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Wwiseピッチシフター(Wwise Pitch Shifter)

Wwise Pitch Shifter プラグインを使用すると、オーディオ信号のデュレーションを変えずにピッチを変更することができます。ポリフォニック信号(すなわち、音声のみではない信号など)とともに使用可能で、上下にピッチシフトをすることができます。また、ドライ信号が完全に減衰されない場合にハーモナイザーとして使用することも可能です(ただし、この場合には、「Wwiseハーモナイザー(Wwise Harmonizer)」 のほうが推奨されるソリューションです)。

ディレイタイムの選択

ディレイタイム(遅延時間)パラメータを選択すると、アルゴリズムを使用して聞くことのできるアーティファクトの性質が決定されます。短いディレイ値は、振幅変調アーティファクトにつながる可能性がありますが、別個のエコー問題は避けることができます。一方、大きなディレイ値を使用すると、振幅変調の問題を避けることができ、モノフォニック信号に対するドライ信号の場合と比べて、インターバルサウンドをより調和のあるものにすることができます。ただし、別個のエコーが聴こえます。推奨: 正しいピッチのサウンド(つまり、ハーモナイズされていないサウンド)では、通常、10ms から 100 ms の範囲を推奨します。これらのケースでは、オリジナルの(ドライ)信号基準が存在しないため、エコーが許容され、ハイピッチの分解能は不要です。

理想的なディレイタイムは、オーディンコンテンツに依存しています。過渡信号(例えば、パンチ、ドラム、爆発など)には、小さめのディレイタイム設定が適していますが、より安定した周波数成分を持つ高調波信号(例えば、音声、楽器等)には、より正確な周波数分解能を提供する大きなディレイタイムのほうが適しています。

Wwiseピッチシフター(Pitch Shifter)のプロパティ

Wwise Pitch Shifter プラグインには、 一連のプロパティが含まれますが、これらのプロパティの多くはリアルタイムでの編集が可能で、RTPCを使用して特定のGame Parameterにマッピングすることができます。

項目

内容

Inclusion

このオブジェクトが含まれるのかどうかを示す。選択すると、このオブジェクトが含まれる。選択しないと、含まれないことを示す。 デフォルトでは全プラットフォームに適用します。 プラットフォーム専用のカスタマイゼーションを設定したり決定するにはLink indicator (チェックボックス左側)を使います。

チェックなしの場合は、Property Editorのプロパティや動作を設定できない。

Name

エフェクトインスタンスの名前。

エフェクトインスタンスは、エフェクトのプロパティ設定をまとめたものである。カスタムインスタンスとShareSetの2つのタイプがある。カスタムインスタンスは1つのオブジェクトだけに使用できるのに対し、ShareSetは複数のオブジェクト間で共有できる。

Effect

エフェクトのタイプ。

Shared by (Used by)

選択されているShareSetに現在サブスクライブされているオブジェクトのリスト。

エフェクトのカスタムインスタンスを編集している場合は、このフィールドが"Used by"となる。

検索フィールドが開き、標準的な英数字の検索によってマッチしない項目がビューで非表示となる。詳しくは「表の使用」を参照。

検索フィールドを閉じて検索フィルタを解除するには、Searchアイコン左のCloseアイコンをクリックする。

[注記] 注記

「List View」「Query Editor」「MIDI Keymap Editor」「Referenceビュー」で、ノードが閉じて非表示となっている項目は検索対象とならない。

エフェクトのプロパティ設定をデフォルト値に戻す。

エフェクトのカスタムインスタンスを編集している場合のみこのオプションが使用可能。

Notes

エフェクトに関する追加情報。

エフェクト設定

Input

このパラメータは、ピッチシフターに処理されるチャンネルを決定します。

値:

  • As Input: 全ての入力チャンネルが処理されます(デフォルト)。

  • Mono/Center: センターチャンネルのみが処理されます。モノラル信号も処理されます。

  • Stereo: フロント レフト/ライト スピーカーのみが処理されます。

  • L/R/C: 全てのフロントスピーカーが処理されます。センターがある場合は、センターも処理されます。

  • L/R/Ls/Rs: フロントとリアのステレオペアが処理されます。

  • L/R/C/Ls/Rs: 全てのフルバンドチャンネルが処理されます。

Process LFE

このパラメータは、LFEチャンネルがピッチシフターに処理されるかどうかを決定します。

デフォルト値: False

Delay Time

ディレイタイム(遅延時間)を大きくすると、振幅変調アーチファクトが減少しますが、明瞭なエコーを作成することができます。このパラメターの値を選択する方法についての詳細は、上記セクションをご覧ください。

デフォルト値: 50
Range: 10 から 400
単位: ミリ秒

Delay Dry
ディレイ ドライ

転置信号(ウェットパス)との同期を維持するためにドライ信号を遅らせるかどうかを決定します。

デフォルト値: False

[注記] 注記

ピッチシフターがAuxバスで使用されている場合、このプロパティは影響を持ちません。この場合、ドライ信号はAuxバスに送信するオブジェクトにより定義されます。

Pitch Shift
ピッチシフト

このパラメータ(セント単位)で指定した量だけピッチが上昇または下降します。つまり、+1200 セントは1オクターブ上、-1200セントは1オクターブ下に、転置されます。 この値は、RTPCをサポートしており、追加的なアーチファクトなしに再生中にスムーズに変更することができます。

デフォルト値: 0
Range: -2400 から +2400
単位: セント(Cents)

フィルタパラメータ

Type

転置(ウェット)信号に適用可能なフィルタリングのタイプを決定します。以下のようなフィルタが利用可能です:

  • None(なし)フィルタを無効化。

  • Low Pass : 指定された周波数から高周波数の固定傾斜減衰を提供します。これ以下では、信号はほとんど影響を受けませんが、より高い周波数は、カットオフ周波数点を超えると次第に減衰されます。

  • High Pass : 指定された周波数から低周波数の固定傾斜減衰を提供します。これ以上では、信号はほとんど影響を受けませんが、より低い周波数は、カットオフ周波数点を下回ると次第に減衰されます。

  • Band Pass: 指定された中心周波数の周りの全ての周波数を除去します。中心付近の周波数範囲はQによって制御されます。

  • Notch: 指定周波数範囲の固定減衰に幅変化を提供します。中心付近の周波数範囲はQによって制御されます。

  • Low Shelf: 低周波数の指定範囲にゲイン/減衰を提供します。この曲線タイプは、Bass Tone Controlとしても知られています。

  • High Shelf: 高周波数の指定範囲にゲイン/減衰を提供します。この曲線タイプは、Treble Tone Controlとしても知られています。

  • Peaking: 指定周波数の増幅/減衰に幅変化を提供します。ピーク付近の周波数範囲はQによって制御されます。

Gain
ゲイン

選択された周波数帯域の転置(ウェット)信号の増幅量。この値を大きくすると、オーディオ信号が「ブースト」されます。この値を小さくすると、オーディオ信号が「カット」、つまり減衰されます。

デフォルト値: 0
Range: -24 から+24
単位: デシベル(dB)

[注記] 注記

ローパス、ハイパス、ノッチおよびバンドパスカーブが選択されている場合、これらのフィルタタイプはパスバンドを0dBに正規化しているため、ゲインコントロールは使用できません。

Frequency

ゲインの影響を受ける周波数スペクトルの部分。

Range: 20 から 20,000
単位: Hz(ヘルツ)

Q

ゲインの変化に影響を受ける中心周波数の周りの領域。低いQ値は、帯域範囲が広くなることを意味し、逆に高いQ値は、帯域範囲が狭くなることを意味します。

デフォルト値: 1.0
Range: 0.1 から 20

ローパス、ハイパス、ローシェルフおよびハイシェルフカーブが選択されている場合、このコントロールは使用できません。

Output Levels
出力レベル

Dry level
ドライレベル

未処理の信号に適用されるゲイン。

[注記] 注記

ピッチシフターがAuxバスで使用されている場合、このプロパティは影響を持ちません。この場合、ドライ信号はAuxバスに送信するオブジェクトにより定義されます。

デフォルト値: -96
Range: -96 から 24
単位: デシベル(dB)

Wet level
ウェットレベル

転置(ウェット)信号に適用されるゲイン。

デフォルト値: 0
Range: -96 から 24
単位: デシベル(dB)


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