ゲームの世界では、現実に存在しないキャラクターが数多く登場します。巨大なドラゴン、巨人兵、狼男、ゾンビ、サイボーグなど、それぞれ個性をもったキャラクターがプレイヤーと対峙し、時には味方となって物語を進めます。それらキャラクターの音声は、バーチャルなキャラクターに個性を与え、命を吹き込み、ゲーム体験を最高のものとする極めて重要な役割を持っています。しかし、現実世界に存在しないキャラクター音声を作成することは容易ではありません。加えて多言語対応となると、作業工数が倍増してしまいます。KROTOS Dehumanizer Liveはボイスエフェクトに特化した革新的なテクノロジーで、Wwiseのランタイムplug-inとして利用できます。Dehunamizer Liveを使用することで、高品質でクリエイティブな音声加工を素早く行い、且つリアルタイムに狼男から人間の音声へモーフィングさせる、といったことが可能になるのです。
Krotos Ltdは、優れたオーディオテクノロジーを有する私たちのコミュニティープラグイン企業の1つです。KROTOS Dehumanizer Live は4つのコンポーネントで構成されています。
- Dehumaniser Simple Mode
- Dehumaniser Advanced Mode
- Vocoder
- Mic Input
メインコンポーネントとなるDehumaniser Liveは二つのモードが用意されています。
Dehumaniser Simple Mode
- Age
- Aggressiveness
- Size
- Character
- Wildness
Dehumaniser Advanced Mode
- Granular
- Delay Pitch Shifting (x 2)
- Flanger/Chorus
- Ring Modulator
Simple Modeは5つのパラメーターに集約され簡単にモーフィングさせることが可能です。CPU負荷も抑えられています。一方、Advanced Modeは20以上のパラメーターを変更することが可能です。その分CPU負荷は大きくなります。どちらも非常にユニークな効果を得られますので、目的にあわせて2つモードを選択することができます。
全てのパラメーターはRTPCによるリアルタイムプロセッシングが可能です。例えば、人間からモンスターに変化するパラメーター変化をRTPCと設定することで、ゲーム中でもスムーズなモーフィングが可能です。加えて、これまでのようなオリジナルとプロセッシングの2種類のアセットを用意する必要が無くなるため、データ量削減にも貢献します。
Dehumaniser Simple Modeでは、CharactorとSizeのパラメーターが重要で分かりやすく効果が表れます。そのため、この2つのパラメーターで基本となるキャラクターのサイズ感や質感を固め、他のパラメーターを調整して好みの結果になるようにすることをお勧めします。
Dehumaniser Advanced Modeでは、2つのDelay Pitch Shiftが重要なパラメーターになります。この2つのパラメーターで基本音程を作り、さらGranularで奇妙な質感のレイヤーを加えることができます。そして、内包された複数のエフェクトを用いて、ボイスエフェクトを細部まで調整することが可能です。
Vocoderはロボットボイスのような機械的音声を作り出すことが可能です。Pitch Tracker Modeを選択するとインプット信号の音程変化に追従する為、まず初めにお試し頂くことをお勧めします。Set Pitch Modeでは典型的なロボットボイス効果が得られます。Careerの波形10種類、8 band EQを用いて、さらにロボットボイスの質感を調整することが可能です。
最後にMic Inputですが、こちらのコンポーネントを使用すると、PCのマイクインプットと接続し、自分の声をリアルタイムにWwise内で再生することが可能になります。Defumanizer Liveの機能を自分の声を使ってテストすることもも可能です。もちろんランタイムコンポーネントとして、例えば音声チャットシステムとDehumanizer Liveと組み合わせ、ユーザーの音声を加工することも可能になります。
日本で8月30日(水)から開催されるCEDEC2017では、Dehumaniser LiveとWwiseのダイアログローカライゼーション機能を組み合わせた、革新的なワークフローについて展示ブースおよびスポンサーセッションにて紹介を行います。当日の模様は次回のBlogで詳細を報告する予定です。
CEDEC2017のセッションの詳細に関しては、下記をご覧ください。
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