バージョン
ゲームのヒーローが勇敢に前進する時に鳴り響くラッパやファンファーレが、何時間も延々とループするブラス音では疲れてしまいます。ゲームに使われるインタラクティブでダイナミックな音楽は、それ自体が芸術作品として進化しています。シンクポイントのオーサリング、拍子記号の設定、音楽のエントリーポイントとエグジットポイントの維持といった作曲の複雑なテクニックを、オーサリングアプリケーションで実行できるようになり、ゲームという媒体専用の複雑に織り成された作品が可能となりました。このような能力が備わったアプリケーションを使いこなせば、ゲームとプレイヤーの体験をサポートするカスタム化された音楽を提供できます。
音楽システムの実装戦略を決めるにあたり最初に検討するのは、ゲーム中の感情の変化やゲームの目的に対して、適した音楽をどう組み合わせるかです。システムとは本質的に柔軟で多様なものですが、根本的な目標としてゲームとミュージックシステムをシームレスに結びつける必要があります。ミュージックシステムの方針が確立されれば、ゲームプレイをサポートする音楽について検討した上で、作曲の要素を組み合わせて、ゲーム全体を流れる感情の河を構築します。
本章では、以下の操作を説明します。
インタラクティブミュージック階層からスタートする
コンテンツの準備
縦型にレイヤーを重ねる
順番横型(sequential)のアプローチを追加する
ミュージックタイプの切り替え
インタラクティブミュージックのトランジションの定義