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Attenuation Editor

Attenuation Editorで特定オブジェクトのアテニュエーション(減衰)プロパティを定義することができます。Wwiseのボリュームやローパスフィルタなどの具体的なプロパティと、エミッタソースからリスナーまでの間の距離やオブストラクション(障害物)などの具体的なドライバの関係を定義する一連のカーブを作成することで、ゲーム内のサウンド、ミュージック、およびモーションの高度なアテニュエーションをシミュレーションすることが可能です。さらに、エミッタのリスナーに対する向きに基づきサウンドコーンを使用して減衰をシミュレーションすることで、アテニュエーションをさらに洗練させることができます。

減衰カーブをさらに細かく複雑に作成するには、カーブセグメントの形状を調整します。カーブセグメントとは、カーブ上の任意の2点のコントロールポイントの間の部分を指します。カーブ形状として、直線、定数、対数関数、指数関数、S型カーブなど、様々な選択肢があります。

また、減衰設定をShareSetとして保存できるので、プロジェクトの複数オブジェクトで設定を共有できます。

[注釈]注釈

減衰値は必ず対象オブジェクトの既存プロパティ値に加算します。つまり、サウンド階層またはミュージック階層の累積ボリュームレベルが-20dBであり、そのボリュームを-64dB減衰させた場合は、オブジェクトのボリュームが-84dBとなります。

減衰プロパティの一部は、RTPCを使って制御できます。RTPCプロパティの詳細については、「RTPCタブ」に切り替えてHelpアイコンをクリックします。RTPCの使い方についてはRTPCの使い方/>を参照してください。

項目

内容

Name

Attenuation ShareSetの名前。

Shared by

選択されているShareSetに現在サブスクライブされているオブジェクトのリスト。

検索フィールドが開き、標準的な英数字の検索によってマッチしない項目がビューで非表示となる。詳しくは「表の使用」を参照。

検索フィールドを閉じて検索フィルタを解除するには、Searchアイコン左のCloseアイコンをクリックする。

[注釈]注釈

「List View」「Query Editor」「MIDI Keymap Editor」「Referenceビュー」で、ノードが閉じて非表示となっている項目は検索対象とならない。

Notes

ShareSetや適用した減衰設定についての、追加情報。

Attenuation Settings

Graph view

WwiseのVolumeやLow-Pass Filterなどの具体的なプロパティと、距離やオブストラクションなどのさまざまなドライバの関係を示すグラフ。これらのカーブを組み合わせることにより、ゲーム内のサウンド、ミュージック、およびモーションのオブジェクトのアテニュエーションを、距離、オブストラクション、オクルージョン、ディフラクション(回折)、トランスミッション(透過)に基づいてシミュレーションします。

距離で変化するカーブ(曲線)のX軸は、距離単位です。最小値は0であり、最大値は現在のMax distance値で決まります。オブストラクション、オクルージョン、ディフラクション、またはトランスミッションに基づいて変化するカーブのX軸は、単位%です。Y軸の値はCurvesリストで選択したプロパティカーブにより変わります。

Graphビューの2点のデフォルトコントロールポイントはRadius centerとMax distanceの値を示します。

半径の中心は、ゲーム中にゲームオブジェクトによって決まる(3D game-defined)か、リスナーのポジションによって決まる(3D Automation)ので、削除したりX軸上で移動したりできない。減衰カーブの形状を変更するための追加ポイントを加えることができます。

再生中にDistance、Obstruction、Occlusion、Diffraction、Transmissionの各カーソルをドラッグし、アテニュエーションカーブの効果をプレビューすることができます。

グラフビューに複数のカーブを同時に表示できます。

グラフビューの中心にズームインする。

グラフビューの表示を、デフォルトのズーム比「1:1」にリセットする。

グラフビューの中心からズームアウトする。

Coordinates

X

選択したコントロールポイントのX座標。X軸上の値はCurvesリストで選択したカーブにより変わることがあります。

2つ以上のコントロールポイントを選択すると、このフィールドの数値が「0」となり、これを増減させることで、選択中の全てのコントロールポイントを、現在の数値から増減できる。例えば、2つのコントロールポイントを選択して、テキストボックスXに「-5」と入力すると、両方のコントロールポイントが、左に「5」だけ移動する。

Y

選択したコントロールポイントのY座標。Y座標はCurvesリストで選択したカーブの種類によって変わる。

2つ以上のコントロールポイントを選択すると、このフィールドの数値が「0」となり、これを増減させることで、選択中の全てのコントロールポイントを、現在の数値から増減できる。例えば、2つのコントロールポイントを選択して、テキストボックスYに「-5」と入力すると、両方のコントロールポイントが、下に「5」だけ移動する。

Curves

行ヘッダ部分でショートカット(右クリック)オプションのConfigure Columns...をクリックする。

「Configure Columnsダイアログボックス」が開く。表示する行とその順番を指定する。

(ピン留め有・無)

グラフビューで減衰カーブを表示するかどうかを示す。

Pinアイコンを選択すると、減衰カーブを選択しているかどうかにかかわらず、カーブがグラフビューに表示される。

(Color block)

グラフビューに表示される減衰カーブの色を示す。全てのプロパティカーブの色が異なる。

(Link/Unlink)

カーブを全プラットフォームに適用するのかどうかを示す。

Driver

アテニュエーション(減衰)を駆動する現象。アテニュエーションカーブを以下のドライバのために作成することができます。

  • Distance - エミッタとそのリスナーの間の距離。最大値はMax distanceスライダで決まります。

  • Obstruction - エミッタゲームオブジェクトとそのリスナーの間のオブストラクションの割合。0から100までの値が可能です。

  • Occlusion - エミッタゲームオブジェクトとそのリスナーの間のオクルージョンの割合。0から100までの値が可能です。

  • Diffraction - エミッタとリスナーの間のディフラクション(回折)の経路におけるディフラクションの割合。この値はSpatial Audioにより設定され、0から100までの値が可能です。

  • Transmission - エミッタとリスナーの間のトランスミッション(透過)の経路における透過損失の割合。この値はSpatial Audioにより設定され、0から100までの値が可能です。

ドライバはグラフビューのX軸方向に表示されます。

[注釈]注釈

Obstruction、Occlusion、Diffraction、Transmissionの各ドライバに関連付けることのできるプロパティは、Volume、Low-pass filter、およびHigh-pass filterだけです。

Property

アテニュエーションを適用するWwiseのプロパティ。Wwiseの以下のプロパティでアテニュエーションカーブを作成することができます。

  • Volume - サウンドのボリュームをオフセットします。Wet/Dryシナリオのドライ部分に該当する。

  • Auxiliary send volumes: Game-definedとUser-definedのAUXセンドボリュームをオフセットする。Wet/Dryシナリオのウェット部分に該当する。

  • Low-pass filter: 指定値に基づいて高周波を減衰させる、リカーシブ(再帰)フィルタ。

  • High-pass filter: 指定値に基づいて低周波を減衰させる、リカーシブ(再帰)フィルタ。

  • Spread: オーディオやモーションが隣のスピーカーやモーターに広がる量または割合を指定する機能で、サウンドやモーションが距離に合わせて、スプレッド値が低い時は点音源、高い値では完全に拡散した伝搬へと変わる。マルチチャンネルサウンドのスプレッドは、各チャンネルで別々に行われる。

  • Focus: Spread値によって生じたバーチャルエミッタを集約するために使う値(%)。Focusが0%のときは、バーチャルエミッタに変更はないが、数値が高くなると、それぞれのバーチャルポイントが元のソースチャンネルの周りに近づいていく。

これらのプロパティはグラフビューのY軸沿いに表示される。

[注釈]注釈

Auxiliary send volumes、Spread、およびFocusのプロパティを関連付けることができるドライバはDistanceだけです。

Curve

各プロパティで使用するアテニュエーションカーブを指定します。以下のオプションから1つ選択します:

  • None - アテニュエーションカーブを作成せず、関連付けられたドライバとの関係による減衰が該当するプロパティに 適用されません 。ただしこのプロパティがほかのカーブに含まれる場合は、減衰することがあります。

  • Use Distance Volume - Distance Volumeアテニュエーションカーブを使用します。このオプションを利用できるのはDistance Auxiliary send volumeカーブのみです。

  • Use Project Obstruction - 同じプロパティの Project Obstructionカーブを使用します。このオプションを利用できるのはObstructionやDiffractionをドライバとするカーブのみです。

  • Use Project Occlusion - 同じプロパティのProject Occlusionカーブを使用します。このオプションを利用できるのはOcclusionやTransmissionをドライバとするカーブのみです。

  • Custom - 該当するドライバとプロパティの組み合わせ用に、カスタムアテニュエーションカーブを作成します。

新しく作成したカーブは追加の処理能力が必要となることに注意してください。

Max distance

オブジェクトの信号が最低レベルに達するエミッタソースからの距離。Distance(距離)をドライバとするカーブでのみ使用され、この距離はGraphビューの最後のコントロールポイントとして表示されます。このポイント以降はオブジェクトの信号のアテニュエーションが変わりません。

サウンドやモーションの伝搬は全方向性であるため、Max distance値によりエミッタソース周りに球状の境界が作成されます。

デフォルト値: 100
Default Slider Range: 1から200
Iインプットレンジ 1から10,000,000,000
単位: Wwiseの距離単位

Wwiseの距離単位はゲームで使用するセンチやメートルなどの距離単位と一致します。

Height Spread

Height Spreadは、パンニングが平面的なコンフィギュレーションで行われる場合に限り、Elevationに基づいた最小スプレッドを自動的に計算し、一方パンニングが7.1.4のような半球状のコンフィギュレーションで起きる場合は、負のElevationだけに基づいて計算する。3Dサウンドがリスナーの上または下を通過するときに、滑らかなパンニングにするのを手伝う。

Height Spreadは、サウンドに減衰が設定されていなくても、常にデフォルトで有効である。Height Spreadを無効にするには、このプロパティの選択を外す必要がある。サウンドに減衰がなく、Height Spreadを無効にしたい場合は、Output Bus Volumeが一定であるAttenuation ShareSetを、その目的のために作成する必要がある。

詳細は、 Effect of Height Spread を参照。

Default value: true

Cone Use

様々な角度の複数のコーンで減衰をコントロールするサウンドコーンを作成する。コーン型境界線の方向は、ゲームオブジェクトの向きによって最終的に決まる。

コーン減衰値は、距離に基づく減衰値に追加する。

Default value: No

Cone max attenuation

発信ソースがトランジションエリア外にある時のボリューム減衰量。

Cone max attenuationはリンクインジケータとRTPCインジケータがあります。詳細は Working with the Property Editor を参照。

単位: dB

Default value: -6.0

Range: -200 to 0

Units: dB

Cone inner angle

減衰が発生しないエリアを示す角度。

Cone inner angleはCone Previewの上部の境界を定義します。数値が変わるとリアルタイムに再描写される。

内側と外側の角度の間のエリアを、トランジションエリアと呼ぶ。このエリア内のボリューム減衰は、減衰ゼロからCone最大減衰値までを線形補間したものです。

単位:°

Default value: 90

Range: 0 to 360

Cone outer angle

ボリューム、ローパスフィルタ、そしてスプレッド減衰が最大レベルで維持されるエリアを示す角度。

Cone outer angleはCone Previewの下部の境界を定義します。数値が変わるとリアルタイムに再描写される。

内側と外側の角度の間のエリアを、トランジションエリアと呼ぶ。このエリア内のボリューム減衰は、減衰ゼロからCone最大減衰値までを線形補間したものです。

単位:°

Default value: 245

Range: 0 to 360

Cone Low-pass filter

指定値に基づいて高周波を減衰させる、リカーシブ(再帰)フィルタ。

このフィルタは適用するローパスフィルタ率(%)を表し、0はローパスフィルタなし(信号への影響なし)を意味し、100は最大アテニュエーションを意味します。

Cone Low-pass filterはリンクインジケータとRTPCインジケータがあります。詳細は Working with the Property Editor を参照してください。

(—詳しくは WwiseのLPFとHPF値カットオフ周波数 を参照。)

単位:%

Default value: 0

Range: 0 to 100

Cone High-pass filter

指定値に基づいて低周波を減衰させる、リカーシブ(再帰)フィルタ。

このフィルタは適用するハイパスフィルタ率(%)を表し、0はハイパスフィルタなし(信号への影響なし)を意味し、100は最大アテニュエーションを意味します。

Cone High-pass filterはリンクインジケータとRTPC インジケータがあります。詳細は Working with the Property Editor を参照。

単位:%

Default value: 0

Range: 0 to 100

Cone Preview

あるサウンドの最大アテニュエーション半径を示す図であり、円の中心にサウンドソースが表示されます。

このツールはパンナーではないため、赤円を移動させてサウンドをサラウンドフィールド内に配置することはできません。このツールは設定したアテニュエーションをプレビューで確認するためのものです。

以下がCone Previewの2つの機能です:

  • コーンアテニュエーションのさまざまなエリアを表示します。サウンドコーンの各エリアは、内角や外角の値を変更した時にリアルタイムで更新されます。

  • 再生中にリスナーのポジションを変更することでサウンドのアテニュエーションをプレビューとして確認できます。リスナーのポジションはサウンドソースに対する角度(黒線)と距離(赤円)で定義されます。距離や角度コントロールを変えるためにCone Preview上で直接クリックしたりドラッグしたりできます。

Cone Previewが機能するのはリスナーポジションを使用するオブジェクトのみです。


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