レッスン 7
目次
プロジェクト用のConversion Settings ShareSetsが用意できたので、それをプロジェクト階層内のオブジェクトにアサインしていきます。Conversion Settings ShareSetのアサインは、他のオブジェクトプロパティのように、親から子へ継承されます。つまり、Conversion Settings ShareSetをActor-Mixerにアサインすると、それ以下の全てのコンテナやオブジェクトが自動的に同一のShareSetを使用するようになります。
-
Designer レイアウトに切り替え、Project ExplorerでAudioタブをクリックし、 Magic Actor-Mixerを選択します。
-
Property EditorのConversionタブを選択します。
Conversion Settingsグループでは、デフォルトで新しいオブジェクトは全て、Modeが Use ShareSets に設定されています。今、これから使うShareSetを作成したので、この設定は変えません。
Define Customモードは、まだShareSetを設定していない独自のConversion Settingを適用したい時に使います。
-
[>>] セレクタをクリックしてあなたが作成したShareSetsのリストを表示し、 Default Work Unit > SFX を選択します。
次にSFX Conversion ShareSetの変換パラメータを調整する必要があります。
-
SFX ShareSetの右のEditをクリックします。
Conversion Settings Editorが開きます。ウインドウ上部にはこのShareSetにアサインされた任意のオブジェクトに適用する変換パラメータが表示されています。ウィンドウ下部には、このShareSetに現在アサインされているオブジェクトのリストと、オーディオファイルのチャンネル数やサンプルレートや、最も重要なオリジナルファイルのサイズなど、詳細が表示されます。
よく見ると、Audio Sourceの名前が青字で、Converted Size列の値が空欄です。これはファイルに対して変換処理がまだ行なわれていないからです。
左端の列にAudio Sourceの名前が見えなければ、列のヘッダの右端をドラッグしてコラムの幅を広くします。
サイズ削減に役立つ、オーディオファイルに適用可能な変換プロセスには様々な種類があります。ステレオチャンネルをモノラルに変換したり、サンプルレートを下げたりするのは、ファイルサイズの削減に役立ちますが、オーディオの聞こえ方がはっきりと変わってしまうこともあります。
もう一つのオプションはフォーマットの変更です。デフォルトで、Wwiseにインポートされるオーディオは、一般にPCMファイルで、ファイル自体に対してデータ圧縮が適用されていません。MP3ファイルなどに適用されるデータ圧縮を使えばファイルサイズを大幅に削減でき、適用方法によっては、違いがほとんど分かりません。WwiseはMP3圧縮を選択肢として提供していませんが、非常に似たVorbis圧縮は提供されていて、こちらの方が音が良いと支持する人も多く、ゲームオーディオ実装の標準とも考えられます。一つ考慮すべきことは、音声ファイルが圧縮されると再生時にゲームシステム側で解凍する必要があり、システムプロセッサーへの負荷が加わることです。その為、ファイルサイズとプロセッサー負荷のバランスを考慮しなければなりません。この演習では、Vorbis圧縮を使用することにします。
-
WindowsとMacのどちらのフォーマットでも Format ドロップダウンメニューをクリックし、 Vorbis を選択します。
Audio Sourceが青色表示になり、新規に選択されたConversion Settingではまだ変換されていないことを示しています。
Qualityプロパティ値というVorbisオプションだけの値が、表示されます。本項目がVorbis変換後のサウンドのクオリティを表し、最低レベルの-2から10までの範囲になります。より高い値はより優れたサウンドクオリティを表しますが、データ削減はより少ないことを意味します。4という値が出発点としては有効で、ファイルサイズを劇的に削減できるのと同時に、大抵の場合で納得のいくサウンドを得られます。
ここで設定を適用します。
-
Convertをクリックし、Conversion Settingsを適用します。
SoundBankを生成する時もConversion Settingsが適用されます。
Audio File Conversionダイアログボックスが開くので、どのゲームシステムに適用するかを確認します。
-
あなたのシステムに適切なオプションを選択し、Convertをクリックします。
処理が終わると、リスト中のオーディオファイル名が白色に変わり、全てが変換されたことを示します。変換後のファイルサイズを確認します。Vorbis変換で大部分のファイルサイズが70~80%も削減され、スペースが大いに節約されました。
これでMain SoundBankのメモリ予算がどう影響されたかを確認するには、このSoundBankを生成します。
-
Conversion Settingsウィンドウを閉じ、SoundBankレイアウトに戻り、 Generate All をクリックします。
Main SoundBankがメモリ予算を満たしたのが分かりますが、DCP_the_core SoundBankは、まだかなり予算オーバーのままです。これについてはあとで対応します。
あなたのプロジェクトのConversion Setting ShareSetsを作成できたら、どれをデフォルトにするのかを指定します。デフォルトのConversion Settings ShareSetは、新しいオブジェクトを作成した時に使いますが、これを使うのは新しいオブジェクトが最上位の親オブジェクトの時だけです。このオブジェクトに親があれば、親のConversion Settingsを継承します。オブジェクトにConversion Settings ShareSetがアサインされていなければ、SoundBanksを生成する時にオブジェクトを変換するのにデフォルトのShareSetを使います。デフォルトShareSetは、Project SettingsのSource Settingsタブで設定します。