レッスン 5
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Wwiseで、バスというのは一種のオーディオオブジェクトで、ここで複数のオーディオ信号が1つのオーディオ信号として実際に合算される処理が行なわれます。バスはActor-Mixer Hierarchyには存在しませんが、Master-Mixer Hierarchyにはあります。全てのWwiseプロジェクトには、Master Audio Busと呼ばれる、少なくとも一つのオーディオバスが、Master-Mixer Hierarchyに存在ます。ゲームで聞こえる全てのサウンドは最終的にはこのMaster Audio Busを通過しますこの非常に重要なバスについて見てみましょう。
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Default Work Unitで Items を選択します。
どのようにItems Actor-Mixer出力バスが、Master Audio Busに設定されているか確認します。これはActor-Mixerに設定されており、内包されたオブジェクトは全てMaster Audio Busへ設定されたことになります。言い換えれば、それぞれのサウンドオブジェクトがオーディオケーブルでと呼ばれるオーディオミキシングコンソールへ直接接続されていると考えることができます。物理的な入力数に制限がある、従来のオーディオミキシングコンソールとは異なり、バスに接続できる個別のオーディオオブジェクト数に実質上制限はありません。
ここで、Master-Mixer HierarchyのMaster Audio Busを確認します。
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Master-Mixer Hierarchyで Default Work Unit を展開し、 Master Audio Bus を選択します。
Audio Bus Property Editorではオーディオメーターが確認できます。オーディオ信号が実際には通過しない為、Actor-MixerにはMeterが存在しません。Audio BusのMeterにおいてオーディオ信号をMeterで計測できることから、各Objectから直接接続されていることが理解できます。
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Actor-Mixer Hierarchy内の任意のSound SFXオブジェクトを選択した後、再度Master Audio Busを選択してから、オブジェクトを再生します。
メーターは対象のバスに送られる合計のサウンドレベルを表示します。
Wwiseをサラウンドサウンド再生の設定にしている場合には、異なるレイアウトになります。
2つのボリュームコントロールがあることにお気づきかもしれません。Bus Volumeはマスターミックスとして最終出力をコントロールします。このフェーダーを調整することで、このバスに送られる全てのソース音源の合計信号を増加、減少させます。一方、Voiceに囲まれたVolume、Pitch、Low-pass/High-pass filterプロパティーは、合計オーディオ信号に影響を与えませんが、このバスに関連づく全てのオブジェクトにオフセット値として直接影響を与えます。全てのオブジェクトは最終的にMaster Audio Busへ送られるので、これらのプロパティを1つでも調整することは、プロジェクト内の全てのオブジェクトに対して調整を行なうことと同じなので、気をつけてください。この仕組みを確認するのに適した方法がレッスン3で使ったVoice Profilerレイアウトなので、もう一度開いてみてください。
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メニューバーで Layouts > Voice Profiler を選択するか、 F11 を押します。
Voice Profilerは、キャプチャーセッションを開始しない限りリアルタイム情報を表示しないことを忘れないでください。
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Start Capture ボタンをクリックします。
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Project Explorerで Items Actor-Mixerを展開し、 Teleporter Sound SFXオブジェクトを選択し、Playを押します。
Teleporterサウンドが再生されると、それがVoice Explorerビューでアクティブボイスとしてリストに表示されます。
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Voice Explorerビューで Teleporter を選択します。
Voice Inspectorの左ペインにオーディオシグナルの流れを示す簡単な図があり、TeleporterのオーディオがMaster Audio Busに回されていることが分かります。これは正しいのですが、Items Actor-Mixerは、ほかにもTeleporterを再生する時のボリュームオフセットの計算にも役立ちます。Voice Inspectorの右ペインにボリュームのオフセット計算に影響する全てのオブジェクトが表示され、そこにItemsのActor-Mixerも入っています。Volume列の "-" は、現在設定されているオフセットがないことを示します。
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Sound Property Editorで、 Voice Volume を -6 まで下げます。
ボリュームを下げるにつれ、Teleporterがだんだん静かになっていくのが分かります。また、Voice Insepectorを見ると、TeleporterのVoice Volumeが-6に設定されているのが分かります。Volume列の一番上にFinal Valueの計算があり、ボリュームオフセットの合計が-6 dBに設定されています。このFinal Valueは、Teleporterに影響を与えるほかの各種オブジェクトのボリュームオフセットを変更すると、変わっていきます。ほかのオブジェクトのボリュームを調整するには、Voice Inspectorの右ペインにあるそのオブジェクトの行をダブルクリックすれば、設定内容がProperty Editorに表示されます。
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Voice Inspectorの右ペインで、 Items 行をダブルクリックします。
Property Editorに変化があり、Items Actor-Mixerの設定が反映されたのが分かります。
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Property Editorで Items Actor-Mixerの Volume を -4 に変更します。
新しいオフセット値が表示され、なかでもFinal Valueの合計は -10 dBと表示されます。
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Master Audio Bus 行をダブルクリックします。
既に習った通り、 Master Audio Busには調整できるボリュームプロパティが2つあります。
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Master Audio Bus Voice Volume を -3 、 Bus Volume を -2 に設定します。
計算されたオフセットのFinal Valueが -15 dBとなりました。
図の左側に、Teleporterが-13と表示されています。その理由は、Bus Volume値以外の入力した値が合算され、その合計値がTeleporterオブジェクトの再生ボリュームに影響し、それがMaster Audio Busに送られ、Master Audio Busを通過する全てのオーディオシグナルの合計に対して、最終調整として-2 dBが適用されたからです。音が適切な音量で再生されるように作用する要因が多数あるなか、これらの変数を一括して参照できる方法をVoice Profilerが提供してくれるので、大変便利です。その仕組みが分かったところで、あなたが調整した値を、全て0に戻してください。
Voice InspectorのDriver列を見ると、あなたが何かを変えるたびに、Live Editと表示されます。これは、今聞こえてくる内容が、ゲームに接続した結果ではなく、あなたがキャプチャー開始後にプロジェクトに加えた変更に基づいているということを、明確にさせるためです。もしTeleporterの再生を停止し、再び再生したとすると、この列にProject Valueと表示され、設定がキャプチャー開始前から今のプロジェクトの一部であったことが分かります。
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あなたが行ったボリュームオフセットを全て 0 に戻し、Teleporterの再生を停止し、キャプチャーを停止します。