レッスン 4
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MIDIを使うと、驚異的なスピード感と柔軟性で作曲できるので、特に複数の音楽モチーフやインストゥルメンタルテクスチャを試したい時に有効で、作曲プロセスで広く使われるツールです。30年以上も前の、当時のコンピューターでは遅すぎて直接オーディオをレコーディングしたりミキシングしたりできなかった頃から、システム要件が比較的低いという理由でコンピューターでMIDIシーケンシングが行われ、MIDIは既に作曲の現場を変え始めていました。柔軟性と小さいデータフットプリントという2つの特徴は、ビデオゲームのミュージックインテグレーションにうってつけの長所なので、MIDIで直接作業をする能力がWwiseに備わっているのも、納得できます。
MIDI方式の大きな利点は、MIDIデータに反応するサウンドの編集が大変簡単だということで、新しいオーディオファイルを再録音したりレンダリングしたりバウンスしたりする必要がありません。ランタイムのMIDIシーケンス再生中でも、微妙なレベルから非常に目立つレベルまで音の変化を適用できるので、事前に全ての音の変化をレンダリングして個別のオーディオファイルにしなくても、多数のバリエーションの可能性があります。ディスクスペースを節約できる上、ディスクからオーディオファイルをストリーミングする必要がありません。
WwiseでMIDIを使うには、多数あるMIDIシーケンシングまたはDAWのアプリケーションを使って、最初に外部でMIDIシーケンスを作成しておきます。そこから、WwiseでMIDIレコーディングをインポートしてアレンジしますが、ワークフローはオーディオ用に学習した流れと非常に似ています。次にWwiseのツールで、この無音のMIDI情報を音に変えることができます。
今回のレッスンでは、最悪で最強のモンスター大ボスにWwise Wwizardが対抗する場面用に設定した追加のミュージックプレイリストコンテナが、既にプロジェクトに入っている状態です。Bossミュージックプレイリストコンテナは単純なシーケンシャル構成で、Exploreミュージック用にあなたが作成したコンテナに似ています。DAWプロジェクトを見ると、オーディオレコーディングのトラックが複数あり、それらをバウンスして、Boss-Introと、Boss-AからBoss-Dまでの、複数のミュージックセクション用に、オーディオファイルが1つずつ用意されています。
Boss-A、Boss-C、Boss-Dの各セクションに、MIDIシーケンスをベースとしたいくつかの追加トラック(Boss Sampler、Boss Arpeggio Synth、Boss Melody Synth)があります。これらのパート用にレンダリングしたオーディオファイルをインポートする方法もありますが、ここではアプローチを変えて、WwiseにMIDIシーケンスを直接インポートして、それらをこの音楽のベースに使います。
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Lesson 4のWwiseプロジェクトを起動し、Interactive Music HierarchyのBossミュージックプレイリストコンテナを選択し展開します。
Music Playlist Editorを見ると、Bossミュージックの最初にBoss-Introミュージックセグメントが再生されて、次にBoss-A、Boss-B、Boss-C、Boss-Dのミュージックセグメントがループで再生されるのが分かります。
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Bossミュージックプレイリストコンテナを再生して、Bossミュージックに慣れてください。
アップテンポでロックスタイルのミュージックキューが流れ、ドラムやギターが多く使われています。このままでも比較的完成された音楽となっていますが、昔ながらの8-bitゲームシステムのサウンドを表現するためのシンセパートが不足しています。