レッスン 1

目次

ゲームのプロファイリング

Cubeデモにサウンドを組み込む際、最初にどのような情報がゲームからWwiseに送られるかを理解しなければなりません。これを行うためには、インストールに関する章でテストした Profiler バージョンの Cube デモを起動させなくてはなりません。

  1. Cubeデモを起動します。

    [注釈]

    Cubeデモ起動方法が分からない場合、Wwiseをインストールする章の最後にあるCubeデモをプレイする 演習を参照してください。Cubeをプレイしたことがありゲームにサウンドが既に入っていれば、インストールの説明の章にある、Cubeをサイレンスにする演習を参照してください。

    ここでWwiseに戻ります。本コース全般通して、CubeデモとWwiseを頻繁に切り替えますので、ショートカットを習得する必要があります。WindowsではAlt+Tabを押し、MacではCommand+Tabでプログラムを切り替えることができます。

  2. Windows環境ではAlt+Tabを、 MacではCommand+TabでWwiseに戻ります。

    ゲームから受け取った情報をレビューするためのビューが多数存在しますが、1つ1つ開くのではなく、レイアウトを使用して一度にこれらを開くことができます。レイアウトは、共通して使われることが多いビューの事前定義された集合になります。

  3. メインメニューでLayoutsをクリックし、 Profilerを選択、もしくは F6を押します。

    Profilerレイアウトが表示されます。このレイアウトのビューを使用して、ゲーム中生成されるメッセージ情報を確認し、サウンドエンジンのパフォーマンスについての詳細をモニターすることができます。

    ゲームでから送られてくる情報を表示するために、左上のCapture Log ビューを使用します。この情報にアクセスするためには、バックグラウンドで起動しているCubeデモにWwiseを接続する必要があります。

    [ヒント]

    アイコンを表すボタンの上にマウスを合わせると、その機能を示すヘルプタグが表示されます。

  4. ツールバーで、Cursor Timeの数値表示の右側にある Connect to Remote Platform ボタンをクリックします。

    Remote Connectionsウィンドウが開きます。ここに、Wwise Sound Engineを使うゲームを稼働中の、ネットワーク上のコンピューターのリストが表示されます。これらのゲームがWwiseオーサリングアプリケーションと通信できるので、そのコンピューターがリストに表示されます。このリストに、あなたのコンピューターも入っているはずです。

  5. コンピューターをリストから選択し、Connectをクリックします。

    ウィンドウが閉じ、 Start capture on connect のチェックボックスが選択されているため、ツールバーのCaptureボタンが赤くなり、カウンターが動きます。

    キャプチャーとは、レコーディングプロセス(リアルタイム)を意味しており、ゲームプレイに関連したWwiseサウンドエンジンからの情報のログになり、サウンド開発における大変重要なアセットになります。

    Capture Logを見ると赤色や黄色のメッセージがあり、Cubeで音を出すために必要なファイルや情報が見つからない状態だということが分かります。これらのファイルを、あなたがインストールの段階で削除したからです。

  6. Cubeゲームに戻り、氷のジェムを一回、投げてみます。

  7. Wwiseに戻り、Capture Logを見ます。

    Capture Logビューを見ると数行の情報があり、あなたが氷のジェム(Ice Gem)を投げた時に、CubeからWwiseへ情報が送られたことが確認できます。

    ゲームに接続している状態では、一部のWwiseパラメーターを調整できません。目的の Capture Log 情報を確認できたら、ゲームとの接続を切るようにしてください。

  8. ツールバーの Remote Platform ボタンをクリックします。

    キャプチャーがストップし、Wwiseとゲームの接続が切断されます。そして何が起こったかを確認することができます。

    表示されている情報は、エラーを示しており、Wwiseは受け取ったメッセージをどのように処理するかを理解していません。このようなメッセージを、まとめてGame Callと呼びますが、トリガーされるコールには様々な種類があります。コールの詳細に関しては後で学ぶことができるため、今はエラーの詳細をより詳しく見る必要があります。

  9. 必要に応じて、エラーメッセージ全体が見えるように、Description列のヘッダー右端を右にドラッグします。

    Descriptionエリアのメッセージは、Eventと呼ばれます。EventはWwise Game Callの一種であり、これをゲームエンジンがWwiseオーディオエンジンに送り、ゲームで何かが起こったことを示します。多くの場合、EventがWwiseに送られる場合、サウンドをトリガーしたり、プロパティーを変更したり、もしくはサウンドの停止をしたりするのに使います。Eventにはその用途を識別するために名称がつけられます。今回は参照情報として、イベント名Fire_IceGem_Playerが表示されているので、このイベントは、プレイヤー(Player)が氷のジェム(Ice Gem)を発射(Fire)したことに関連することが分かります。

    Local Playerを指定するGame Object Name列があることにも注目してください。これは、ゲームのどの物に対しメッセージが関連付けられているかを明確にします。例えば、氷のジェムを携えたキャラクターがゲームに複数いるとしたら、サウンドが適切に再生されるように、氷のジェムを投げたキャラクターが誰なのかをゲームエンジンが把握する必要があります。もし、たった今50mも離れたモンスターが氷のジェムを投じたとしたら、その投げたサウンドがWwizardの氷のジェム発射サウンドと同じボリュームでは困ります。これに関しては、 レッスン 4:スペースの作成 で詳細を学ぶことができます。

    今は、Wwiseがこのイベントを使って何を行うべきかがわからない状態です。今からこの問題を解決します。


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