Wwiseにおけるサウンドは、デフォルトで全方向性ソースから発散されます。しかし実際のサウンドは、一般的に何らかの方向性を有します。Wwiseでサウンドの方向性をシミュレーションするために、サウンドコーンを利用します。サウンドコーンで様々な角度を設定することで、サウンドが特定方向に伝搬する様子をシミュレーションできます。設定した角度の外部にリスナーが移動すると、アウトプットバスボリューム(ドライコンポーネントとして作用する)が減衰します。3D game-defined positioningでは、ゲームのライブデータを使うため、サウンドコーン(Sound cone)の方角が最終的にはゲームオブジェクトの向きによってコントロールされます。
サウンドコーン内のエリアは、以下のアングル(角度)で決定されます。
Inner angle: アウトプットバスボリュームの減衰や、ローパスフィルタのエフェクトが発生しないエリアを定義する。
Outer angle: アウトプットバスボリュームの減衰とローパスフィルタのエフェクトが、最大レベルで維持されるエリアを定義する。
トランジションエリア、つまりインナーアングルとアウターアングルの境界線の間のエリアは、アウトプットバスボリュームのロールオフが起きます。インナーアングルの境界線では減衰が発生せず、アウターアングルの境界線では最大減衰値に到達するので、両者の間で線形補間を使いボリュームを減衰させます。なお、アウターアングルで決まるエリアの中では、ボリューム減衰は常に最大減衰値と等しくなります。
注釈 | |
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減衰コーン内のアウトプットバスボリューム減衰やローパスフィルタ値は、アウトプットバスボリュームやローパスフィルタの減衰カーブで決定される値に、追加されます。なお、AUXセンドのボリュームと数値は、変わりません。 |
Cone Attenuationプロパティの横のCone Preview表示にサウンドコーン内の各領域が図示されます。ユーザーがインナーアングルやアウターアングルの角度を変えると、この図も自動的に更新されます。
モーションは全方向性ソースから発散されますが、状況によってモーションの伝搬を特定の方向(Direction)へ向けてシミュレーションさせることも考えられます。このような場合は、コーン減衰(Cone attenuation)プロパティを利用します。サウンドコーンをモーションに適用すると、サウンドの場合と同じ作用を及ぼしますが、ローパスフィルタの設定はモーションオブジェクトに対して影響しません。サウンドコーンは、リスナーの位置とソースの向きとの関係に基づいて、設定した角度に応じてモーションを減衰させます。
サウンドの方向性を、サウンドコーンでシミュレーションするには:
Property Editorにオブジェクトをロードして、Positioningタブに切り替える。
Attenuationグループボックスで、Attenuation ShareSetを選択するか、作成する。
注釈 | |
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Attenuationグループボックスを起動するには、Listener Relative Routingを有効にする必要があります。 |
Edit...をクリックする。
Attenuation Editorが開き、選択した減衰インスタンスのプロパティ設定が表示される。
Cone Attenuationオプションを選択する。
サウンドコーン機能が設定可能となる。
テキストボックスInner angleで、アウトプットバスボリュームを減衰させないエリアを決める角度を指定する。
テキストボックスOuter angleで、アウトプットバスのボリューム減衰とローパスフィルタの効果を最大レベルで維持させるエリアを決める角度を指定する。
注釈 | |
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インアーアングルとアウターアングルの間のエリアは、トランジションエリアと呼ばれます。このエリアのアウトプットバスボリュームは、減衰の起きないインナーアングルの境界線と、最大減衰値に到達するアウターアングルの境界線の間を、線形補間を用いて減衰させます。 |
テキストボックスMax attenuationで、オブジェクトがアウターアングルの範囲内に入った時にアウトプットバスボリュームを減衰させる量を設定する。
インアーアングルとアウターアングルの間にあるサウンドに、ローパスフィルタを適用するには、テキストボックスLow pass filterに、数値を入力する。ローパスフィルタはリカーシブ(再帰)フィルタで、指定した数値に基づいて高周波を減衰させる。
注釈 | |
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ローパスフィルタの単位は、適用するローパスフィルタ率を表し、「0」はローパスフィルタなし(信号に影響なし)を表し、「100」は最大減衰を表す。 |