ゲームでは、冒険を続けるうちに道が分かれ、どちらかを選ばなければならない時が必ずやってきます。枝分かれするダイアログ計画の魅力は、プレイヤーが与えられた選択肢の中から自分で選び、会話を先に進めるところにあります。選択肢にある結果以外にも、それまでの会話で他のキャラクターに対して返答した内容を持ち越すこともできるでしょう。
Wwiseのダイナミックダイアログというシステムの中心にあるのがダイアログイベントで、どのダイアログを再生するかを決めるルールや条件のセットを提供します。ダイアログイベントによって、ゲーム内で存在する様々なシナリオ、条件、結果などを再現できます。全ての状況に対応できるように、Wwiseでデフォルト条件や予備条件を作成することも可能です。
これらの条件は全て、スイッチグループやスイッチを使って定義されます。さらに、このスイッチグループやスイッチを組み合わせて作ったスイッチグループパスが、ゲームで起きる特定の条件や結果を決めます。次にこのパスを1つずつ、Wwiseの対応するサウンドオブジェクトに結びつけます。ゲーム中にダイアログイベントが呼び出されると、ゲーム側で現在の条件をダイアログイベントの中にある複数のスイッチグループと比較します。ゲームにおける現在の条件に適合する、複数のスイッチグループパス、それぞれのパスのモード、確率、そしてウェイト付けによって、どのダイアログを再生するのか、または全く再生しないのかを決定します。
例えば、下記のダイアログイベントにはスポーツゲームの選手の名前に関連した引数が入っています。各スイッチグループのスイッチを組み合わせて、可能性のある複数のパスや条件が作られます。この例では、解説者が選手のLast name（姓）またはFull name（姓名）のどちらかを使うという設定です。
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Player Name |
Name Length |
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Tony Cross |
Full |
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John Patrick |
Last |
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Switch Group Paths |
Assigned Object |
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Cross - Full |
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Cross - Last |
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Patrick - Full |
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Patrick - Last |
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Player Name - Name Length |
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万が一、ゲームの状況に合うスイッチがないような場合のために、デフォルトまたは予備のスイッチが入ったパスを作ることもできます。予備的なパスには通常、スイッチの代わりに1つ以上のスイッチグループを入れ、一般的なサウンドオブジェクトに結びつけます。前例の場合、予備的スイッチグループパスは、プレイヤーの名前の代わりに「He（彼）」というサウンドオブジェクトに結びついています。
ダイアログイベントに対して起こりうる全ての条件を設定した後、ゲームエンジンに実装します。ゲームがダイアログイベントを呼び出すと、サウンドエンジン側で、ダイアログイベントに合う引数パスに対応するオーディオオブジェクトを返してダイアログイベントを完結させます。その後、サウンドエンジンはそのオーディオオブジェクトをダイナミックシーケンスにインサートして再生するかを判断します。オーディオオブジェクトを返す行為とオーディオオブジェクトをダイナミックシーケンスにインサートする行為の関係は、1:1とは限りません。完結したダイアログイベントで返したオーディオオブジェクトは、必要に応じて何回でもダイナミックシーケンスに入れることができます。
ゲームエンジンはダイアログイベントのイベント名を使うので、イベントを作成してゲームへのインテグレーションが済めば、イベントの中に入っているコンテンツの構築や微調整を行っても、再度インテグレーションをする必要はありません。この方法を取ることで柔軟性が大幅に広がり、引数値を自由に追加や削除し、色々なサウンドを試したとしても、追加のプログラミング作業は一切発生しません。
ダイナミックダイアログの詳細について、以下もご参照ください。
Wwise Help > ゲームとのインタラクション > ダイナミックダイアログの管理 > ダイアログイベントの活用
Wwise Help > ゲームとのインタラクション > ダイナミックダイアログの管理 > ダイナミックダイアログシステムを理解する
Wwise Help > ゲームとのインタラクション > ダイナミックダイアログの管理 > ダイアログイベントに関する、コツとベストプラクティス