バージョン
Wwiseで「スペーシャルオーディオ」と呼ぶのは疑似3D環境における音に関する各種設定やコンフィギュレーションのことで、アテニュエーション(減衰)、ディフラクション(回折)、リフレクション(反射)などを指します。スペーシャルオーディオではさまざまな観点でCPU処理能力を必要とするため、品質とパフォーマンスの程よいバランスを決めるために、いくつもの選択肢を試す必要があります。
Wwise AuthoringのProperty EditorのPositioningタブに多くのオプションがあります(詳細は 「Positioning タブ: Actor-Mixerオブジェクト、Interactive Musicオブジェクト」 と 「Positioningタブ: Audio Bus、Auxiliary Bus」 を参照してください)。
スペーシャルオーディオはエミッタやリスナーのポジショニング、音の減衰、3Dオブジェクトからの反射音、回折など、数多くの計算のためにCPU処理能力を使用します。スペーシャルオーディオのエフェクトや設定の可能な組み合わせは数多くあり、CPU最適化のための単純なガイドラインは存在しません。ただしProfilerでスペーシャルオーディオが大量のCPUリソースを消費していることが判明した場合、以下の案が有効かもしれません:
スペーシャルジオメトリをできるだけシンプルに保つようにします。三角形の数やディフラクション(回折)エッジ数を最小限に抑えます。
音のアテニュエーション(減衰)を有限とします。最大アテニュエーション半径が大きくなるにつれ、パスを検索するために必要なCPU処理能力が増加します。有限のアテニュエーションカーブが最大距離に到達した時点で、カーブはプロジェクト設定で設定した可聴閾値未満となります。
遠すぎて聞こえないサウンドは再生を避け、アテニュエーション半径よりも遠くに移動して戻らないサウンドは停止します。
シーン内にある独立した部分を隔離するために、ルームやポータルを活用します。
スペーシャルオーディオを初期化する時に、CPU使用を制御するために以下の Spatial Audio Initialization Settings を設定することができます:
CPUロードバランシングを使用します。
リフレクションやディフラクションを計算する要件である動きの閾値を上げることで、精度を犠牲にしながらもCPU使用量を減らします。
レイトレイシング(raytracing)エンジンで使用するプライマリーレイ(primary rays)数を減らします。
最大リフレクションオーダーを減らします。多くの場合、1次や2次で充分です。
ディフラクションオーダーを減らします。4ではじめますが、2や1でも充分なことがあります。
スペーシャルオーディオの詳細は、CPU最適化に関する提案も含め、以下のドキュメントを参照してください:
Wwiseヘルプの Positioningの定義 を参照してください。
SDKの Spatial Audio を参照してください。その中でも特に Improving Performance を参照してください。
Unrealインテグレーションドキュメントの UnrealのSpatial Audioチュートリアル を参照してください。
Unityインテグレーションドキュメントの Unityで、Spatial Audio を参照してください。