今日のゲーム、特にスポーツゲームでは、多くの場合、ダイナミックなオーディオコンポーネントを用いて、ゲームで起きるActionに対応させています。従来の方式で信ぴょう性のあるダイアログを成立させるには、何千ものアセットを作成して、全ての可能なシナリオに対して、複雑なSwitch Container階層を1つ1つ構築する必要がありました。メモリ容量が限られる中で、プロジェクトのアセットを効率的に管理する必要があります。
このような限界に対応するために、Wwiseではダイナミックダイアログの新しいとらえ方を導入しています。ゲームで起こり得るすべての条件や結果を、WwiseでStateやState Groupを使用して事前に定義します。State Groupはゲームに存在する様々なカテゴリーを表します。例えば、アメフトゲームのState Groupとして「Team」「Players」「Action」などが考えられます。また各State Groupつまりカテゴリに、対応する複数のState値を設定する必要があります。アメフトの例ではTeamsのState GroupにDallas、Pittsburgh、New EnglandなどのState値を設定できます。
State GroupやStateを組み合わせたダイアログイベントで、あらゆるゲーム条件を全て再現します。この条件はパスと呼ばれ、それぞれ特定のボイスオブジェクトにアサインされます。ゲームのプレイ中に、現在のStateとWwiseのDialogue Eventの中で作成したStateを比較することで、再生するダイアログ（台詞）を決定します。
State Groupは、ゲームに存在する様々なカテゴリーを表し、例えばスポーツゲームのTeamsやPlayers、またはアクションアドベンチャーゲームのFriends、Enemies、Weaponsなどが、これに該当します。State Groupのリストは、Project Explorerの、Game Syncsタブで管理します。
インターフェース上で分かりやすいように、State GroupやStateは、アイコンで表されます。
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アイコン |
内容 | |
|---|---|---|
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State Group | |
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State Group値 |
例えば、実況中継付きのゴルフゲームを考えましょう。ゲーム中のカテゴリーに合わせてState Groupを作ります。次に各State Groupに対して、そのカテゴリに該当するすべてのStateを設定します。ゴルフゲームの例では、「Players」「Clubs」「Courses」「Shots」「Locations」「Reactions」など様々なState Groupが必要です。
下表はゴルフゲームにおける各種カテゴリをState Groupに分け、それぞれに該当するStateを整理した例です。
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State GroupやStateが定義できたら、これらをゲームに必要なダイアログイベントに追加し始めます。Dialogue Eventの作成については「ダイアログイベントの作成」を参照してください。
プロジェクトで必要なState Groupは全て、Project Explorerの、Game Syncsタブで作成できます。
Project Explorerで、新規State Groupを作成するには:
Project Explorerで、Game Syncsタブに切り替える。
State Groupsセクションで、以下のいずれかを行う。
Virtual Folder（またはWork Unit）を選択して、Project Explorerのツールバーの、State Groupsアイコンをクリックする。
Virtual Folder（またはWork Unit）を右クリックして、ショートカットメニューでNew Child > State Groupを選択する。
新しいState Groupが、State Groupのリストに追加される。
デフォルトのState Group名を、内容が分かる名前に変更する。
![[注釈]](/images/2023.1.7_8574/?source=Help&id=note.png)
注釈 State Groupの名前は、必ず固有のものとし、文字、数字、アンダースコア以外は使用できません。
必要に応じて、State Groupを追加する。
![[ヒント]](/images/2023.1.7_8574/?source=Help&id=tip.png)
ヒント State Groupをダブルクリックして、Property Editorにロードすると、このState Groupに関する情報を、Notes（備考）フィールドに追加できます。
1つのState Groupを作成すると、それに複数の設定値を設定することができます。設定値はそれぞれ、そのState Groupの中にある、様々な選択肢を表します。例えば、State Group Player NameにあるStateはそれぞれ、ゲーム内の選手の名前を表します。プロジェクトで必要なStateは全て、Project Explorerの、Game Syncsタブで作成できます。
Project Explorerで、新規Stateを作成するには:
Project Explorerで、Game Syncsタブに切り替える。
State Groupsセクションで、以下のいずれかを行う。
State Groupを選択して、Project Explorerのツールバーの、Stateアイコンをクリックする。
State Groupを1つ右クリックして、ショートカットメニューで、New Child > Stateを選択する。
新しいStateがState Groupのリストに追加される。
デフォルトのStateの名前をState Group値の内容が分かる名前に変更する。
注釈 Stateの名前は、そのState Groupの中で必ず固有のものとします。
必要に応じてStateをさらに追加する。
ヒント Stateをダブルクリックして、Property Editorにロードすると、このStateに関する情報を、Notes （備考）フィールドに追加できます。
State GroupやStateが不要になった場合は削除できます。State Groupを削除すると、そのState Groupに含まれるStateもすべて削除されます。State Groupを削除すると、それを使用する全てのダイアログイベントから、そのState Groupが削除されるので、注意してください。
State Groupを削除するには:
Project Explorerで、Game Syncsタブに切り替える。
State Groupsセクションで、削除するState GroupまたはStateを右クリックして、Delete Selectionを選択する。
選択したState GroupまたはStateが削除される。
ヒント State GroupまたはStateを選択してDeleteキーを押すこともできます。