SoundBankに、サウンドを含める(Include)・除外する(Exclude)ための、もう1つの早くて簡単な方法は、ゲームシンク(Game syncs)を利用することです。あるSoundBankに、イベントやサウンド構造を追加すると、これに関連するゲームシンクのリストが、SoundBank Editorの、Game Syncsタブに自動的に表示されます。ゲームシンクを除外することで、SoundBankの特定エレメントを除外できます。SoundBankからゲームシンクを1つ除外すると、そのゲームシンクをレファレンス(Reference / 参照)する全てのオブジェクト構造(Object structures)やメディアファイル(Media files)も、同時に除外されます。
ゲームシンクへの関連性に基づいて、サウンドを含めたり除外したりすることで、ゲームの各ポイントで、どのサウンドをロードするのかを、より細かく設定できます。つまり、ゲームのプラットフォーム側のメモリ制限に、効率的に対応できます。
注釈 | |
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Game Parameterや引数は、SoundBankのプロジェクトエレメントを除外するために利用できないので、SoundBank Editorの、Game Syncsタブのリストに、これらは表示されません。 |
例えば、3つのゾーンから成り立つ、小規模なゲームの場合を考えます。ゲームが完了するまでに、メインキャラクターは第1〜3のゾーン(Zones)を歩いて通る必要があります。Wwiseで、メインキャラクターの足音(Footsteps)サウンドをSwitch Containerで切り替えます。キャラクターが歩いて通る地面や床の素材(Ground materials)として、以下の4種類のSwitch(Switches)を作成します。
Carpet
Tile
Wood
Water
ゲーム中にSwitch「Water」が使われるのは、Zone 2とZone 3だけで、他の3種類のSwitchは、3つの全てのゾーンで使われるとします。SoundBankはゾーンごとに1つずつ定義したため、3つあります。Switch ContainerはどのSoundBankにも含める(Include)必要がありますが、Zone 1のSoundBankからは、水(Water)関連のイベント、サウンド構造、そしてメディアファイルを全て、除外します。手順としては、Zone 1用のSoundBankをロードしてから、Game Syncsタブに切り替えて、Switch「Water」の選択を外します。
これで、SoundBank「Zone1(ゾーン1)」から、水(Water)関連のサウンド構造やメディアファイルが除外されます。Editタブに切り替えると、このSwitch「Water」をレファレンスする全てのサウンド構造、イベント、メディアファイルが、このSoundBankに含まれないようになっています。
また、ゲームシンクを除外設定した定義ファイル(Definition file)をインポートすると、SoundBankからゲームシンクが自動的に除外されます。定義ファイルの使い方については「定義ファイルのインポートにより、SoundBankを作成して中身を入れる」を参照してください。
注釈 | |
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Editタブに表示されるプロジェクトエレメントやメディアファイルの中には、マニュアル操作で除外する前からグレーアウト(灰色表示)になっているものがあるかもしれません。これは、SoundBankに追加したSwitch Containerの中に、Switchにアサインされていないオブジェクトがあるためです。このようなオブジェクトはゲームで再生されることがないので、SoundBankから自動的に除外されます。 |
ゲームシンクを利用して、SoundBankからプロジェクトエレメントを除外するには:
SoundBank Editorに、SoundBankを1つロードする。
Game Syncsタブに切り替える。
Addタブにある各種イベントやオブジェクトに関連する、全てのゲームシンクのリストが、表示される。
SoundBankから除外するゲームシンクを見つけ、該当するチェックボックスの選択を外す。
このゲームシンクと、関連する全てのオブジェクトやメディアファイルが、SoundBankから除外される。
上記3を繰り返して、SoundBankから除外したいゲームシンクを全て、除外する。