レッスン 4
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レッスン2で追加した、地面に落ちるジェムなど、実際のゲームオブジェクトとは関連付けがされていないサウンドでは、どうなるでしょうか?ジェムは、Wwizardの杖から目の前の地面に落ちて、砕け散るものと思われます。臨場感を出すために、時には少し左から、時には少し右から、1メートルほど離れたところに落下したジェムがリスナーに聞こえるようにしたいものです。ジェムのゲームオブジェクトが存在しないので、ジェムのサウンドを3D空間に配置しようとしても、前のレッスンでWwiseが利用したような座標情報はありません。幸いなことに、対応するゲームオブジェクトがゲームにないサウンドでも、実際に3D空間内にサウンドオブジェクトをWwiseから配置するようなシミュレーションができます。3D Postition Automationを活用して実現させます。
まず最初に、ジェムサウンドに3D Spatializaitonを適用できるように設定します。これはテレポーターと同じ手順で行います。
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Project ExploreのAudioタブで、 Gem Drop Sequence Containerを選び、Property Editorで、Positioningタブを選びます。3D Spatialization プロパティを Position + Orientation に設定し、Attenuationグループで Object_Attenuation ShareSetを選択します。
前回の演習のようにAttenuationグループのEditボタンをクリックする必要は、ありません。これは、テレポーターと同じObject_Attenuation ShareSetをここでも参照するからで、テレポーターの時に設定したDistance attenuation設定が全て自動的にGem Dropオブジェクトにも適用されます。あとは3D空間におけるジェムドロップのサウンドとリスナーの相対的な位置関係を定義すれば良いだけです。これはPosition Editorで行います。
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3D Positionグループで Listener with Automation を選択し、 Automation ボタンをクリックします。
Position Editorウインドウが開きます。このエディタは非常にパワフルで機能豊富なツールで、ゲームプログラマーと追加のやり取りをすることなく、3D空間でダイナミックに動く高度にカスタマイズされたサウンドが作成しやすくなっています。頭の上を鳥たちが飛んだり、古い建物が軋んだりゴトゴト音を立てるような環境空間を作成するのには素晴らしいツールです。Position Editorを使い、地面を跳ね返るジェムのサウンドのポジションを変化させていくことで、ジェムドロップのサウンドの信ぴょう性を高めることができます。
Position Editorはサウンドオブジェクトが追随するユーザー定義の軌道であるpathsを使用して音源のダイナミックな動きを実現します。
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Pathsグループで New をクリックします。
四角刑の中心がリスナーのポジションを表し、この位置に対してサウンドがどこから発信されるのかを示す点が、グラフビューに表示されます。ジェムは最初はWwizardとあまり離れていない場所に落下するので、点をデフォルトポジションから、もう少し中央にドラッグします。
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コントロールポイントを下にドラッグします。
最初のインパクトサウンドのあとにジェムが砕け散るので、地面を跳ねる破片のサウンドが、少し違うポジションから聞こえてくるかもしれません。グラフビューをダブルクリックしてポイントを追加し、ジェムドロップのサウンドが通るパスを作成します。
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追加のコントロールポイントをいくつか作成し、それぞれ微妙に異なるポジションにドラッグします。
点群が直線で接続され、3D空間でたどるパスを示します。
Position Editorの下部にタイムラインがあることに気付いたかもしれませんが、グラフビューにポイントを追加するたびに、それに対応するポイントがタイムラインで作成されます。このタイムラインはゲーム内のバーチャルオブジェクトが、ポイント間を移動するのにかかる時間を示しています。ジェムドロップのサウンドは落下して数秒程度しか続かないので、タイムライン全体の長さを、実際にジェムのサウンドが聞こえる長さに近づけることができます。
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Configure Timeline ボタンをクリックし、 Length プロパティを 2 seconds に変更します。 OK をクリックします。
現実的には、地面に落ちたジェムはいつも同じパスを通るわけではないので、さらにリアルに感じられるように、複数のパスを作成してジェムが落下するたびに異なるパスが採用されるようにします。
新しいパスをはじめから作成するのではなく、既存のパスを複数回コピーしてから、コピーしたパスを変化させながらジェムの落下サウンドが通る軌道を何種類か作成できます。
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Gem Drop_Path を選択し、右クリックして Copy to Clipboard を選択します。
Pathsリストのパスを選択して、Ctrl+Cを押してそれをコピーすることもできます。
現在のパスがクリップボードにコピーされます。
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Ctrl+V を6回押して、新しいパスを6個作成します。
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パスを選択し、点の位置を変更します。同一なパスが無くなるまで繰り返します。
もうすぐで準備完了です。ここでいくつかの調整を行ないます。まずジェムが地面に落ちる度に、これらのパスから1つランダムに選択するように指定します。
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Random オプションをクリックします。
これで、ジェムドロップサウンドを再生する度に、あなたが作成したパスのどれかがランダムに選ばれ、サウンドはそれに沿って跳ねていきます。
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Playモードエリアで、 Continuousを選択します。
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Gem Drop Sequence Containerを再生して自分の作業結果を聞いてから、Position Editorを閉じます。