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アウトプットバス構造の構築

バスは、ミキシングや最終的なアウトプット用にプロジェクトオブジェクトをまとめたグループで、詳細はManaging Outputで説明します。ただしプロジェクトの仕上段階に入る前から、様々なバスの役割やプロジェクトの全体構造の中でのバスの役目を理解しておくことが大切です。

プロジェクトのアセット構造を整理してアセットを戦略的に管理するように、プロジェクトのアウトプット側の整理も必要です。アウトプットバスをグループ分けしてマスターミキサー階層という階層構造に入れることで、バスの相対プロパティ、ステート、RTPCを定義して、プロジェクトのルーティングに適用するエフェクトも設定できます。

ミキシングプロセスを効率化するために、プロジェクトにとって最適なルーティング方法について、充分に検討してください。例えば、アンビエントミュージックや、銃声音などのサウンドを、それぞれに対応するバスにルーティングすることで、ゲームのオーディオミキシングを、シンプルにできます。

最初にMaster-Mixer Hierarchyのデフォルト構造を理解する必要があります。これを構成するマスターバスには、それぞれ独自の役割と階層(Master Audio Bus階層とSecondaryバス階層)があります。

Master Audio Bus階層

Master Audio Bus階層は、複数のアウトプットバスからなる構造で、プロジェクトのサウンドとミュージックは、この階層にルーティングされます。この階層を構成する、機能の異なる3つのレベルを、以下に示します。

  • Master Audio Bus― 階層の最上位エレメントであり、オーディオの最終的なアウトプットを決定する。作成したMaster Audio Busは、名前を変更でき、削除もできる。また、Master Audio BusにEffectsを適用し、別のワークユニットやバーチャルフォルダに移動することができる。

  • Audio busses: マスター Audio Busの下でいくつかのブループにまとめることができる任意のバス(単数または複数)で、サウンドミックスを整理したり完成させたりするために使う。これらのバスは名前変更、移動、削除が可能であり、エフェクトも適用できる。

  • Auxiliary busses: Auxiliary BusやAudio Busの下でいくつかのグループにまとめることができる、任意のバス(単数または複数)。Audio Busと同様に、これらのバスの名前変更、移動、コピー、削除が可能であり、Auxiliary Busに対するエフェクトも適用できる。プロジェクトのどの位置に存在するサウンドオブジェクトも、Auxiliary Busに送り、ボリューム、バスコンフィギュレーション、ポジショニング、RTPCを調整したり、EffectやStateを適用したりできる。Auxiliary Busでは、ダッキング、ボイス、HDRミックスの調整はできない。

info注釈

Audio Busを、Auxiliary Busの子に設定することはできません。子として設定できるのは、他のAuxiliary Busに限定されます。

Wwiseインターフェースの次のアイコンは、2種類のバス、つまりAudio BusとAuxiliary Bussesを表しています。

アイコン

内容

Audio Bus

Auxiliary Bus

次の表は、Audio BusとAuxiliary Busのそれぞれのタイプに該当する可能性のある全ての処理ステータスを表しています。処理ステータスの詳細は 「バスのアイコンと処理ステータスを理解する」 を参照してください。

アイコン

内容

(Audio)

(Auxiliary)

Mixing

(Audio)

(Auxiliary)

Processing Audio Objects

(Audio)

Not Mixing

(Audio)

(Auxiliary)

Processing

デフォルトとして、アクターミキサー階層のサウンドは、マスターオーディオバスにルーティングされます。ただし、アウトプット構造を作り上げる過程で、作成した様々なバスに、各種オブジェクトをルーティングできます。

info注釈

Master Mixer Hierarchyの下に、Work-Unitや、Virtual Folderを作成することができます。チームで協力しながら作業するときに、バス階層を整理するのに便利です。

プロジェクトでデフォルトとして設定されているオーディオルーティングはDefault Object Valuesダイアログで変更できます。デフォルト設定については「プロジェクトのデフォルトオブジェクト値の指定」を参照してください。

セカンダリバス階層

セカンダリバス階層(Secondary Bus Hierarchy)は、メインアウトプット(テレビやスピーカー)以外のアウトプットに送られるコンテンツをミックスするための、Audio Busの構造です。あなたのプロジェクトで使う様々な種類のアウトプットに合わせて、セカンダリオーディオバスを必要な数だけ作成できます。セカンダリアウトプットの一例として、ゲームコントローラのスピーカー、チャット用ヘッドフォン、DVRバイパスアウトプットなどがあります。メインのアウトプット構造と同じように、セカンダリ構造に設定できる子バスやAUXバスの数に、制限はありません。

Master Secondary Bus階層にルーティングしたサウンドを、セカンダリアウトプットに送る2種類の方式を、以下に示します。

  • 対象サウンドの Output Bus のプロパティをセカンダリバス階層にあるバスに直接、設定する方式。通常は1つのセカンダリアウトプットインスタンスだけに結び付いているサウンドなどに向いています。例えば、プレイヤーが発射するガンショット、テニスラケットの打音、PDAの音、ゲームプレイのフィードバックなど。

  • 対象サウンドをマスターオーディオバス階層のバスにルーティングしてからセカンダリバス階層のAUXバスへ送る、ユーザーセンドまたはゲームセンドの設定を追加する方式。これは同じサウンドが複数のアウトプットとテレビから同時に聞こえてくる場合に向き、例えばスパイカメラやアナウンスなどが考えられます。

バス階層は、ミキシングの構造を定義するだけです。そのミックスを具体的なアウトプットと関連付けるには、対応するマスターバス側で、適切なAudio Deviceシェアセットを選択します。Wwiseで提供されている「組み込みオーディオデバイス」のリストを確認してください。

ゲーム中に複数のインスタンスが存在するかもしれないプレイヤー関連のアウトプット(ゲームコントローラやヘッドフォンなど)の場合は、それに関連するミキシング階層が、プレイヤーごとにコピーされることを、知っておく必要があります。プロジェクトで定義するのは、特定のアウトプットタイプ用のミキシングレシピのようなもの だけです。実際にどのコピー構造にルーティングされるかは、プログラマーの設定するリスナーとゲームオブジェクトの関連付けで決まります。

デフォルトで、オーサリングアプリケーションが全てのサウンドをメインのサウンドカードにルーティングするので、自分のサウンドデザインを聞くことができます。一方、テスト用にさまざまなハードウェアデバイスを選択することも可能で、その場合はAudioメニューからAuthoring Audio Preferencesダイアログに移動します。

バス階層の構築例

Wwiseで、バス階層の構造を柔軟に設計できます。つまり、プロジェクトのサウンドを整理する上で、絶対に正しい構造というものはありません。とはいえ、どのようなアセットや要件の組み合わせが入っているプロジェクトでも一般的に共通するような方法を、以下の簡単な事例で紹介します。

以下の画像はSchematic Viewから抜き出したもので、このプロジェクトではマスターAudio Busの下に4つのAudio Busがあり、セカンダリマスターバスが3つあります。

Master Audio Busには、以下のバスがあります:

  • Environmental Bus - プレイヤーに聞こえてくるであろう様々なサウンドを環境的な要因(リバーブなど)によって分類したバスで、例えば砂利、木板、セメントの地面別にフットステップ(プレイヤーや他のキャラクターの足音)を分けます。

  • Music: 全てのミュージックをまとめたバスで、ゲーム中の特定場面でプレイする時のミュージックや、ゲーム外のUIメニューを操作中のミュージックなどが含まれます。

  • Voices: キャラクターダイアログのほぼ全てをまとめたバス。

  • Voices_Radio - このゲームではダイアログが頻繁に発生し、無線での会話を表現する特殊設定が必要なボイスも多いため、Voiceバスとは別にこのバスも用意しました。ボイスの整理の仕方として、Voiceバスの下に子バスとして設定する方法もあります。この2つの方法は考え方として似ていますが、求められるサウンドアウトプットを実現するためのミキシングを考慮すると、別のバスをMaster Audio Busのすぐ下に定義する方が効率的となりました。

広大な航空機ハンガー内にいる時のサウンドを調整しやすくするために、Auxiliary BusとしてHangar_Envも設定しました。これを使えば、ゲームシーンがハンガー内に移動した場合に、サウンドをマニュアル操作またはゲームコールでこのバスに送り、ハンガー環境で聞こえるであろうオープンエコーを連想させるリバーブを適用できます。

次に、追加されたマスターバスがあり、それぞれ送り先が別のセカンダリアウトプットです:

  • Motion Bus - 全てのモーションシグナル(別名ランブル)を受信するバスで、適切なコントローラにそれをアウトプットします。この例では子バスがありませんが、モーションでも複雑なミキシングを設定することができます。

  • Non Recordable Bus - システムによっては、DVR (Digital Video Recorder) に録音されない別のアウトプットがあります。プレイヤーによる録音で公に配布してはならない著作権のある音楽などに、合理的です。音(または音楽)をこのバスにルーティングすると、録音されません。

  • Game Pad Bus - コントローラのスピーカーのことで、ここからアウトプットされる音を、プレイヤーは直接に、または少なくともはっきりと、聞こえます。キャラクターの頭が壁にぶつかる衝突音などに理想的なスピーカーです。

check_circleヒント

>同じサウンドを同時に、セカンダリバスとオーディオバスの両方に送ることは推奨されません! どのシステムも多少のレイテンシが発生します。ほんの数ミリ秒であっても、同じサウンドが遅れて別々の出力源から聞こえてくると耳障りです。

info注釈

ミュージックファイルなどのサウンドオブジェクトから、モーションデータを生成できます。既存のサウンドからモーションを生成する方法については「既存のサウンドからモーションを生成する」を参照してください。


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