全ての例で、Secondary Bus階層として下記のバス構造を用いています。メインAudio Bus階層は省略します。この構造はアウトプットごとに複製されるので、最終的なミックスは互いに独立しています。なお、インスタンス化されるのは必要なバスだけです。
これは、1つのサウンドがメインアウトプットに送られる単純な例です。通常のゲームでは、複数のサウンドが複数のサブバスにルーティングされます。ここでは簡略化して、テレビアウトプットで再生される音が1つと仮定します。
次に、2人目のプレイヤーのゲームコントローラで別のサウンドを再生するとします。例えば、メニュー画面にこのプレイヤーだけが入り他のプレイヤーが入らない場合の、メニューサウンドを考えます。この場合、メニューサウンドが通常通り設定されたアウトプットバスにミキシングされ、TVミックスとは別となります。このサウンドがプレイヤー2のコントローラだけで再生されるのは、ゲーム内で、リスナーとゲームオブジェクトの関連付けが設定されたからです。この場合プログラマーは、コントローラ2のリスナーだけが聞くゲームオブジェクトで、このサウンドを再生させます。
上記の例で明らかなことが2点あり、つまりあるサウンドを複数のセカンダリアウトプットと同時にTVミックスへもルーティングできるということです。この例では、事前に録音された助けを求めるプレイヤー1の無線通信というサウンドが、同じチームのプレイヤー2に聞こえ、またテレビの視点がこのサウンドを発するプレイヤー2の近くにあるため、テレビからも聞こえます。なお、このサウンドのアウトプットバスはBus 1に設定されています。このバスと、マスターセカンダリバスは、プレイヤー1とプレイヤー2の両方で複製されます。当然、プレイヤー2のミックスには、プレイヤー2にしか聞こえないSound 2と、Sound 1が入らなければなりません。エフェクトがある場合は、両者のマスターセカンダリバスのコピーに同じエフェクトが適用されますが、その対象となるオーディオシグナルが異なります。
またSound 3からTVミックスに向かうSendがあります。他のアウトプットに対して送る場合は、全種類のSendを使えます。この例では、距離関係や減衰によって無線通信がカメラにも聞こえることがあるので、メインTVミックスへ入れる必要があり、設定されたAuxiliary Busから送ります。