Wwiseのスペーシャルオーディオ(spatial audio)パイプライン上で、既に数々の洗練された AR (拡張現実)ゲームや VR (バーチャルリアリティ)ゲームが制作されています。Audiokinetic は2014年に早くもVR ゲーム開発のサポートを開始しました。コアエンジン開発と同時に、様々なプラグインのコラボレーションを通して開発コミュニティとの連携を強め、この技術のアーリーアダプター達の各種プロジェクトや商用タイトルを後押ししながら、Wwiseスペーシャルオーディオの関連ツールを構築してきました。
Wwise 2014.1 では、サウンドエンジンの内部データである3Dオブジェクトポジショニングや各種ソースオーディオなどをデベロッパーがミキサープラグインAPI 経由で直接アクセスすることが可能となり、ミックスを独自に作成できるようになりました。
またWwise 2015.1では、Oculus Rift 用にサウンドソースの3D ポジショニングを確実にレンダリングできるOculus SpatializerをパートナーのOculusと共に提供したほか、Sony 向けには次期PSVRプラットフォームのAudio3d Object Pannerを提供しました。Android やWindows ベースのVRヘッドセット向けには、プラットフォームに依存しないサードパーティ技術に対応したAuro®-HeadPhones™ プラグインなどが提供されました。VRエクスペリエンスに適したこのプラグインが、高さを含むチャンネルコンフィギュレーションのバイノーラルミックスを作り出すのです。
Wwise 2016.1 で提供するアンビソニックスパイプラインでは、再生からローテーション、エンコード、デコード、そして全てのWwiseエフェクトやMcDSPエフェクトへの対応に至るまでが可能となり、今後は新たにダイナミック初期反射の空間配置の設定やカスタム化できる反射面、そして室間の音の回析などに着目した、表面の形状に基づく残響(リバーブレーション)プロジェクトであるWwise Synth Space ベータバージョンをリリース予定です。
早くからVR の世界に関わってきたAudiokineticはVR最前線に立つことに成功し、迅速に発展し続けるパイプラインを通して、Wwiseを使うVR制作者たちが急発進できる環境を整えました。
現在、Wwiseを使ってリリースされたゲームや開発中のVR ゲームは、約400タイトルもあります!出荷されたVR ゲームの一部を、ここでアルファベット順に紹介します。
- Barking Irons– 共通の空間で他のプレイヤーと物理的に動き回ることのできる、無線のVRアーケードゲーム。VR分野の中でも初めてマルチプレイヤー機能を導入したゲームの1つです。
- The Climb- 気味が悪いほどリアルな見晴らしやプレイを楽しめる、ファーストパーソンのロッククライミングゲーム。高所恐怖症や首を痛めている人は、ご遠慮願います。
- Dirt Rally- レーシングゲームを代表するこのゲームをOculus Riftに完全にインテグレーションさせることで、ビジュアルもゲームプレイも強化されました。
- Edge of Nowhere- 暗闇の旅に導き込まれる、サードパーソンのVRアドベンチャーゲームです。現実がワープしてモンスターが出現する中で、あなたも狂気の世界に引き込まれるかも。
- Elite Dangerous: Horizons- 奥の深いMMOプレイを複雑なストーリーに組み込み、リアルな戦闘を実現したスペースアドベンチャー。Elite Dangerous: Horizons でプレイヤーは、数十種類ある宇宙船を乗り換えながら、何十億もの星系を探検して無限のバトルを繰り広げます。
- Eve: Gunjack- 絶大なSFユニバースで繰り広げられる、シューティングゲームのVR版とモバイルVR版です。強力なオーディオで、感動的なテキスチャーやエフェクトを体感できます。
- Eve: Valkyrie- 数あるOculus Rift 向け作品の中でも最強タイトルの1つであるEve: Valkyrie は、宇宙を舞台とするマルチプレイヤー格闘ゲームとして、ビジュアル表現や制作過程の品質も一流です。
- Fantastic Contraption- VR専用に開発された、超現実的なモノづくりゲーム。等身大の機械を完成させてから、解が無限にあるようなパズルを自作マシンに解かせていきます。
- Farlands- Oculus向け作品の中でも、他に類をみないタイトルです。単発プレイを念頭に設計されたシリーズ形式のミニゲーム。
- Fated: The Silent Oath- 物語をベースにしたファーストパーソンのアドベンチャーゲームで、VR機能がフルに活用されています。魅力的な映像やVR機能で、Fated: The Silent Oath は今までにない感動をもたらします。
- Henry- Oculus Studiosが開発したVR体験です。プレイヤーが主人公のヘンリーとやり取りする中で、ストーリーを自分なりに紐解いていきます。
- The Leviathan Project - ARとVRの両方を体験できるLeviathan Project は、究極の没入感をもたらすソニック効果で成り立っています。
- Lost- Lost も、Oculus StudiosのVR 体験です。Oculus Studios が初めて開発した映像作品として、制作者にVRを使ったストーリー作りの可能性を実証しています。
- Lucky’s Tale- Oculus Rift 専用に開発されたアドベンチャーゲーム。カメラの動き、モーション表現、そしてゲームプレイを革新的な手法で繰り広げることで、ユーザーが没入感あふれる世界に引き込まれていきます。
VRでないリリース済みのゲームでも、Wwiseの技術を利用したパッチでVRを提供し始めている例が増えています。あなたが既に発表したゲームもVRに適しているのであれば、実現手法がWwiseに完備されています!
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