Strata誕生から1年 ー 急成長を遂げています!

Strataの使い方やツール

Strataは2022年10月12日にリリースされました。Strata SFXライブラリは、REAPERプロジェクト全体を通してマルチトラックフォーマットのサウンドを提供できるため、あらゆる面からこれまで以上にサウンドを制御できます。Strataはインタラクティブオーディオを念頭に構築されており、インゲームのランダム化に十分なバリエーション(サウンド当たり6~16)を作成すると共に、これらのサウンド同士に整合性を持たせ、音を合わせた時に均一な音響結果が得られるようにしています。Strataを使用しないとなると、必要なサーフェス、動き、強度などをカバーするためさまざまなライブラリから事前レンダリング済みのサウンドを収集した上で、結果を成り行きに任せることになります。 

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Strataプロジェクトでレイヤー(トラックグループ)とランダムテイク(リージョン)にサウンドを展開する様子

従来のやり方に新たなアプローチを提案するような新製品リリースでは特に、まずはMVP、つまり実用最小限の製品で試し、よい点や改善点をユーザにフィードバックしてもらうことが最善のやり方です。私たちの場合も、みなさまから膨大なフィードバックをいただきました。みなさまの提案の一部は昨年のうちに採り入れており、ほかの提案も今後採り入れていく予定です。2022年のリリース以降達成した成果と、近々ご利用いただけるようになるサービスについて、ここで概要をご紹介します。 

計画遂行とその後について

37コレクションに拡大 

当初は12だったコレクション数を、初年度1年間で37に増やす計画でした。制作パートナーであるBOOM Libraryの驚異的な作業スピードと、AudiokineticのStrataチームの協力により、まるで精密機械のような正確さで毎月2~3コレクションのリリースをすすめることができました。関係者のみなさまのご協力に感謝いたします。

Strataを利用したことがない方は、37コレクションと言っても実感が湧かないかもしれません。そのため次のようにも表現できます。 

  • ソースファイル数160,000
  • サウンド数47,000(Strataの「サウンド」はREAPERのリージョンに相当し、複数トラックを含んでいます)
  • 558REAPERプロジェクト数 
  • 96KHz/24 bitの原音255時間(各サウンドを連続して聴く場合) 

このように充実した内容となっています。

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Strata初年度で37コレクションに拡大

REAPER用拡張機能ReaWwise

リニア編集からUnity、Unreal、FMODなどを使ったインタラクティブメディアまで、Strataは幅広いコンテキストで使用できます。しかしStrataを最も活かすことができるのは、やはりWwiseです。そのため、包括的なREAPER用拡張機能であるReaWwiseを開発し、REAPERからWwiseコンテナヒエラルキーに簡単にサウンドエクスポートできるようにしました。ReaWwiseで、Wwise内のREAPERレンダリングインポート先と、コンテナタイプ、オブジェクト名、プロパティテンプレートを定義でき、また編集結果を取り込む前にプレビューできます。REAPERで“ワイルドカード”を使って既存の命名規則を適用することもできます。 

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Strata Footstep REAPERプロジェクトからReaWwise拡張機能を使って作成されたWwiseヒエラルキーの例

各サウンドライブラリマネージャにStrataを統合

Strataを初期に導入したユーザとの対話から、ワークフローを効率的にするには普段使用しているサウンドライブラリソフトウェアに「ネイティブに統合できること」がいかに重要かが分かりました。Soundly、Soundminer、Baseheadなどで検索する場合の通常のワークフローでは、検索条件と一致する一連のオーディオファイルを受信し、各DAWにサウンドを移動してから整理します。しかしStrataのオーディオファイルの場合、見つけたオーディオファイルがアタッチされているREAPERプロジェクトを開けられるようにしてほしいというニーズがありました。

そのために必要な、Githubで使用できるコードを記述し、レンダリングされたStrataオーディオファイルから関連するREAPERプロジェクトを開けられるようにして、まずはWwiseとREAPERに実装しました。これがうまく機能したため、Soundly、Soundminer、Baseheadと契約し、各製品で「REAPERで関連するStrataプロジェクトを開く」機能を実装できるか検討をお願いしました。現状は以下の通りです。  

  • Soundly: 最新バージョンで対応済み 
  • Soundminer:バージョン6.1に実装(本記事執筆時点ではベータ版)
  • Basehead:2024年初頭のBasehead v2024で対応予定 

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5つのソフトウェアにStrataを統合し編集作業を高速化

Soundminerで“関連するREAPERプロジェクトを開く”ワークフローは次のようになります。 

Soundlyの場合は次のようになります。

新たな制作パートナー

Strataの柱の1つは、多様なSFXライブラリ制作者のコレクションを取り入れることです。BOOM Libraryを皮切りにStrataの制作パイプラインが確立され、新たなパートナーを受け入れる体制が整いました。各パートナーはユニークなサウンドを持ち寄り全体に貢献してくれます。

各パートナーは次の1年でコレクションをリリースする予定です。メール購読設定でStrata Newsletterの受信登録を行い、最新情報を入手してください。

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2024年1月からStrataコレクションのパートナーが新たに5社追加

2024年の新たなコレクション

現在最終的な調整を行っている最中ですが、2024年を通してリリースする新規コレクションは15~20を予定しています。戦闘、各種の雨、破壊、がれき、戦闘グループ、魔術、ゾンビ、ドローン、潜水、宇宙環境、SFサウンド、人の擬声語などを予定しています。 

新たなサブスクリプションモデル

社内サウンドデザイナー、協力者、学生、学校、ビデオゲーム開発者との話し合いで最もよく議題に挙がったものに、サブスクリプションモデルがあります。初回の3年間サブスクリプションがやや柔軟性に欠けることは承知していましたが、当社ではユーザフィードバックを得た上で新たなサブスクリプションを導入し、ユーザニーズに確実に応えたいと考えていました。その結果として、ニーズに合わせて次の3つのオプションがまもなく登場します。 

1年間プラン

Strataが登場して間もないことを考えると、3年契約はやや長すぎると感じるユーザもいます。そのため1年間サブスクリプションを提供することになりました。そしてStrataを使ってみて、そのワークフローや充実ぶりを十分評価した上で、より長期間のサブスクリプション(割安になります)に申し込めるようになりました。 

アカデミックプラン

当社ではStrataの発表以前から、サウンドデザインを教える上で強力なツールになるだろうと考えていました。学生や教師の話を聞いた結果、Strataは授業での利用に適しているという考えに確信を持ちました。学生は通常プロに比べて予算が限られているため、どうすれば学生が利用しやすくなるかが主な課題でした。

そのため、ライブラリすべてを利用できる年間100米ドルのアカデミックプランを提供することになりました。これにより、国にかかわらず広くすべての学生が利用できるオプションとなります。インクルーシブなサブスクリプションプランであることは間違いなく、自信を持っておすすめします。これは学校での作業だけでなく、学生が商業活動にも使えるサブスクリプションモデルとなっています。  

シングルプロジェクトプラン

Wwiseのプロジェクトベースのライセンスと同様のサブスクリプションモデルへの要望もありました。実際、多くのプロジェクトでは開発のゴーサインが出た時点で制作予算が下りるため、Wwiseライセンスの取得と同時にStrataの利用を開始することが、サウンドデザイナーにとってすすめやすい形になります。

議論を重ね当社のデータを検討する中で、フルタイムでプロジェクトに取り組むサウンドデザイナーがいるチームの要件に合わせて3つのサブスクリプション階層を設定しました。 

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新たなサブスクリプションオプションで幅広いユースケースに合わせたソリューションを提供

初年度を振り返って 

初年度はすばらしい年になりました。ほかのツールへのStrataの統合や、新たなパートナー、サブスクリプションオプション、コレクションの追加をすすめながら、Strataをサウンドデザインになくてはならないメインツールの1つにするため改善に取り組む分野について、多くを学ぶことができました。 

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今年達成した成果(今後も拡大予定) 

Strataがコンテンツの面でもワークフローの面でも包括的に対応できるサウンドデザインパッケージとなるよう、ぜひご協力ください。フィードバックやご意見をお待ちしております。 

Strata無料サンプルをぜひお試しください!

サイモン・アシュビー(Simon Ashby)

プロダクト担当V.P.

Audiokinetic

サイモン・アシュビー(Simon Ashby)

プロダクト担当V.P.

Audiokinetic

Audiokinetic共同創業者のアシュビーはWwiseのプロダクト開発責任者として、毎年、何百ものメジャータイトルの動力源となり世界中のインディーズからAAA級のユーザーに至るまで何千人ものユーザーに使われるこのツールを、成長させている。Audiokineticの前は、複数のゲームでシニアサウンド&ゲームデザイナーを経験。幅広い業務経験を活かし、頻繁に講師やパネリストとして活躍中。彼の講義のテーマとしてよくあのが、ビデオゲーム全体のエクスペリエンスにおけるサウンド制作とインテグレーションの役割。2011年、第1回Canadian Game Development Talent Awardの"Audio Professional of the Year"を受賞。

 @sashby21

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