バージョン
すでにお気付きでしょうが、Wwiseのサウンド制作や統合へのアプローチは他のサウンドエンジンと異なります。サウンドデザイナーのコントロール範囲を広げ、これまで主に開発者が担当した、時間のかかる繰り返しの作業を最小限に減らしたことで、サウンドデザイナーも開発者も、よりクリエイティブでおもしろい作業に集中できるようになります。依存関係がほぼ排除され、どちらも得意とする分野に専念し、より効率的な共同作業ができます。Wwiseはサウンドデザイナーやオーディオプログラマーの異なる役割と、それぞれのタスクを認識した製品です。
サウンドデザイナーは、下記のタスクを担当します。
オーディオ階層や動作の作成。
オーディオイベントの作成。
ゲームのワールドビルディングアプリケーションへの、オーディオイベントの統合。
サウンドプロパティやソースの設定。
サウンドのポジショニング(3D)の定義。
全サウンドのオーディオシグナルルーティングとミキシングの設定。
RTPCやゲームステートの割り当て。
ゲーム内の様々な環境における、エフェクトのプロパティセットの設定。
ボリュームや、LPFのオブストラクション・オクルージョンプロパティの設定。
サウンドバンクの管理と最適化。
複数プラットフォームに対応するためのカスタマイズ。
他言語へのローカリゼーション。
オーディオプログラマーは、下記のタスクを担当します。
ゲームエンジンに、Wwiseサウンドエンジンを統合。
コードを使い、オーディオイベントを統合。
ゲームのサウンドを出すゲームオブジェクトの登録。
1つ以上のオーディオアクションを含むイベントをトリガーさせる、AK::SoundEngine::PostEvent()メソッドの呼び出し。
サウンドデザイナーやゲームの指示に従い、サウンドバンクの定義(definition)ファイルやファイルパッケージャユーティリティを使用して、サウンドバンクのロードとアンロードを実行。
リスナーの座標システムに対する3Dゲームオブジェクトのポジション設定。
ステートやスイッチの変更のトリガー実行と、RTPCの更新。
ゲームのサウンドに適用される環境エフェクト率(%)の設定。
リスナーに対するゲームオブジェクトのオブストラクション値やオクルージョン値の算出。
サウンドバンクのロード・アンロード、ストリーミング処理、プラグイン登録など、メモリーリソースの管理。
ソースプラグインやエフェクトプラグインの作成。サウンドエンジンのプラグインアーキテクチャにより、ゲームの独自要件に合わせてWwiseの機能を拡張可能。
開発ツールへのWwise Authoring APIの統合。
プロジェクトを開始するにあたり、オーディオプログラマーとサウンドデザイナーが協力して、ゲームタイトルのオーディオに割り当てられる様々なリソースについて確認して下さい。リソースとは、メモリ、ディスクスペース、ストリーム数、サウンドバンクのサイズなどを指します。
デザイナーと開発者は、ゲームのデザインや技術的な制約を考慮した上で、下記の項目を協議して決めて下さい。
ゲームエンジンにイベントを統合し、トリガーさせる方法。
プロジェクト階層と、チーム作業のためのワークユニット。
プレイヤーの視野とリスナーの位置。
サウンドバンクのロード・アンロード戦略。
音楽の統合方法とインタラクティブミュージック独特の要件。
RTPCとして採用するゲームパラメータの選定。
ミックスやステートのメカニズムをドライブする、ゲーム内のグローバルエレメントの選定。
スイッチメカニズムを使うサウンド構成の選定。