確認します:
Listener Relative Routingが有効である。
3D Spatializationが、PositionまたはPosition + Orientationに設定されている。
Speaker Panning / 3D Spatialization Mixが100%に設定されている。
Audio Objectsバスに送るサウンドごとに、そのサウンドを右クリックし、 Show in Schematic View を選択します。Schematic Viewが開きます。
そのサウンドがバス階層を通過していく過程を、そのパスを見ながら検証します。絶対にミキシングバスに送られないことを、確認します 。Audio Objectをミキシングバスにルーティングすると、そのMetadataは、3Dポジション情報を含め、破棄されます。
全てのAudio Objectが、最終的にSystem Audio Deviceに送られることを、確認します。それ以外のタイプのAudio Deviceでは、Audio Objectをレンダリングします。
パイプラインのこれ以降の詳細については、 「System Audio Deviceの役割」 を参照してください。