バージョン
Wwiseのオブジェクトを、階層を使って整理できるほか、Switchを利用して、サウンドオブジェクト、ミュージックオブジェクト、モーションオブジェクトを効率的に整理することも可能です。 Switchは、ゲームの特定エレメントに対して存在する全ての選択肢を表し、それぞれの選択肢に対応するオブジェクトを管理するために使います。ゲームのエレメントに対して設定できる選択肢の数は、メインキャラクターが使うウェポンの種類や、様々な天候などに合わせて、決められます。選択候補となるオブジェクトを特定のSwitchにアサインして、ゲーム中に有効化されたSwitchに使い、これらのオブジェクトを再生します。
ランタイムの多様な選択肢を、Switch機能を使って簡単に管理するのに適したゲームの状況やエレメントは多数あり、そのいくつかを以下に紹介します。
室内状況、地面の種類、屋内外の違いなど、ゲーム設定: 例えば、床板、草、砂利など地面の種類に合わせて、Switchを作成。
ゲームのキャラクター: 例えば、男性キャラクター、または女性キャラクターの、ダイアログ用のSwitchを作成。
天候条件: 例えば、暴風雨、吹雪、しとしと雨、晴天などの、Switchを作成。
悪の世界や、妖精の世界など、ゲーム空間: 例えば、それぞれのワールドに関連する、様々なサウンドのSwitchを作成。
ウェポン: 例えば、ゲームの各種銃器や、レーザービーム、剣など、様々な発火パターンに合わせたSwitchを作成。
どの事例の場合も、まずSwitchを作成してから、それに対応するオブジェクトをアサインします。Switchにアサインしたオブジェクトは、まとめてSwitch Containerに入れます。イベントまたはGame Parameter値によって変化が通知されると、Switch ContainerがSwitchを検証し、正しいオブジェクトが再生されます。
例えば、ファーストパーソンシューティングゲームで、メインキャラクターが次々と変わる環境を歩いて通る状況を考えます。環境に応じて地面も変化するので、コンクリート、芝生、土などの地面素材によって足音も変えます。この場合、それぞれの地面素材に対してSwitchを作成し、各Switchに様々な足音サウンドをアサインします。メインキャラクターがコンクリート面を歩くと「Concrete(コンクリート)」Switchが有効になり、該当するサウンドが再生されます。続いてコンクリート面から芝生面に移動した場合は、「Grass(芝生)」Switchが有効になり、該当するサウンドが再生されます。
下図は、有効になったSwitchによって、再生する足音サウンドが決まる様子を示しています。