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Soundseed Air Woosh

Soundseed Air は、次の2つのプラグインから構成されています:Soundseed Wind とSoundSeed Woosh。Soundseed Woosh は、物体が空を切る時のサウンド(音)を生成するソースプラグインです。このタイプの音を作り出すには、ディフレクタオブジェクトの特徴や、この物体が動く時の軌跡とスピードを定義します。Woosh音は完全な合成音なので、ソースのオーディオファイルは不要です。Soundseed Woosh はwavファイルの使用を必要としないため、ゲーム中のメモリを節約できます。またランダムの機能も多数あり、Wooshのソースから別のバリエーションを作成することもできます。

[注釈]注釈

Soundseed Airを使ったゲームの開発、実装、販売を計画し ている場合は、別途ライセンス購入が必要となります。詳しくは、 Audiokinetic社の営業担当: sales@audiokinetic.comまでご連絡下さい。

Soundseed Woosh シーンは、シーン内のオブジェクト(物体)の動きを記述する軌道やパスで構成されているという点において、Soundseed Windシーンと異なります。移動するオブジェクトは、ディフレクタオブジェクトのグループ(単数または複数)で構成されています。作成された各グループは、周波数やゲインなどの独自のプロパティのセットを持ちます。グループにディフレクタセクションを追加すると、風を偏向させる物体の様々な領域を分割することができます。セクションが複数ある場合、Wwiseはセクション間のプロパティ設定を、1つのディフレクタのプロパティ設定から別のディフレクタのプロパティ設定へ補間します。これは、トラフィックコーンのように、物体の形状が一端から他端間で変化する場合に有用な機能です。

Object Path

実際の Woosh サウンドは、様々なディフレクタオブジェクトグループの共振周波数に影響を与える移動オブジェクトのスピードから作成されます。ディフレクタグループ数、グループ内のディフレクタ数、ディフレクタ共振周波数のプロパティ、オブジェクトが空中を移動するスピードを変更することで、ゲーム内に多種多様なWoosh サウンドを作成することができます。

移動するオブジェクト(ここでは剣)の軌道を定義した典型的なwoosh シーンを下図に示します。各ディフレクタの共振周波数と空中をオブジェクトが移動するスピードが実際のWoosh サウンドを決定します。オブジェクトは、 Woosh スピード曲線に基づいて、パス(軌道)に沿って移動します。

Wooshにおいては、タイム、パス、スピード間の関係が、Wwiseにおける他のパス/タイム関係とは少し異なります。Wwiseでは、ユーザー定義の3Dポジショニングを使用するオブジェクトはパス全体を通じて同じスピードで移動しますが、これは、Wooshにおいては、必ずしも当てはまりません。オートメーションカーブが移動オブジェクトのスピードを定義するために使用される場合、オブジェクトはこのカーブに定義されるスピードで移動し、スピードが最高ポイントにある時、パス上の移動距離がより長くなります。Object Path グラフとProperty グラフビューで使用可能なポジションリファレンスポイントにより、パス上の特定ポイントにおける、移動中の wooshオブジェクトのスピードをクロスリファレンスすることができます。

オートメーションカーブの使用

オブジェクトのスピードおよび様々なディフレクタのプロパティを、オートメーションカーブを使用して経時的に制御することができます。任意のポイント数を追加および様々なカーブ形状を使用して、洗練されたカーブを作成することができます。オブジェクトスピードの洗練されたオートメーションカーブの一例を、下図に示します。.

[注釈]注釈

適切なパフォーマンスレベルを維持するために、オブジェクトスピードカーブでは、ポイント間で使用できる曲線形状はリニア(Linear)に限定されています。他の全てのオートメーションカーブでは、 Wwiseで利用可能な全ての曲線形状を使用することができます。

オートメーションカーブの周期性

Woosh サウンドがループされる場合、オートメーションカーブは周期的に繰り返されます。デュレーションが非常に短い場合、再生速度が上がるとサウンドがスピードアップおよびスローダウンしているかのような現象が発生することがあります。これは、各サンプル間のスペースが実際のオートメーションカーブより大きくなるために発生します。これが発生すると、オートメーションカーブの次のサイクルの開始時に、制御サンプルが異なるポイントから取得されます。

制御レートのオーバーサンプリング

非常にダイナミックなサウンドのケースでは、サウンドの特性が制御カーブに近い形で展開するよう、全てのカーブに対する制御レートをオーバーサンプリングすることができます。オーバーサンプリングにより、制御カーブとパスデータが通常のバッファ期間より速いレートで読み込まれます。これは、ほとんどのプラットフォームにおいてだいたい21 msです。オーバーサンプリング値は、制御レートを、制御の値だけ効果的にダウンさせます。例えば、制御レート16のオーバーサンプリングは、1.33ms (~21ms/16)ごとに制御カーブのサンプリングを発生させます。これは、共振周波数の不連続性を減少させ、オブジェクトのポジショニングが、少ない頻度での読み取りと比べてより密接にパスと一致するようにします。オーバーサンプリングには計算コストがあり、必要な時のみにだけ使用するのが最善です。

オーバーサンプリングを、実際の制御カーブをより良く表せる目的で、制御レートに影響を与えるために使用した例を、下図に示します。

Spatialization(空間配置)

Soundseed Woosh プラグインは、最小限のスプレッドで角度ベースの空間化を使用します。これは、オブジェクトがリスナーの完全な右側に配置されている場合、右側のチャンネルのみを通過するということを意味します。一方、右側隅(リスナーから45度)に配置されている場合には、左右両方のチャンネルを通過しますが、実質的に右チャンネルがより強くなります。軸ベースのパンニングと比べて、この方法は、オブジェクトがリスナーの近くに配置されている場合にハイレベルの位置ダイナミクスを生み出します。 

4チャンネル構成では、隅に配置されたオブジェクトはその位置に対応するチャンネルを通過しますが、メインのチャンネルの半分の強度で隣接チャンネルも通過します。

距離ベースの減衰

Woosh サウンドに、距離ベースの減衰を適用することもできます。基本的に、最小距離の後にオブジェクトの距離が倍になるたびに、-6dB の減衰が適用されます。以下のプロパティの値を指定することによって、オブジェクトが軌道に沿って移動する時の距離ベースの減衰を微調整することができます:

  • Minimum distance - シーン中心からの、減衰ゲインが適用されない全方向への距離。

  • Roll-off factor(ロールオフ率) - 値が高くなるほど急な傾斜または速い減衰を生成する減衰曲線の傾き。例えば、ロールオフが2の倍、 Woosh サウンドが2倍の速さで減衰されます。

Soundseed Air プラグインで使用される減衰モデルを、下図に示します。3つの異なるロールオフファクタが同一の最小距離と使用され、減衰ゲインがそれぞれの場合にどのように適用されるのかを示しています。 

Woosh プラグインで、ポジショニングおよび減衰コントロールを使用することの主な利点は、オートメーションカーブを使用して、Wooshサウンドを発するオブジェクトがパスに沿って移動するスピードを定義できることです。また、制御カーブをオーバーサンプリングするオプションもあり、オブジェクトの位置を、常時より良くパスにマッチさせることができます。

減衰およびポジショニングに、Wwiseの一般的なコントロールを使用することも可能ですが、これらのコントロールは、プラグイン内のポジショニングおよび減衰コントロールとは独立して機能するということを理解しておく必要があります。Wwiseの一般的なポジショニングまたは減衰コントロールのいずれかを使用する場合、Wooshソースを含むオブジェクトの位置を定義する必要があります。これは、ユーザー定義の3Dポジショニングでパスを作成するか、Wooshソースを含むオブジェクトをゲーム定義の3Dポジショニングを使用してゲームオブジェクトにアタッチすることによって実行可能です。

カラーノイズとスペクトル傾斜

また、以下のような様々なノイズカラーからの選択により、合成されたWooshサウンドのスペクトル傾斜を指定することができます:

  • ホワイトノイズ(White Noise) - スペクトル傾斜を生成しない。

  • ピンクノイズ(Pink noise) - 1オクターブにつき-3dBのスペクトル傾斜を生成。高周波数への強調が少ない信号になります。

  • レッドノイズ(Red noise) - 1オクターブにつき-6dBのスペクトル傾斜を生成。ピンクノイズより更に高周波数への強調が少ない信号になります。

  • パープルノイズ(Purple noise) - 1オクターブにつき+6dBのスペクトル傾斜を生成。高周波数を強調する信号になります。

様々なノイズカラーのスペクトル傾斜を、下図に示します:

RTPCを使用したプロパティ制御

Wwiseでは、プロパティスライダを使用してほとんどのプロパティをリアルタイムで変更することができます。これらのプロパティの多くは、RTPCを使用してゲーム中のパラメータにマッピングすることもできます。プロパティ値の横に、それがRTPC を使用するかどうかを示す特別なインジゲータが配置されています。

次の表は2種類のRTPCインジケータを示しています:

Indicator

Name

内容

RTPC - On

このプロパティ値が、ゲーム内のパラメータ値にRTPCで結び付いていることを示す。

RTPC - Off

このプロパティ値が、ゲーム内のパラメー タ値に結び付いていないことを示す。


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