menu
 
バージョン
2019.2.15.7667

2024.1.4.8780

2023.1.12.8706

2022.1.18.8567

2021.1.14.8108

2019.2.15.7667

2019.1.11.7296

2018.1.11.6987

2017.2.10.6745

2017.1.9.6501

2016.2.6.6153

2015.1.9.5624


menu_open

Positioning タブ: Actor-Mixerオブジェクト、Interactive Musicオブジェクト

Positioningタブで、音がゲーム中にどのように伝搬するのかを設定します。音の伝搬は、ポジショニングの種類で変わります。Wwiseでは、スピーカーパンニング、または3Dスペーシャリゼーションを使えます。この2種類のポジショニング設定の主な違いは、ソースチャンネルのアウトプットスピーカーへのマッピング方式です。デフォルトで、パンニングした音のソースチャンネルは互いにリンクし、リスナーやゲームオブジェクトの位置や向きにかかわらず、フロントのLとRのスピーカーから再生されます。ただし、Speaker Pannerを使い各チャンネルのボリュームバランスを調節して、音が異なるスピーカーから聞こえてくるようにすることができます。

3Dスペーシャリゼーションの音は、どのインプットチャンネルを、サラウンド環境のどのスピーカーにアウトプットするのかを自由に設定できるので、リスナーとの関係に応じたサウンドの動きを簡単にシミュレーションできます。3Dスペーシャリゼーションの音は、スペーシャリゼーションをWwiseで事前に設定できるほか、ゲームオブジェクトのゲーム中の実際のポジションを利用することもできます。

3Dスペーシャリゼーションは、リスナーに対するエミッタの位置に依存します。このため3Dスペーシャリゼーションが起きるには、エミッタとリスナーの両ゲームオブジェクトが別々である必要があります。WwiseプロジェクトのActor-Mixer Hierarchyのオブジェクトは、ゲームがEventsをポストしたときに、そのオブジェクトのエミッタに関連付けられます。WwiseオブジェクトのListener Relative Routingオプションを有効にすると、オブジェクトのアウトプットバスは、代わりにリスナーに関連付けられます。通常、Listener Relative RoutingオプションをActor-Mixer Hierarchyで有効にするので、その次にくるバスはリスナーに関連付けられます。ちなみに、3Dスペーシャリゼーションを実行できるのは、WwiseオブジェクトのListener Relative Routingを有効にしたときだけで、その理由は、エミッタに関連付けられたオブジェクトが、リスナーに関連付けられたバスにミックスされていくときに実行されるからです。

info 注釈

Listener Relative Routingを、Actor-Mixer Hierarchyのサウンドやその他のオブジェクトに関して、例え3Dスペーシャリゼーションを利用していなくても有効にすべきです。さもなければアウトプットバスがリスナーではなくエミッタに関連付けられ、バスの個別のインスタンスが発生してしまいます。

エミッタとリスナーのゲームオブジェクトの間の距離に基づき、サウンドに距離減衰を適用し、さらにこの設定をAttenuation ShareSetとしてWwise内のほかの多数のオブジェクトで共有することもできます。

ゲームコントローラーなど、高度でないデバイスでは、モーターを使った3D環境のシミュレーションができないため、ポジショニング(Positioning)は問題となりません。ただし、減衰を利用して、プレイヤーから離れるモーション信号の強度を徐々に減らすことはできます。

info 注釈

バスのポジショニングは、バスを通る全てのオブジェクトへの影響を考慮しないといけませんが、バスのPositioningタブはActor-MixerやInteractive MusicのオブジェクトのPositioningタブとほぼ同じです。唯一、Override parentオプションだけが適用されません。

General

項目

内容

Inclusion

このオブジェクトが含まれるのかどうかを示す。選択すると、このオブジェクトが含まれる。選択しないと、含まれないことを示す。 デフォルトでは全プラットフォームに適用する。プラットフォーム別のカスタマイゼーションの指定や設定を行う場合は、 Linkインジケータ (チェックボックス左)を使う。

チェックなしの場合は、Property Editorのプロパティや動作を設定できない。

Default value: true

[name]

オブジェクト名。

Notes

このオブジェクトのプロパティについての、追加情報。

オブジェクトのMute(ミュート)、Solo(ソロ)の設定ボタンであり、オブジェクトに自動的に設定されているミュートやソロの状態を示す。

オブジェクトをミュートにすると、現在のモニターセッションにおいて、このオブジェクトの音がミュートされる。オブジェクトをソロにすると、プロジェクト内の他のオブジェクトが全て、ミュートされる。

ミュートやソロを示すMSが太文字であれば、このオブジェクトが意図的にミュートされた、またはソロにされたことを示す。太文字でない、薄いMSの表示は、このオブジェクトのミュート状態やソロ状態が、他のオブジェクトの状態に関連して自動的に決まったことを示す。

あるオブジェクトをミュートすると、その下位オブジェクトが自動的にミュートされる。

オブジェクトをソロにすると、その同位にある他のオブジェクトが自動的にミュートされ、下位オブジェクトや上位オブジェクトが自動的にソロにされる。

check_circle ヒント

Ctrlキーを押しながらSボタンをクリックすると、このソロボタンに関連付いている1つのオブジェクトだけが、ソロになる。

info 注釈

ミュートやソロの機能は、モニタリング目的のために提供されるもので、プロジェクト内で維持されず、SoundBankにも保存されない。

Property Editorで選択中のタブの、表示方法を設定する。デフォルトで、1つのパネルに、選択中のタブが1つだけ表示される。スピリッターボタンをクリックすると、パネルが左右または上下に2分割され、2つの異なるタブが表示される。現在選択中のオプションが、バックグランドカラーを入れてハイライトされる。

info 注釈

同じタブを2つのパネルに表示させることはできない。すでに選択中のタブを、もう1つのパネルでも選択すると、他方のパネルに自動的に別のタブが表示される。

check_circle タブ選択のショートカット

Ctrlと、希望するProperty Editorタブの番号に相当する数を、押します。例えばRTPCタブが表示中の4番目のタブであれば、Ctrl+4で選択できます。

Positioning

項目

内容

Center %

センタースピーカーで再生するボリュームの量または率。

  • Direct Assignmentを使ったスピーカーパンニングでは、Center %値が適用されるのは、センターチャンネルのあるバスにアウトプットされるモノオブジェクトだけである。Actor-Mixerオブジェクトがモノになるのは、基となるソースファイルまたはプラグインがモノのときである。Master-Mixerオブジェクト(バス)がモノになるのは、Channel Configurationが1.0に設定されているときである。
  • Balance-Fadeを適用したスピーカーパンニングでは、Center %値は、センターチャンネルのあるアウトプット(モノ、3.0、5.1、7.1など)だけに適用する。
  • 3D spatializationでも、Center %値は、センターチャンネルのあるアウトプットだけに適用するが、さらに、信号をセンターチャンネルに送信する設定となっている必要がある。
check_circle ヒント

Center %の使い方については センタースピーカーの、オーディオ信号のルーティング を参照。

Default value: 0
Range: 0 to 100

Speaker Panning

Balance - Fadeに設定すると、2.0から7.1までのオーディオバスの、どのスピーカーからもサウンドが聞こえるように、各チャンネルのボリュームつまり強度のバランスを調整できる。デフォルトのDirect Assignment設定は、マッピング先を、FLはFL内、FRはFR内、等とする。

パンナーは、ソース内のチャンネル数とは独立して機能する。

info 注釈

Pannerは、アンビソニックサウンドに全く影響しない。

Default value: Direct Assignment

Speaker Pannerが開く。

Listener Relative Routing

これを有効にすると、このWwiseオブジェクトにおけるエミッタとリスナーの関係が検証されます。エミッタとリスナーの関係を検証することはActor-Mixer Hierarchyのオブジェクトでほぼ必ず必要で、その理由は、Actor-Mixerがエミッタと関連付けられている一方、バスは一般的にリスナーと関連付けられているからです。

バスの場合、Listener Relative Routingが適しているのは、このバスがもたらすサブミックスが独立したエミッタを表し、そのポジションをゲームによって明確に決め、リスナーに対する3Dスペーシャリゼーションを実行する必要があるときだけです。代表的なユースケースとして、Wwise Spatial AudioによってRoomsに関連付けられるAuxiliary Bussesや、Wwise Reflectプラグインをホストするアーリーリフレクションのバスなどがあります。

ポジショニングタイプに関係なく、あなたのシグナルチェーンにある少なくとも1つのオブジェクトに対して、Listener Relative Routingを有効にする必要がありますが、その逆の場合は、ミキシンググラフ(つまりバスや、そのEffects)が完全に重複してしまいます。CPUをより多く使う以外に、コンプレッサなどのバスインサートのEffectsの大半は、意図通りに機能しません。

エミッタとリスナーの関係の評価は、ゲームオブジェクトで決まる3Dポジショニングを実行するためにも、必ず必要です(減衰、スペーシャリゼーション)。

3D Spatialization

チェックを入れると、ソースのポジショニングを計算して、3D環境を移動する様子がシミュレーションされる。Position、またはPosition + Orientationを設定すると、サラウンド環境において、サウンドが特定のスピーカーから聞こえることで、ソースの動きが表現される。Position + Orientationの場合、エミッターとリスナーの相対的な向き(orientation)に応じて、そのサウンドのマルチチャンネルコンテンツも回る。Orientationの影響が出るのは、インプットファイルがマルチチャンネルで、スプレッドが0より大きい場合に限る。

Noneに設定すると、ソースはSpeaker Panning設定に従いパンニングされる。

Default value: None

Speaker Panning / 3D Spatialization Mix

Speaker Panningと3D Spatializationの間で、クロスフェードを適用する。スペーシャリゼーションがNone以外のときに、設定可能。

Default value: 100
Range: 0 to 100

Enable Attenuation

これを設定すると、指定したAttenuation ShareSetの減衰カーブが適用される。このプロパティにRTPCを追加し、減衰カーブの適用をランタイムに有効にしたり無効にしたりできる。

Default value: true

(Selector)

このオブジェクトに適用できる減衰インスタンスのリスト。

減衰インスタンスを削除するには、Noneオプションを選択する。

「Attenuation Editor」が開き、選択した減衰インスタンスの距離に基づく減衰を設定できる。

ShareSetを使う場合、この減衰設定を変更すると、このShareSetを使用する全てのオブジェクトにも変更が適用される。

Mode

減衰インスタンスがカスタムインスタンスか、プロジェクト内の複数のオブジェクトがシェアするものかを、指定する。選択できる2種類のモードを以下に示す。

  • Define custom: そのプロパティを複数のオブジェクトがシェアすることのない、減衰のカスタムインスタンスを作成する。

  • Use ShareSet: ある減衰のShareSetを使用することで、減衰プロパティを複数のオブジェクトがシェアできる。

選択中のShareSetを、Project ExplorerのShareSetsタブに表示する。

Position
ポジション

3D Position

3Dポジショニング(減衰、スペーシャリゼーション)のためにポジショニングを計算する方法の設定。

  • Emitter: ゲームによって決まるポジショニング。
  • Emitter + Automation: エミッターのゲームオブジェクト周りで、User-Definedの自動ポジショニング。 Automation… ボタンを使って編集。
  • Listener + Automation: リスナーのゲームオブジェクト周りで、User-Definedの自動ポジショニング。Automation… ボタンを使って編集。

Default value: Emitter

「Position Editor (3D Automation)」が開き、アニメーションパスを使い、オブジェクトのスペーシャルポジションをサラウンド環境に設定できる。

Hold Listener Orientation

アニメーションパスのポジションが、リスナーの向き(orientation)に固定されているのかどうか。

このオプションを選択しないと、パスもリスナーに合わせて動く。つまり、リスナーの向きに関わらず、サウンドが常に同じスピーカーから聞こえてくる。選択すると、リスナーがパスから独立して動く。つまり、リスナーが向きを変えると、サウンドが違うスピーカーから聞こえてくる。

例えば、ゲームのリスナー周りで、場所が固定されない鳥サウンドを自動的につくる場合を考える。さらに、そのワンポイント(1点)パスがフロントライトの象限にあるとする。この場合、リスナーがゲーム中に向きを変えると以下が起きる。

  • Hold Listener Orientation (OFF) - 鳥サウンドが、常にフロントライトスピーカーから聞こえる。
  • Hold Listener Orientation (ON) - 鳥サウンドが出るスピーカーが、変化する。

本オプションは、場所が固定されないアンビエントサウンドに適している。

リスナーというコンセプトがWwiseオーサリングアプリケーションに組み込まれていないため、本オプションはゲーム中にしかテストできない。

Default value: false

Hold Emitter Position and Orientation

有効にすると、サウンドの再生開始の瞬間のゲームオブジェクトのポジションとオリエンテーションが保存され、サウンドが終わるまで、それをもとにポジショニングが決まる。

Default value: false

Enable Diffraction

Spatial Audioで、音の回折(diffraction)や透過(transmission)の処理を有効にする。

バーチャル環境の中で、回折は音が障害物を回り込む音の現象をシミュレーションし、透過は音が障害物を透過するのをシミュレーションする。障害物は、ルームやポータルやジオメトリで定義され、これらはAPI経由でゲームからSpatial Audioに渡される。障害物を回り込む音は回折の対象となり、障害物を透過する音は透過損失の対象となるが、どちらも音のボリュームやフィルターに影響を与える。

回折や透過をシミュレーションするためには、まずゲームがレベルのジオメトリ、ルーム、ポータルを定義し、それをWwise Spatial Audioに送る必要がある。

音の回折と透過を有効にすると、Wwise Spatial Audioで以下が行われる:

  • エミッターとリスナーの間で、音のダイレクトパスまたは透過パスを1つと、0または1個以上の回折パスで編成された音のパスが、計算される。
  • 音のダイレクトパスまたは透過パスの、透過損失の係数(0%~100%)が計算される。透過損失は、その音が通るルームやジオメトリによって決まる。
  • WwiseのProject Settingsで定義した occlusion カーブに基づいて、透過損失の係数(%)がボリューム値、ローパスフィルター値、ハイパスフィルター値に変換される。対応する減衰とフィルターが、音に適用される。
  • 回折係数(0%~100%)は、回折パス内の角度の合計に基づいて計算される。直線のパスの回折は0%となり、180度以上の角度で曲がるパスの回折は100%とみなす。
  • WwiseのProject Settingsで定義した obstruction カーブに基づいて、回折の係数(%)がボリューム値、ローパスフィルター値、ハイパスフィルター値に変換される。対応する減衰とフィルターが、音に適用される。
  • 回折パスでは音とリスナーの見かけの位置関係を計算して仮想ポジションを作成することで、リスナーは、音が角の向こう側から、またはポータルを通して、伝播しているような印象を受ける。
info 注釈

ユーザーはGame Object 3D Viewerで、Wwise Spatial Audio内の様子、例えばレベルのジオメトリ、ポータル、そして音の回折パスや結果的なバーチャルポジションなどを、見ることができる。

info 注釈

回折や透過を有効にするには、Wwise Spatial Audioライブラリを初期化し、ゲームがWwise Spatial Audioに対してレベルのジオメトリ、またはルームやポータルを送信する必要がある。

Default value: false

Override parent

ポジショニング設定や減衰設定について、親の設定を継承するのか、階層内の現在のレベルで定義するのかを示す。チェックされていない場合は、ポジショニングの項目を設定できない。

このオブジェクトが最上位オブジェクトの場合は、本オプションを選択できない。

Default value: false


このページはお役に立ちましたか?

サポートは必要ですか?

ご質問や問題、ご不明点はございますか?お気軽にお問い合わせください。

サポートページをご確認ください

あなたのプロジェクトについて教えてください。ご不明な点はありませんか。

プロジェクトを登録していただくことで、ご利用開始のサポートをいたします。

Wwiseからはじめよう