レッスン 2

目次

単一Eventへの複数アクションの適用

ジェムの再充電サウンドが設定できたので、次に再生のタイミングを調整します。ビジュアル的には、Wwizardが氷のジェムを発射した時に光り、次に杖が右の方に画面外まで振られると、氷のジェムが魔法のように杖の中に入れられる、という流れです。ゲームエンジンのプログラマーにお願いして、杖の振りと、魔法の再充電に、別々のゲームコールを提供してもらえば、それに対応するEventを、もともと氷のジェムの発射に使ったFire_IceGem_Player Eventのように作成できます。もしくは、プログラマーの手を煩わせずに、これを実現させる方法を検討します。こうすることでオーディオ担当者、そしてプログラマー、どちらにとっても貴重な時間を節約することができます。氷のジェムの発射と、杖を振るwoosh動作と、魔法の再充電が、全て同じアニメーションの一部であり、アニメーション自体は不変なので、これらの各動作の間隔は予測できます。氷のジェムの発射用に、既にFire_IceGem_Player Eventがあるので、あとは、そのEvent後の事前に決めた時間に、wooshサウンドと魔法の再充電サウンドをトリガーさせるだけです。これは、Playアクションを遅延させることで実現できます。

  1. Event Viewerで、Fire_IceGem_Player Eventを選択します。

    前のレッスンで設定したPlay IceGem_Blast アクションをEvent Property Editorで見ることができます。1つのEventで行えるアクションの数に実質的な上限はないので、Gem_Rechargeの2つのオブジェクトをそのままEvent Property EditorのActionsペインに追加します。ただ今回は、最初にPlayアクションを作成してから再生するオブジェクトを追加するのではなく、単純にProject Explorerからアクションペインに2つのオブジェクトをドラッグします。これを行うためには、両方のGem_Recharge オブジェクトを選択しなければなりません。

  2. Shiftキーを押した状態でGem_Recharge_MagicとGem_Recharge_Wooshオブジェクトを選択します。

    [注釈]

    もしShiftキーを最初に押し忘れた場合、Gem_Recharge オブジェクトの一つをクリックした瞬間に、Event Property EditorがProperty Editorに変わり、次のステップへ進むことができません。

  3. 選択したオブジェクトのどちらかをEvent Property Editorのアクションペインにドラッグします。

    2つのオブジェクトが、Event Property EditorのIceGem_Blastの下に追加されます。なお、アクションがリスト表示されていますが、さらに別の設定をしない限り、これらのアクションは次から次へと順番に実行されるのではなく同時に実行されるので、この点をよく理解しておいてください。

  4. Fire_IceGem_Player イベントオブジェクトを再生します。

    ブラストとwooshと魔法のチャイムのサウンドが同時に再生されることに気が付きます。各サウンドをアニメーションのシーケンスに合わせるために、サウンドごとに値を設定して遅らせます。まず、魔法サウンドを遅延させます。

  5. Event Property EditorでGem_Recharge_Magicを選択します。

    アクションタイプによって様々な関連プロパティがありますが、必要に応じてEvent Property Editorの展開表示の三角印を使って表示させてください。

  6. 必要であればEvent Property Editorの右上にある展開表示用の三角印をクリックします。

    展開表示用の三角印をクリックすると、選択中のアクションに関係する全てのプロパティが、右側のペインに表示されます。Playというアクションタイプに、Delayというプロパティがあります。

    ゲームでは杖が画面外に振られると魔法によって再充電されますが、これはWwizardが氷のジェムを発射してから約0.7秒後です。

  7. Gem_Recharge_MagicのDelayパラメータをクリックし、0.7と入力し、Enterを押します。

    wooshサウンドでも同じことをしますが、遅延を短くします。もし全アクションのDelayプロパティを同時に確認できれば、それらの再生順序がもっと簡単に分かり、便利なはずです。Event Property Editorの左ペインのアクションリストに、プロパティ列を追加できます。

  8. どの列でもいいので、ヘッダ部分を右クリックして Configure Columns... を選択します。

    Object Property Settingsウィンドウが表示されます。

  9. Eventsの項目を展開し、Delayを選択して OK をクリックします。

    これで、全てのアクションのDelayプロパティが表示されます。

    [注釈]

    左側のアクションペインにDelay列が表示されていない場合は、Event Editorの2つのペインの間の境界線を右にドラッグして、Delay列を表示させます。

    wooshサウンドは、最初のブラストから0.5秒後に聞こえるようにします。

  10. Gem_Recharge_WooshのDelay値を0.5に変更し、 Enter を押します。

    [ヒント]

    Delayプロパティの列が表示されていても、順番に表示されているとは限りません。Delay列のヘッダをクリックして昇順または降順にソートし、その逆にするには、もう一度クリックします。

    これで、氷のジェムの発射シーケンス全体を、wooshサウンドや魔法の再充電サウンドも合わせて、テストできます。

  11. Fire_IceGem_Player Eventを再生します。


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