LoadBank()メカニズムの欠点を一部、解消するために、バンクをロードせずに、AkBankContent_All()を使って、SoundBankをプリペア(Prepare / 用意)できます。この方式では、各SoundBankに様々な種類のコンテンツ(イベント、構造データ、メディアファイル)が入っていても、メディアファイルをそのままロードせず、「プリペアイベント(Prepare Event / イベントの用意)」メカニズムを使い全てのメディアをメモリにロードします。このメカニズムでメディアをロードする時、Wwiseはまず、各メディアファイルが既にメモリに存在するかどうかを調べてから、ロードします。メモリに同じメディアファイルがロードされることを防ぎ、メモリ使用率を最小限に抑えます。
この方式を使うと、メモリを節約できるほか、ディスクアクセスが、必ず順番に行われます。PrepareEvent()を使ってイベントを1つずつプリペア(用意)すると、ランダムなディスクシークが発生する可能性が高くなりますが、これを回避できます。
「プリペアバンク(全コンテンツ)」のメカニズムを使って、プラットフォームメモリにメタデータやコンテンツをロードする様子を、下図に示します。
SoundBankにVorbis暗号化データをロードする時にPreparation_LoadAndDecodeのプリペアタイプを使えばこれらのメディアファイルを圧縮されていないPCMファイルに解凍できます。その結果SoundBankのサイズが大きくなりますが、イベントがメディアをコールした時に解凍せずにすぐに利用できます。