バージョン
Impacterは、インパクト系のサウンドファイルに使用することを目的とした、リアルタイムのオーディオソースプラグインです。インパクト系のサウンドファイルとは、速いか瞬間的なオンセットと、指数関数的なディケイエンベロープで構成される、短いサウンドす。このプラグインを以下のように使い、サウンドソースを操作します。
Cross-synthesis: Impacterが、各サウンドソースを「インパクト」のコンポーネントと「ボディ」のコンポーネントに分けます。「インパクト」コンポーネントにサウンドのインパルスが、「ボディ」コンポーネントにサウンドのレゾナンスがあります。Impacterを複数のファイルと合わせて使うと、プレイイベントのたびに、プラグインがランダムに、あるファイルの「インパクト」コンポーネントと、別のファイルの「ボディ」コンポーネントを組み合わせます。ファイルのインパクトとボディのコンポーネントを、別々に取り込んだり除外したりできます。
Physicality manipulation: インパクトサウンドを出すオブジェクトについて、聞き手が認識するmass、velocity(速度)、 position(ポジション)、roughness(粗さ)を、Impacterで変更できます。これらのプロパティにランダムパラメータを設定すれば、プレイイベント別の音響的なバリエーションを作成できます。
Mapping properties to game physics: このプラグインのインスタンスを、それぞれGame Object、Event、またはRTPCに関連付けることができます。マテリアルやコリジョンに関係するゲームエンジンの物理に、Impacterのパラメータは、反応するようになっています。
オーサリングツールで、ソースエディタにファイルをドラッグ&ドロップできます。オーサリングプラグイン内で分析が完結するので、外部の分析ツールや、分析結果の入った別ファイルなどは、不要です。また、結果として生じたシンセシスモデルは、ランタイムに使えるようにプロジェクトのSoundBankに含まれます。
制約事項
Impacterプラグインの分析アルゴリズムやシンセシスアルゴリズムは、処理中の音のタイプをある程度、推定することで、うまく作動しています。具体的には、速い、または瞬間的なオンセットと指数関数的なディケイエンベロープから成る、短いサウンド用にデザインされています。ディケイの時間のバリエーションや二次的なトランジェントにある程度、対応できますが、これらの特性はそれほどシンセシスパラメータの影響を受けないものです。
ほかのタイプの音をプラグインに入れることも可能ですが、提供されたパラメータを使って音を形づくろうとしても、最終的な音の動作が期待に反するかもしれません。それは必ずしも悪い結果ではなく、新たなサウンドデザインを探るためにImpacterを使うのであれば、特にそういえます。ただし長い音は分析時間が長くなり、オーサリングツールが音を再生するのを、分析完了まで中断させてしまう可能性があります。