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どのようなゲーム制作の現場でも、サウンドデザイナーは、サウンドスケープでどこまでを網羅し、どれだけ細かくするのかを、決断しなければなりません。グッドプラクティスとして開発の早い段階で、プロジェクトの限界とそのときの挙動を定めておけば、Wwiseは、設定された制限範囲を超えません。
制作チームが設定するプロジェクト設定に従うために、WwiseはVirtual Voice Behaviorsを使います。もしプロジェクトに設定した制限を超えた場合(ボイスインスタンス数がMax Voice Instance Limitを超えたときなど)、1つのボイスがバーチャルボイスになり、先ほどの説明のように、パフォーマンスが改善されます。
Virtual Voice Behaviorsを設定するにあたり、まず初めにProject Settingsから始めます。
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ProjectメニューでPlatform Managerを選択するか、Shift+Kを押します。
このビューで各プラットフォームのリミットやボリューム閾値を設定できます。
Platformsグループボックスに、このプロジェクトのすべてのプラットフォームと、それぞれのVolume ThresholdやMax Voice Instancesが表示されます。
これらの値を超過した場合、Wwiseはどのオーディオ構造にも定義される、Property EditorのAdvanced SettingsタブにあるVirtual Voice Behaviorsを参照します。
Volume Thresholdによって、ボイスがバーチャルになる前の最小ボリューム値が定義されます。それでは、Caveのクリスタル(結晶)に対しトリガーされるAmbient_Crystal_HumというEventを使い、これを試してみてください。

クリスタルから遠ざかって歩いて行くと、減衰カーブに従いクリスタルサウンドのボリュームが下がっていきます。ボリュームが-80より小さくなると、サウンドのVirtual Voice Behaviorsが作動するため、ボイスによるオーディオファイルの処理やリバーブの適用などは行われません。
Max Voice Instanceのリミットは、ランタイムに許容されるボイスの最大数です。ボイス数が許容値を超えると、最もプライオリティの低いボイスは、そのボイスがそれでも継続するように設定されている場合を除きバーチャルボイスに変わります。
Volume ThresholdやMax Voice Instance LimitをProject Settingsで定義したら、個別のオーディオ構造の調節を主にVirtual Voice Behaviorsを用いて操作します。Certification Runtime Performanceガイドライン(Lesson 0)に従い、Virtual Voice Project Settingsを以下のように定義してください:
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Volume Thresholdプロパティを全プラットフォームで-60に設定します。
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Max Voice Instanceプロパティを、WindowsとMacの両方で50に設定します。
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OKをクリックします。
Volume ThresholdやMax Voice Instanceのプロパティは必ず、あなたが作成するゲームの種類に合わせて設定してください。Playback Limitをオーディオ構造ごとに個別に設定することは避ける代わりに、納得できるVolume ThresholdとMax Voice Instanceの上限を設け、プライオリティ設定やVirtual Voice Behaviors設定に従い、WwiseがVoiceを管理できるような環境を整えてください。