バージョン
多数のオブジェクトが入った複雑なプロジェクトで作業する場合、全く同じプロパティ設定を複数のオブジェクトに設定したいことがあります。例えば複数のSFXオブジェクトやミュージックトラックで同じRTPCやStingerのリストを使い、ゲーム内の共通の環境エフェクトを反映させたい場合です。Paste Propertiesビューを使えば複数のオブジェクトに対し複数のプロパティを効率的に設定できます。
Paste Propertiesビューでコピー&ペーストできる情報は2種類あり、以下のように別々のペインに表示されます:
PropertiesはProperty Editorで設定できるOutput BusやLoudness Normalizationなどの、さまざまなオプションに対応する設定です。
オブジェクトタイプの1つであるList Elementsは、ほかのオブジェクトにリストとして追加できます。Paste Propertiesビューは以下のListに対応しています:
RTPCs
Stingers
Metadata
Music Cues
下図はPaste Propertiesビューにサンプルデータを表示させたものです。
ビュー上部でコピー元のソースオブジェクトとコピー先のターゲットオブジェクトを選択します。コピー元とコピー先のオブジェクトはタイプが異なることも可能ですが(例えばSFX ObjectとMusic Track)、同じタイプのオブジェクト間でPropertiesやList Elementsをコピーするのが一般的です。この例ではコピー元がSFXオブジェクトで、コピー先が2つのSFXオブジェクトとなっています。
Propertiesペインにコピー元(ソース)とコピー先(ターゲット)のオブジェクトプロパティの部分比較が表示されます。このリストには、ソースに存在するプロパティが表示されます。ただしターゲットに存在してソースには存在しないプロパティは表示されません。
List Elementペインにソース固有のリスト要素やターゲット値と異なる値のリスト要素が表示されます。このセクションもPropertiesペインと同様、ターゲットに存在してもソースに存在しない項目は表示されませんが、このトピックの 「Paste mode」 セクションで後述する通り、Objs with Removed列にそのような項目があるかどうかが間接的に示されます。
ターゲットオブジェクトの数がPropertiesペインのObjs Changed on Paste列に表示され、List ElementペインのObjs with Added列、Objs with Replaced列、Objs with Removed列にも表示されます。ただし具体的にどのオブジェクトが影響を受けるのかはこれらの列に示されていません。大量のオブジェクトで作業をする場合は、そのような詳細が必要となるかもしれません。
対象列の数字の上にマウスカーソルを置くと、下図のように影響を受けるオブジェクトの名前がツールチップに表示されます:
このようにツールチップにオブジェクト名が表示されます。詳細を見るにはツールチップの提案に従い数字を右クリックし、 Show Changed in List View をクリックして 「List View」 を開けば、プロパティをペーストした時に変更されるオブジェクトを確認できます。なお、 Show in List View メニューオプションでもList Viewを開けますが、ターゲットオブジェクトが すべて 表示されるため、このオプションとは異なることに注意してください。
-- Objs with Replaced列やObjs with Removed列に表示されるデータは、ペースト操作によるターゲットオブジェクトへの影響を決定するPaste Modeによって異なります。もし何も置き換えまたは削除されない場合は列に表示される数字はダッシュ記号に変わり、選択中のPaste Modeでこの列のデータが影響されないことを表します。
下図はPaste ModeをReplace Entire Listとした時のList Elementペインを示した例です。このモードでプロパティをペーストするとターゲット側にあるListが削除され、ソース側で選択したList Elementsに置き換わります。
Paste ModeがAdd New、Replace Existingの場合はターゲット側の余分なList Elementsは削除されないため、Objs with Removed列の数字は下図の通りダッシュ記号に置き換わります:
最後にAdd New, Keep ExistingをPaste Modeとして選択した場合は新しいList Elementsがターゲットオブジェクトにペーストされますが、下図の通り既存のList Elementsが置き換わったり削除されたりすることはありません:
Paste Propertiesビューでコピー元のオブジェクト(ソースオブジェクト)のプロパティを、1つまたは複数のコピー先のオブジェクト(ターゲットオブジェクト)にコピー&ペーストできます。そうすることで指定したプロパティやリスト要素(RTPC、Stinger、Music Cue、Metadataなど)を、複数のオブジェクトで全く同じ設定にできます。
プロパティをペーストする方法:
Views > Utilities > Paste Properties をクリックします。Paste Propertiesウィンドウが開きます。
コピーしたいプロパティを持つソースオブジェクトを、以下のいずれかの方法で選択します:
オブジェクトをProject ExplorerからCopy from Object選択ボックスにドラッグします。
Follow Clipboard をクリックしてからProject Explorerにあるオブジェクトを、ショートカットメニューまたはキーボードショートカットの Ctrl+C を使いコピーします。
ブラウズボタン( … )をクリックしてProject Explorer-Browserでオブジェクトを1つ選択します。
1つまたは複数のターゲットオブジェクトを以下のいずれかの方法で選択します:
Project Explorerで1つまたは複数のオブジェクトを選択し、Paste to Object(s) 選択ボックスまでドラッグします。
Follow Selection をクリックしてProject Explorerで1つまたは複数のオブジェクトを選択します。
ビューの上半分にあるPropertiesペインにソースオブジェクトのオブジェクトプロパティのリストが表示されます。同様にList Elementペインには、ソースオブジェクトのRTPC、Metadata、Stinger、Music Cueなどがあれば、表示されます。Paste をクリックすると変更されるオブジェクトの数が各ペインの右の列に表示されます。
リストを見て希望するすべてのPropertiesやList Elementsが選択されていることを確認します。特定のプロパティやリストオブジェクトを除外するには、該当するチェックボックスよりチェックを外します。
List Elementペインの右上のメニューでPaste Modeを以下から選択します:
Replace Entire List 。ターゲットオブジェクトのList Elementsを完全に削除し、選択したList Elementsをソースからターゲットにコピーします。
Add New, Replace Existing 。ソースのすべてのList Elementsをターゲットにペーストし、すでにターゲットにあるList Elementsを置き換えますが、その他のList Elementsはターゲットから削除しません。
Add New, Keep Existing 。ソースにはあってもターゲットにはないList Elementsをすべてペーストしますが、すでにターゲットにあるList Elementsを置き換えたり削除したりはしません。
Pasteをクリックする。選択したPropertiesやList Elementsがターゲットオブジェクトにペーストされます。
ペーストしたプロパティで変更された内容をテストした後や詳細を確認するために元に戻す必要がある場合は、1回のペーストコマンド全体を元に戻すことができます。ペースト操作はWwiseの標準的な元に戻す操作とやり直し操作のガイドラインに従いますが( 「Wwiseのアクションを元に戻す、やり直すには」 参照)、RTPCを1つだけ、または複数のターゲットオブジェクトのうちの1つに行った変更など、元のペースト内容の特定部分を選択的に元に戻すということはできないので注意してください。
Paste Propertiesコマンドを元に戻す方法:
メニューバーで Edit > Undo Paste Properties をクリックします。
すべての変更が元に戻されます。