ラウドネス測定には、3種類のタイムスコープ(時間的範囲)があります。統合モードでは、ゲームのラウドネス値を、より広いスコープで測定できます。
Term |
内容 |
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Momentary |
横に移動(スライド)する長さ0.4秒の長方形のタイムウィンドウを使って計算した、ラウドネス値。測定にゲーティングを使わない。 |
Short-term |
横に移動(スライド)する長さ3秒の長方形のタイムウィンドウを使って計算した、ラウドネス値。測定にゲーティングを使わない。 |
Integrated |
ユーザーキャプチャーを使って計算した、ラウドネス値。Integratedラウドネスはゲーティングを使用(-70 LUFSより低い値は全て無視)した、Momentary loudnessに基づく長期的な測定です(測定時間全体にわたる統合)。測定は、 Measure ボタンをクリックすると始まり、もう一度クリックすると止まります。 Reset ボタンをクリックすると、測定が再開します。 |
EBU R128による統合ラウドネスの推奨ターゲットレベルは、-23LUFSです。ゲームのターゲットラウドネス値として、-23LUFSを指定することで、ゲームをプレイするアウトプット機器(テレビ、携帯機器など)でアウトプットされる他のソースと同等のアウトプットレベルを、ゲームでも得やすくなります。また、ゲーム全体のラウドネスのターゲットレベルを指定することで、ゲームの異なるレベルや領域において同じラウドネスを確保できます。ゲーム内容はダイナミックなため、ターゲットレベルの-23.0LUFSに向けて厳密なノーマライズを達成することが現実的に難しい部分では、±1.0LUの誤差が許容されます。多くの場合、ゲームのある部分のラウドネス値を予測することは困難です。様々なバックグラウンドエレメント(BGMなど)だけで成立する部分や、意図的に低くミックスされた部分などでは、ラウドネス値が許容範囲から外れることがあります。
ASWG(Sony Worldwide Studios Audio Standards Working Group)の、ASWG-R001は、以下を推奨しています。
家庭用プラットフォーム向けに開発するタイトルのオーディオコンテンツの、平均ラウドネス値は、許容範囲は±2LUでターゲットレベル-23LUFSにノーマライズするが、この許容範囲はインタラクティブ型エンターテイメントのオーディオコンテンツの特性であるノンリニア性を考慮すると容認できる範囲である。
モバイルプラットフォーム向けに開発するタイトルのオーディオコンテンツの、平均ラウドネス値は、許容範囲は、±2LUでターゲットレベル-18LUFSにノーマライズする。
測定対象はオーディオコンテンツ全体とし、ダイアログ、サウンドエフェクト、ミュージックなどに限定してはならない。
オーディオコンテンツの測定は、現実的な範囲でできるだけ長く、最低でも30分は測定し、1つのタイトルで測定する領域は、そのタイトルのゲームプレイの様々な面を全て網羅するように選択された、複数の代表的な部分とする。