レッスン 5
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サウンドカテゴリー毎にオーディオバスを作成する利点の一つは、これら複数のバス間にダイナミックな関係を作成できることです。一般的な例はダッキングと呼ばれる手法です。ダッキングは、あるオーディオ信号パスのボリュームを、別のオーディオ信号パスのボリュームによって操作する方法の一つです。典型的な例はラジオDJです。DJがマイクへ話している際には、マイクの信号の有無が音楽のボリュームを自動的に抑えるのに使われ、DJの声が聞きやすいようにしています。DJの話が終わると、音楽は再度ボリュームが自動的に元のレベルに戻ります。
ゲームオーディオにおいてダッキングはとても強力な機能で、この機能がオーディオバスに対して提供されていることで、設定も非常に容易になっています。この例では、ゲーム内でアクションがあり、あなたが一生懸命実装したそのサウンドをプレイヤーに確実に聴かせたい時に、音楽のボリュームをダッキングさせます。しかしながら、プレイヤーが物陰に隠れ、じっとしており、なんの環境音も聞こえないような状況もあります。こうした場合には、音楽のボリュームを少しだけ上げるようにします。
まず初めに、ダッキングの制御元となるバスを選択します。
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Master-Mixer Hierarchyの Environmental Busを選択します。
次にEnvironmentalバスがほかのどのバスを制御するのかを設定します。
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Auto-duckingタブで、 Insert をクリックします。
Project Explore Browserが開きます。
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Master Audio Bus を展開し、 Music を選択し、 OK をクリックします。
Environmentalバスにオーディオシグナルがある時に、Musicバスのボリュームがとう影響されるのかを、ここで示す必要があります。デフォルトのボリューム変化は -6dBで、なんとなく気づける程度のわずかな変化です。Volume変更をもう少し大げさな設定にしてみます。
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Volumeプロパティを -9 に設定します。
バスで信号を検知してから対象バスを変更するまでの時間を指定するFade InやFade Outなどのプロパティもあります。Target列を見ると、このボリューム変更を適用する対象がVoice Volumeとなっていますが、これはMusicバスに寄与する各オブジェクトのそれぞれのVoice Volumeプロパティのボリュームから差し引くことを意味します。一方、Targetの設定をBus Volumeに変えると、ボリューム変更はバスボリューム全体に影響を与えます。