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音場としてのアンビソニックス

アンビソニックサウンドは録音されたものも合成のものも、アンビエントサウンドの実装に大変適しています。高次アンビソニックスはゲームの中間的スペーシャル表現として使用されることが多いものの、一般的にアンビエントサウンドは低次アンビソニックスで充分です。

3Dスペーシャリゼーションの音場としてアンビソニックスを使用すると、スプレッドをデフォルトの0%のままにしてある場合は、ほかのマルチチャンネルフォーマットと同様にモノラル点音源に縮退されます。音場に完全に囲まれた状態にするにはサウンドオブジェクトに適切なアテニュエーションシェアセットを追加し、スプレッドを100%に設定する必要があります。

アンビソニックスで、ダイナミックなアンビエンスを実現 」で説明されているようにスプレッドを100%に設定して3D Spatializationを Position + Orientation に設定すると、アンビソニック音場はエミッタとリスナーのゲームオブジェクトの相対的な方向に基づいて回転され、この音場が世界に連結しているような印象となります。

アンビソニックスはリスナーに向かう波面を表しているため、音場を構成する音源は常に 離れて います。このためこの表現方法を使用して音場の内側を 表現する ことは困難です。ただしスプレッドは音場を出入りする様子を真似るために役立ちます。100%未満のスプレッドはエミッタゲームオブジェクトに向けて音場を集約させる効果があり、これは 「Spreadの効果」 で詳しく説明されています。Wwiseのスペーシャルオーディオのルームはこの効果を利用してルームトーンやリバーブを処理します( ルームトーン 参照):

  • リスナーがルーム内にいる時はスプレッドが100%に近く、ルームトーンやリバーブバスは音場の回転ごとのルームの方向に連動しています。

  • リスナーがルーム外にいる時はルームのゲームオブジェクトが最寄りのポータルに配置され、スプレッドは50%未満となりポータルの開口に依存します。このため音場はルームの方向に基づいて回転しながら、ポータル位置に向かって収縮されます。リスナーが歩いて去っていくにつれ音場はさらに収縮され、ポータル位置において点音源となります。


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