バージョン
様々なゲーム要件に柔軟に対応するために、Wwiseではゲームのサウンドバンク管理に、新たな考え方を導入しました。従来の方法(後述)で提供する利便性を維持したまま、ゲームの要件管理を改善するために、コントロール範囲と柔軟性を広げました。
この新しいアプローチは従来の方法に比べ、主に以下の3つの改善点があります。
イベント以外にも、構成されたコンテンツ(サウンド、コンテナ、アクターミキサーなど)、ワークユニット、フォルダをサウンドバンクに入れることが可能。
サウンドバンクに入れる情報の種類を限定できる。サウンドバンクにメディア、構成データ、イベントコンテンツのうち1種類だけを入れることも、組み合わせていれることも可能。例えば、特定のイベントに関連するメディアのみを入れたサウンドバンクを作成することもできる。
サウンドバンクに特定のアイテムを入れたり削除することが可能。
この新しいアプローチの最大のメリットは、メディアコンテンツを複数のメモリバンクに分けられることです。例えば、ゲーム全体の音楽を1つのイベントでスタートさせるとします。従来の方式では、このイベントをバンクに追加すると、対応するメモリ内サウンドやプレフェッチ用のメディアが自動的に追加され、ゲームの最後だけに再生される歌のプレフェッチ部分まで含まれてしまいます。この場合、ゲームの最後までメモリ内に全てのメディアが保存され続け、非常に効率が悪いことがあります。新しいアプローチでは音楽用のメディアを分割して、再生される可能性のあるサウンドのみをロードさせることができるので、メモリ管理が改善されます。
メディアを複数のバンクに分割することで、ロードするメディアの優先順位も決められます。例えば、メモリ量が制限された環境では、最も大事なメディアのみをロードします。クリティカルでないメディアは別のバンクに保存し、メモリに余裕がある場合だけロードします。これまでは、クリティカルなメディアファイルとクリティカルでないファイルを同じバンクに入れていました。このため、バンクがメモリにロードしきれない程に大きい場合はサウンドは再生されず、クリティカルなメディアも再生されない結果となりました。
サウンドバンクの生成とゲームへの実装方法はいくつかあり、それぞれの方式はWwise SDK Bank Management Samplesで詳しく説明されています。なお、同じゲームで2種類以上の方式を組み合わせて使うこともできます。ゲームによって要件が異なるので、選択する方式(単一または複数)はゲームごとに判断します。どのソリューションを選んでも機能しますが、メモリ使用量、I/Oアクセス、ゲームへの実装方法などを考慮した上で判断すると良いでしょう。それぞれに長所と短所があるので、多くの場合では、メモリ使用量と実装のしやすさのバランスをみながら選択することになります。
サウンドバンクのインテグレーションについての詳細情報