レッスン 3

目次

スイッチの使用

Cubeでは、Wwizardがよく走り回り、モンスターを追いかけ、時にはモンスターから逃げていきます。多くの1人称視点のゲームでわかる通り、プレイヤーの足を見ることはありません。これは、プレイヤーの足がないことを意味しているのでしょうか?もちろん違います。プレイヤーがゲーム中に浮遊しているわけではなく、足が地面についていることを表すことができるのは、オーディオの仕事になります。これは、プレイヤーの動きに足音を付けることによって実現させることができます。

そのためには、ゲーム側からWwiseへ、プレイヤーがいつ移動しているかの情報を伝える必要があります。単純なイベントタイプのゲームコールを使って行えますが、達成する方法はいくつかあります。1つは、プレイヤーが動き出した時にゲームコールを送り、プレイヤーが止まった時に別のゲームコールを送る方法です。Cubeデモにおいては、プレイヤーの一つ一つの足音は、一つのEventとして伝えられます。もし、足音のEventが伝えられない場合、プレイヤーは動いていません。

足音のEventに、たった1つの足音を添付することは可能ですが、それよりも、複数の足音サウンドを用意して、プレイヤーが動く度にランダムに一つ選び出すようにすれば、プレイヤーがイラつくような繰り返しを防げます。前の2つのレッスンで学んだ情報を活用することにより、先ほど説明した全てを行うことができます。しかし、プレイヤーがどのような地面を歩いているかを考慮しなければなりません。CubeのWwizardは動き回り、コンクリートや、土や、金属など様々な材質の上を歩きます。もしプレイヤーが明らかに石だたみを歩いているのに、砂利を踏む靴の音が聞こえてくれば、プレイヤーはおそらくそれに気を取られてしまい、邪魔になってしまいます。地面の切り替わりに対応できるように、Wwiseで特定のパラメータを作成し、あなたがパラメータ内の選択肢を定義し、その情報を使ってゲーム内のサウンドが変わるようにすることができます。

このスイッチシステムを構成する材料を理解するために、別の例として、プレイヤーがラジオを点けて、ラジオの3つの事前に設定されたボタンで3種類の音楽を再生するようなゲームを考えます。この設定は3つのプロセスから成り立ちます。まずSwitch Groupオブジェクトでパラメータを定義し、このパラメータの選択肢をSwitchオブジェクトを使って定義し、最後に、聞かせたいサウンドを、Switch Containerオブジェクトを使ってアサインします。Switch Groupオブジェクトは、Radioと呼ぶことにします。このSwitch Groupの中に、Switchオブジェクトを3つ作成し、名前をそれぞれPreset 1、Preset 2、Preset 3とします。最後に、Switch Containerを使って選択中のプリセットで聞かせたいオーディオファイルを決めていきますが、例えばPreset 1でRock、Preset 2でJazz、Preset 3でClassicalを再生するように設定します。

それでは、この考え方に基づいてWwizardの足音を切り替えるスイッチシステムを作成してください。


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