推奨される最大LRA値は、ジャンル、ターゲット層、想定されるゲームプレイ環境などによって異なります。また、モバイルゲームなどの配信プラットフォームによって、最大LRA値が変わることもあります。試聴する環境別のラウドネスレンジの例を、以下に示します。
環境 |
LRA |
---|---|
ホームシアター |
20 |
居間 |
18 |
台所 |
15 |
居間(深夜) |
9 |
交通機関(携帯型) |
6 |
以下は、一般的なルールです。
うるさい環境で、リスナーが全てのコンテンツを正しく聞き取るには、低いLRAが要求される。
音量が大きいラウドスピーカーは、より大きいLRAに対応できる。
ラウドネスレンジは、ダイナミックな圧縮が必要かどうかを判断する基準にもなる測定値です。
EBUは、ラウドネスレンジを測定することで、必要に応じて、あるプログラムを視聴者または配信プラットフォームの許容ウィンドウ内に収めるダイナミック圧縮の方法を、適切に判断できると提唱しています。実際には、全体的な低レベル圧縮によって納得のゆく効果が得られ、シグナルレンジ全体の一貫した圧縮が確保されると考えられます:
低いスレッショルド(-40dBFS未満)
適度な圧縮レシオ(1:1.2 〜 1:1.5)
長いリリースタイム(1秒より長い)
前述の通りEBUは、元のラウドネス値によっては、コンプレッサーのメイクアップゲインの適切な調整で、ターゲットレベル-23LUFSへの移行を並行して実行できると提案しています。